Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 6年ぶりのハーフマラソンを控えていることもあり12月はランニングの強度を上げた月だったが、その間にyoutubeのバックグラウンド再生や各種podcast機能を使っていろいろな動画を再生していたように思う。動画と言ってもリスニングに近いので、視聴記録というよりリスニング記録というべきかもしれないが、ちゃんと見たものも含めているし別々にするのもあれなので一つにまとめた。

 というわけで、カテゴリーごとに短い感想やコメントと一緒に書いていきたい。

●NHK



 家でうとうと寝ていたら過去に戻っていた、という設定で過去に放送されたNHK番組を振り返る回。それだけなら池上彰がやっている『時をかけるテレビ』とかBSプレミアム番組の『プレミアムカフェ』と似ているが、今回見た番組の面白さは、「あの人は今」的なコンセプトで作られているところだ。
 2024年放送の(1)は就職氷河期中の大学生(しかも和敬塾の!)に密着し、50代になった現在も取材している。(2)では臓器移植法施行後の1999年に心臓移植を初めて担当した阪大病院(当時)の松田医師が80代になってもまだ精力的であることを取材している。長い時間生きて来た人たちにとって、過去の記憶や経験がどれほどのものになっているかは人それぞれだろう。この、「人それぞれ」を20年や30年の時を超えて改めて取材しているところが、この番組の醍醐味だった。



 かなり遅ればせつつだが、NHKオンデマンドで『べらぼう』を8話まで見た。瀬川を襲名した幼馴染の元花の井が、ついに身請けされるのかという展開まで。
 ここまではまだまだ青くさい蔦重の純朴さが強調されている。だから本を作ろうとするとき、吉原のお偉方に非難を浴びたり、手練れの本屋にあっさり騙されたりもしている。それでも「なんとか本を作って売りたい」という気持ちだけで突っ切ってきたのがここまでの展開。
 同時に、花の井が好きすぎるがゆえに無意識のレベルで花の井と他の女郎との扱いに差をつけてしまう仕草もしているが、そうした無意識的な影響力の行使をベテランの女郎がピシッとたしなめるシーンも良い。「吉原のため」とか「女郎たちのため」という野望を掲げた以上は、個人をひいきしていいことにはならないわけである。

 映像面でドキッとしたのは1話くらいで、それ以降は基本的に吉原のバックヤード、つまり客をもてなす時間ではなく、待機や休憩の時間こそ映すが吉原の内部を描くことにはさほど意味はない(それはこのドラマの本筋ではないから)。
 どちらかというと、前述した蔦重と女郎とのやり取りのように、バックヤードで会話をしている場面で何を演出するかにこだわっていることがよく分かる。こうした演出意図を見ていると、意図的に1話を炎上させた界隈は本当に反省してほしい(しないだろうけど!!)

●TBS CROSS Dig



 講談社現代新書から『カウンセリングとは何か』を出した東畑開人との対談。カウンセリングは「ケースバイケースにこそ本領発揮」という話があるが、これはソーシャルワークだろうなあと思う。同じ人と向き合う時でも、その人は常に同一ではないので結果としてケースバイケースになる、毎回毎回頭を悩ませるしかないのであるが、同時にそれがこの分野の仕事(対人援助)の面白さでもあるのだと思う。
 「向いている人と向いてない人」の話をしたときに、「ハードルを挙げないでほしい」というのも面白かった。おれも多分向いてないのだが(オフィスワークのほうが向いてる自覚はある)、それでも続けているのは「向いてないけどできなくはないし、時々とても面白いことが起きるから」だと思っている。



 中公新書『ナショナリズムとは何か』の著者との対談。著者である中井遼は早稲田政研の先輩で、直接な面識はないが院生のころから精力的に研究をしていたのでだいぶ前から名前は知っていた。単著の単行本をすでに複数出しており、少し前には光文社新書からも一冊出しているが、中公新書のこの本も研究成果と読みやすさを両立させていて面白い。インタビューでも具体的な現象や調査と研究の関係について、MCの竹下が質問を重ねている。



 中公新書『福音派』の著者との対談。著者の加藤喜之はこの本を刊行してから各種動画メディアやラジオなどに出ずっぱりのような状況になっているが、喋りが非常に明快なのでこれは非常に面白い。本が良くも悪くも網羅的すぎるきらいもあるので、本を読んで、そして改めて話を聞くことで理解が深まる印象を持った。そしてこのお顔だと大学でも人気を集めていそうだなとやや下世話な感想も持った。

