Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

◆BSスペシャル


 NHKらしい過去の取材映像も活用しつつ、30年の家族の軌跡を追う番組。子どもたちへの語り部活動に熱心な父と、その父を見ながら自分の道を模索する息子。まさに当事者であり遺族である父のそばで、震災当時は生まれていなかったがゆえに当事者になれない息子のモヤモヤや葛藤が丁寧に映し出されているいい番組だった。何かしらの答えを出すというよりは、まさに成長の軌跡、感情が変化するプロセスをとても丁寧に取材している。

◆NHKスペシャル


 NHKの海外取材班は本当に世界のどこにでも取材に行ってるマジキチ集団だなとよく思うけれど、このドキュメントの緊迫感と手に汗握る感じはめちゃくちゃヒリヒリするし、高揚する。不動産市況が悪化を続ける中、違法ではないが強引な転売ビジネスを個人で展開する「ハゲタカ」数名に密着する。
 最初に出てくる若いハゲタカなんてかわいいほうで、後半に出てくるベテランハゲタカは共産党政府のプレッシャーとも戦いながら儲けを出そうとする。しかしプレッシャーがさらに強くなった結果おっさんは・・・という形で日本は本当に中国のすぐそばにあること、共産党政府の「横暴」は日本にいても無関係でないことがよく分かる。
 ギリギリまで撮影に行かないと取れない映像がある、ということも強く感じる映像だった。たった50分とは思えない濃密さだ。映像はまだあるはずなので、ぜひ完全版をBSで放送してほしい。

◆ETV特集


 どういう経緯で小豆島が撮影の舞台に選ばれたのかはよく分からないが、高齢化率40%台なのはさすがにたまげたし、自分を含めた現役世代が島から離れて戻らない現実の一端がよく映し出されていたと思う。その上で、過度に悲観的にならずに、他方でしんどいことはしんどいし未来は不透明だし、というリアリティを伝えるのはETV特集らしいというか、この枠らしい使い方だと思った。生きている人は生きていくしかないし、死ぬ直前まではどうにかしないといけない。安楽死だ社会保険料云々と言っている人たちにこそ、そのリアリティはもっと共有されてほしいですね(あまり期待はしていないが・・・)。

◆プロフェッショナル


 栗山英樹の半生に焦点を当てながら、今の日ハムでの役割についてドキュメントする45分間。正直この構成だと45分じゃ物足りないというか少なくともその倍は見たかった……というところだけど結局栗山って指導者モデルというより支援者モデルなんだろうなと思った。押し付けではなく当事者の主体性を重視し、エンパワーメントに注力する。その上で、最後の鍵谷のように適切な配置とは何かを考えるコーディネーターの役割も持っている。自分は直接的に何もしないが、それでも自分がいないと大谷や鍵谷は存在しえない。そういうタイプの、少なくとも日本ではかなり珍しいタイプの野球人なんだろうなあ、と考えた45分間だった(改めて、ではあるが)。

◆100カメ


 確かドキュメント72時間でも新大久保の八百屋(今回と同じ店かどうかは不明)を取り上げる回があったが、働く店員たちのノリの軽妙さをとらえながらツッコミを入れていくという点では今回の企画の方が当たっている感じがする。もちろん軽妙なノリの裏にはそれぞれの事情があり、日本での労働は彼ら彼女らの人生の中の一部分でしかない。いつか母国に帰るかもしれないし、帰らずに骨をうずめるかもしれない。これこそまさに人生の交差点だよなあ、と思いながら眺める45分間だった。
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