新しい番組だけでなく少し古い番組もあるが、12月に続いて1月はランニングの時間などにpodcastを聴く時間が長かったので、まとめてみた。
●積読チャンネル
NHKが継続取材していたOSO18の取材記録をまとめたもの。二人が話している中で面白かったのは、映像で映える情報と、文字にしたほうが映える情報には差異があるということだ。だからNHKオンデマンドで番組はいろいろ見ることができるが、本には本の面白さがあるということを二人が語りつくしている。
開高健ノンフィクション大賞を受賞した一冊の紹介。JA対馬で発生した巨額の不正と、被疑者の死亡事故。ではその人が巨悪だったのか? というと実はそうではなく、三段構えで潜んでいる悪の構造が見えてくる。しかし本当の巨悪は最後の数十ページに・・・ということで読みがいはありそうだ。
所沢市の育休退園問題を追った新書を紹介する回だが、父親でもある飯田の個性と努力が発揮されていていい。サブテキストとして大日向雅美の本も読んだという飯田が、大日向についても熱く語っている。結果として、育休退園がなぜ制度化されてしまうのか、その背景にある「母親」に対する母性神話の話なども語られている点でかなり社会的でもある回。
独裁化した管理組合の横暴によって資産価値も低下してしまったマンションを、勇気ある住民たちが「民主的に権力を取り返す」闘争を追ったノンフィクションの紹介。この本の内容はなんとなく把握していたが、ドキュメント形式であるため映像化にも向きそう。民主主義が寡頭制になるリスクを大昔にアリストテレスが指摘しているが、寡頭制を健全な民主制に戻す試みでもあるためアリストテレスもびっくりの闘争かもしれない。
●メジャーリーグ関係
元サンスポの野球記者で、いまはフリーランスの立場ながらMLB.comの記者とライティングも担当している山田記者に対するFelixによる超ロングインタビュー。途中から山田記者がかなりノってきたことがわかるインタビューになっており、記者として就職した話からなぜフリーランスになったのか、野球記事の作り方に関する日米の違い、アメリカで信頼できる記者は誰か、ネタ元の信頼性や保存性(いつまでキープして、いつ外に出すか)などなど、現地記者だから語れるエピソードが盛りだくさんでこれがほんまに無料でええんか?? という感じになる4時間だった。
在籍は2024年8月〜9月の2カ月だったが(ポストシーズンは登板なし)、アストロズでの経験がかなり印象深かったとのこと。ピッチングコーチのような言動をするブレグマンと、クロスワードを解き続けるバーランダーの話がむちゃくちゃ面白い。
サンディエゴの現地紙で引退報道が出たていたが、正確には契約破棄=引退ではないということをダルビッシュ本人がstand.fmで説明していた。代理人や球団フロントは来季の編成で忙しい時期なので、契約破棄の交渉もまだ十分には出来ていないとのこと。
●その他のスポーツ
サークルから実業団、そして世界陸上東京大会のマラソン代表とあっという間にスターダムを駆け上がった小林香菜へのロングインタビュー。本庄早稲田出身で、学生時代は官僚志望だった彼女がなぜ実業団入りという道を選んだのか。そしてその過程でどのような苦労があったのかが語られている。同時に、いかに走ることが好きかということ、学生時代にどのような練習をしていたのかということ、そして「実業団への就活」をどのようにやっていたのかも語られているため、若い女子選手のロールモデルになるかもしれない。
こちらも早稲田出身の長距離ランナーである大迫のインタビューだが、タトゥーの話を本人が語っているように、「違う道を進む」ことに余念がないし、むしろずっとそうこだわってきたことがよく分かる。この点は小林とも共通するかもしれないし、個性豊かで自由気ままな雰囲気は早稲田っぽいなとも思いながら聞いていた。
●カルチャー関係
Real Soundなどで文章を書いている奈都樹のゲスト回。『オスロ、3つの愛の風景』は去年渋谷に行ったときに『LOVE』だけ見たが奈都樹の話を聞いていると『SEX』もちゃんと見ないといけないな、となった。しかしいつも思うけど話し始めると止まらないところはほんとうにすごいし、面白い。
「羊文学フクダ脱退はレーベルのせい」だというネットの議論をてけしゅんの二人が雑感的に述べているが、ネットの雑な議論よりも音楽業界のメカニズムを知っている二人の発言のほうが説得力あるな、と思いながら聞いていた。