●荻上チキ・session





 小泉悠出演回。荻上も小泉もガンダムF91の記憶が鮮明にあり、後半では特にそれの話がされている。



 トランプの就任はあったものの終戦工作は予想通り難航しているため、2026年もまだまだ戦争は続いてしまうという見立て。まだあと数年は、という話も。



 中公新書から『ユダヤ人の歴史』を刊行した鶴見太郎の出演回。アメリカにおいてユダヤ人がどのように流入してきたのか、あるいは「利用」されてきたのかという話がされている。



 『福音派』著者のsession出演回。ジミー・カーター、ハルウェルの話をしながら福音派左派を取り込んだオバマ政権の話、そして故チャーリー・カークを象徴とする右派ポッドキャスターの話など。



 一番最近聞いたsessionがこれだが、台湾出身の記者である劉彦甫と、台湾のナショナリズムを長年研究する前原というバランスが良い。自分がいかに台湾という地域とナショナリズムについての知識が欠けているかがよく分かるし、その状態で台湾問題を議論することがいかに危険であるかの警鐘も鳴らされている良い番組構成だった。

積読チャンネル

 時々レコメンドで流れてはきたが、過去の回も含めてちゃんと聞いたのは初めてだったと思う。メインMCの飯田さんは早稲田出身で自分と年齢も近い。非東京エリアで働いている点も含めて、個人的にウォッチしていきたい一人だなと思っている(ので過去回も聞いている)。



 集英社新書から出ている『過疎ビジネス』の解説。これは関連動画も含めていくつか見たが、かなり気骨のある取材だなと思うことがよく分かる紹介。飯田さんもそうだが、同世代の人がこうやってガンガン活躍する時代となると、自分の年齢を実感してしまう(が、まあそれはそれとしてみんながんばってほしい)。



 ソフトバンク新書から出ている『死ぬのが怖くてたまらない。だから、その正体が知りたかった。』の紹介動画。死の話をするわりに、相変わらずいつものようにノリが軽いというギャップがむちゃくちゃ面白い。



 これも『カウンセリングとは何か』の紹介動画だが、まず動画のタイトルがうまい。この本は分厚いけど、言おうとしていることはシンプルなんだよ、ということをかいつまんで説明している。



 河出書房新社から出ている翻訳書『サトシ・ナカモトはだれだ? 』の解説動画。「サトシ・ナカモトっぽい人」のカタログ的な本らしく、どれも100%サトシ・ナカモトだという確証はないが、それっぽい人を並べることでビットコインの歴史を学べるのも面白そうだ。



 サイトウマド『怪獣を解剖する』の紹介動画。ゴジラなどの怪獣映画に影響を受けたSFマンガでありつつ、同時にお仕事ものでもあるというリアリティがこの漫画の醍醐味であることを面白おかしく紹介している。マドさんとは旧知の関係だが、この一年でめちゃくちゃ出世したなすげえ、というのが素朴な感想であるがマンガはめちゃくちゃ面白かったです。

●文藝春秋PLUS



 『過疎ビジネス』著者の経歴も含めて40分たっぷり聞いており、地方在住のジャーナリストの存在意義や地方新聞の存在価値についても語っている点が興味深い。最近だと、宮城県知事選における参政党によるデマの流布に新聞としていかに対抗したかも短いながら語られていて良かった。



 2024年1月収録なのでやや古い動画ではあるが、なぜ小泉はロシア研究者になったのか? という原点をつついたインタビューはあまりない印象なので面白かった。ロシアが特に好きというわけではないが、いろいろあってロシアにたどり着いてしまうというところが研究者らしさかもしれない。好きだからじゃなく、知りたいからだと。
 また、対象としてアメリカではなくロシアを選んだのは、アメリカを研究するガチ研究者に勝てるわけがないので、比較的層の薄いロシアなら勝てるかも、という算段を持っていたところも小泉らしい。



 時事評論以外で日本についてまじめに語る小泉も珍しいのでこちらも。

●PIVOT



 同じ座組で2026年展望動画もあるが、予想は当たったり当たらなかったりなのでそっちは見ていない。改めてアメリカの存在感や価値(の変動)を考える2025年だったと語る鶴岡の指摘はうなずける。また、小泉の言うエクストリームばかり出てくるが地味なものを改良しないといけないのでは(しかしそれは票にならないが・・・)という指摘は1年で終わってしまった石破政権のことを考えるとにゃるらとほてぷ、である。

◆関連書籍









過疎ビジネス (集英社新書)
横山勲
集英社
2025-07-17


週刊東洋経済 2025年6/21号(喰われる自治体 ー告発ー)
週刊東洋経済編集部
東洋経済新報社
2025-06-16






怪獣を解剖する 上 (ビームコミックス)
サイトウ マド
KADOKAWA
2025-04-11


怪獣を解剖する 下 (ビームコミックス)
サイトウ マド
KADOKAWA
2025-04-11


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