●荻上チキ・session
戦後80年となる富野へのロングインタビュー。番組内では約40分ほどだったインタビューが、1時間50分の長尺として聞けるため、幼少期のころからアニメーターになった時、父親の背中や政治との関わり、最近の若い人たちへの雑感、などなど幅広く自由に語っているのがいい。ノンポリかネトウヨになりがちな全アニオタはこれを聞くべきだと思う。
政治心理学や政治行動論が専門の秦正樹出演回。今までつぶすといってた立憲と一緒になった公明だが、学会員がどれほど中道寄りの投票をするか。例えば2回目の大阪都構想の投票では維新に協力した公明党に逆らって反対票を多く入れた学会員がいたため、上が動いたから下も動くかどうかは未知数だとの指摘は真っ当なものだと思う。
日本政治研究者の山本健太郎出演回。55年体制が終わる平成初期以降から最近にかけてまで離合集散を繰り返してきた政界再編の歴史を振り返る回。2009年に政権交代した民主党だがたった3年で終わったことで「民主党には政権担当能力がない」というネガティブなイメージがつきまとっていたとの指摘が、その後の民主党のたどった運命とも関係ありそうだ。
マックス・ウェーバーや政治思想研究者の野口雅弘出演回。中道と中立の概念的、歴史的な違いや、新興ポピュリズム政党が右と左に極端に振れたたために従来の政党が保革で大連立したドイツを例に挙げてでは日本は、と語るところが面白い。ドイツは結果的にコンセンサス型民主主義を目指す形になったし、少数与党を経験した自民党にとってもその道が模索されていたが(特に石破政権時代)、高市政権による今回の解散総選挙は多数決型民主主義にまた大きく揺り戻ることになったなと思った。
ウクライナ在住の平野高志ゲスト回。平野は戦争勃発以降、一貫してメディアやソーシャルメディアでの発信をウクライナから続けている人の一人だが、もうすぐ開戦して4年が経つということで4年間の変化を語りつつ、同時に具体的になってきた終戦プロセスに対して日本がどうかかわるか、という話が網羅的に語られている。
◆関連書籍
●積読チャンネル
NHKが継続取材していたOSO18の取材記録をまとめたもの。二人が話している中で面白かったのは、映像で映える情報と、文字にしたほうが映える情報には差異があるということだ。だからNHKオンデマンドで番組はいろいろ見ることができるが、本には本の面白さがあるということを二人が語りつくしている。
開高健ノンフィクション大賞を受賞した一冊の紹介。JA対馬で発生した巨額の不正と、被疑者の死亡事故。ではその人が巨悪だったのか? というと実はそうではなく、三段構えで潜んでいる悪の構造が見えてくる。しかし本当の巨悪は最後の数十ページに・・・ということで読みがいはありそうだ。
所沢市の育休退園問題を追った新書を紹介する回だが、父親でもある飯田の個性と努力が発揮されていていい。サブテキストとして大日向雅美の本も読んだという飯田が、大日向についても熱く語っている。結果として、育休退園がなぜ制度化されてしまうのか、その背景にある「母親」に対する母性神話の話なども語られている点でかなり社会的でもある回。
独裁化した管理組合の横暴によって資産価値も低下してしまったマンションを、勇気ある住民たちが「民主的に権力を取り返す」闘争を追ったノンフィクションの紹介。この本の内容はなんとなく把握していたが、ドキュメント形式であるため映像化にも向きそう。民主主義が寡頭制になるリスクを大昔にアリストテレスが指摘しているが、寡頭制を健全な民主制に戻す試みでもあるためアリストテレスもびっくりの闘争かもしれない。
●メジャーリーグ関係
元サンスポの野球記者で、いまはフリーランスの立場ながらMLB.comの記者とライティングも担当している山田記者に対するFelixによる超ロングインタビュー。途中から山田記者がかなりノってきたことがわかるインタビューになっており、記者として就職した話からなぜフリーランスになったのか、野球記事の作り方に関する日米の違い、アメリカで信頼できる記者は誰か、ネタ元の信頼性や保存性(いつまでキープして、いつ外に出すか)などなど、現地記者だから語れるエピソードが盛りだくさんでこれがほんまに無料でええんか?? という感じになる4時間だった。
在籍は2024年8月〜9月の2カ月だったが(ポストシーズンは登板なし)、アストロズでの経験がかなり印象深かったとのこと。ピッチングコーチのような言動をするブレグマンと、クロスワードを解き続けるバーランダーの話がむちゃくちゃ面白い。
サンディエゴの現地紙で引退報道が出たていたが、正確には契約破棄=引退ではないということをダルビッシュ本人がstand.fmで説明していた。代理人や球団フロントは来季の編成で忙しい時期なので、契約破棄の交渉もまだ十分には出来ていないとのこと。
●その他のスポーツ
サークルから実業団、そして世界陸上東京大会のマラソン代表とあっという間にスターダムを駆け上がった小林香菜へのロングインタビュー。本庄早稲田出身で、学生時代は官僚志望だった彼女がなぜ実業団入りという道を選んだのか。そしてその過程でどのような苦労があったのかが語られている。同時に、いかに走ることが好きかということ、学生時代にどのような練習をしていたのかということ、そして「実業団への就活」をどのようにやっていたのかも語られているため、若い女子選手のロールモデルになるかもしれない。
こちらも早稲田出身の長距離ランナーである大迫のインタビューだが、タトゥーの話を本人が語っているように、「違う道を進む」ことに余念がないし、むしろずっとそうこだわってきたことがよく分かる。この点は小林とも共通するかもしれないし、個性豊かで自由気ままな雰囲気は早稲田っぽいなとも思いながら聞いていた。
●カルチャー関係
Real Soundなどで文章を書いている奈都樹のゲスト回。『オスロ、3つの愛の風景』は去年渋谷に行ったときに『LOVE』だけ見たが奈都樹の話を聞いていると『SEX』もちゃんと見ないといけないな、となった。しかしいつも思うけど話し始めると止まらないところはほんとうにすごいし、面白い。
「羊文学フクダ脱退はレーベルのせい」だというネットの議論をてけしゅんの二人が雑感的に述べているが、ネットの雑な議論よりも音楽業界のメカニズムを知っている二人の発言のほうが説得力あるな、と思いながら聞いていた。
●荻上チキ・session
戦後80年となる富野へのロングインタビュー。番組内では約40分ほどだったインタビューが、1時間50分の長尺として聞けるため、幼少期のころからアニメーターになった時、父親の背中や政治との関わり、最近の若い人たちへの雑感、などなど幅広く自由に語っているのがいい。ノンポリかネトウヨになりがちな全アニオタはこれを聞くべきだと思う。
政治心理学や政治行動論が専門の秦正樹出演回。今までつぶすといってた立憲と一緒になった公明だが、学会員がどれほど中道寄りの投票をするか。例えば2回目の大阪都構想の投票では維新に協力した公明党に逆らって反対票を多く入れた学会員がいたため、上が動いたから下も動くかどうかは未知数だとの指摘は真っ当なものだと思う。
日本政治研究者の山本健太郎出演回。55年体制が終わる平成初期以降から最近にかけてまで離合集散を繰り返してきた政界再編の歴史を振り返る回。2009年に政権交代した民主党だがたった3年で終わったことで「民主党には政権担当能力がない」というネガティブなイメージがつきまとっていたとの指摘が、その後の民主党のたどった運命とも関係ありそうだ。
マックス・ウェーバーや政治思想研究者の野口雅弘出演回。中道と中立の概念的、歴史的な違いや、新興ポピュリズム政党が右と左に極端に振れたたために従来の政党が保革で大連立したドイツを例に挙げてでは日本は、と語るところが面白い。ドイツは結果的にコンセンサス型民主主義を目指す形になったし、少数与党を経験した自民党にとってもその道が模索されていたが(特に石破政権時代)、高市政権による今回の解散総選挙は多数決型民主主義にまた大きく揺り戻ることになったなと思った。
ウクライナ在住の平野高志ゲスト回。平野は戦争勃発以降、一貫してメディアやソーシャルメディアでの発信をウクライナから続けている人の一人だが、もうすぐ開戦して4年が経つということで4年間の変化を語りつつ、同時に具体的になってきた終戦プロセスに対して日本がどうかかわるか、という話が網羅的に語られている。
◆関連書籍






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