☆このエントリーを読みに来た人へ(2024年2月追記)
おそらく公務員試験を控えた方がこの文章をこれから読むと思われますが、現時点からするとやや古い記述を含むと思います。その点についてはご了承ください。特に法務省専門職員について、試験の傾向が大きく変わっているわけではないと思いますがあくまでここに書かれているのは「個人的な経験」であり、それ以上ではありません。
ただ、その上で個別に相談したいこと等ありましたら、ブログのコメント、もしくはメール(burningsan@gmail.com)にてご連絡いただけると対応します(過去に5名ほど対応実績あり)。法務省専門職員としての勤務経験(いろいろあって1年で退職しましたが)や集合研修内容についてもメールでしたら対応可能です。
0.これまでのあらすじ
5月と6月に3つ受けてきた公務員試験の筆記試験が一段落ついた。それぞれ東京都1類B(5/7)、法務省専門職員人間科学(6/11)、香川県職員採用試験(6/25)。
東京はGWに東京に行ったついでに受けたほぼ記念受験なので、結果はお察しください。
とりあえずこれからは6月の2つの試験の結果待ちで、筆記が通れば来月以降面接に進むことになる。法務省専門職員は3年前に保護観察区分で受験したときにたまたま通過し、順位もそれなりによかったが合格したあとの面接試験(国家総合職でいう官庁採用と多分同じ)で落ちてしまったので結果採用ならずだった。1年間は名簿というのに乗って、2つほど電話連絡があったもののそっちには行かずに現職に就いたのが現状。
で、現職でも3年目、齢27ということもあってそろそろ転職を考えるべきかなと思い、とりあえず年齢制限にまだ引っかからないので公務員試験を受けようと思った次第。
※7/26追記
東京都は筆記落ちでしたが、法務省人間科学と県は無事筆記が通過していました。俺の真似をすればいいとまでは言いませんが、これから書くことは筆記試験対策の参考になるかと思います。
目次
1.この記事の流れ
2.専門試験対策
3.社会福祉
4.社会学
5.心理学・教育学
6.何を重視すべきか?
7.新書を読みあさる
8.あとがき
1.この記事の流れ
3年前に書いておくべきだったかもしれないがあのときは本当にたまたまでしかなかったのもあり、ちゃんとしたことは書けなかった。
今回は仕事の合間を縫ってそれなりに対策をとり、まあ現役学生よりははるかに勉強時間は少ないだろうが効率的に勉強してきたことと、6月に受けた筆記試験の手応えがまずまずだったので勉強法をまとめてもいいだろうと思って今回書くことにした。
時間を費やさないということはテキストを絞り、集中的にこなすことを目指す。基本知識のインストールにはさほど時間をかけず、いかに問題演習を分厚くやるかが重要となる。そうすることで知識が勝手に定着してくれるからだ。
具体的な勉強法はこの本を参考にした。
それほど応用はできなかったが、有名な山口真由のこの本も読んだ。
筆記試験の結果は今後晒すかもしれないし晒さないかもしれませんがそのへんはご了承ください。俺のマネをすればいい、というわけでもないと思うので。
2.専門試験対策
なぜ教養をすっとばして専門から書くかというと、専門のほうが通常配点が厚い、対策に時間がかかるからである。
教養はまた今度書けたら書きたいと思うが、正直数的処理と判断推理以外はさほど重きを置いていない。実務教育出版の過去問500シリーズがあれば概観できるし、受験ジャーナルにも問題はいろいろ載っている。そのへんで傾向と対策と、あと問題慣れすればよく、時間を多く費やすべきではない(特に社会人受験の場合は)と判断したからだ。
よって、ここでは専門試験に重きを置いた勉強法を書いていく。
ちなみに法務省専門職員はそれだけの過去問集が出ているが既に絶版であり中古しかない。3年前は定価だった。
3.社会福祉
まずは社会福祉である。法務省専門職では専門の1/4、自治体職員の場合はそれ以上の比率が社会福祉にあたるだろう。
まずは社会福祉、なのだが実務教育出版の新スーパー過去問ゼミシリーズや、あるいは過去問500を見ても社会福祉という項目は載っていない。なぜかというと、国家公務員の総合職と一般職試験でたぶん選択肢にないからだろうなと思う。福祉職区分で受けない限り、必要とされない。要は書籍化するほど需要がないのだ。
とりあえず基礎知識のインストールは有斐閣のこの本で行った。
また、社会保障分野についてはこの本を使ったが、個人的にかなり勉強になったのでオススメ。一家に一冊あっていい。
さてしかし困った。知識は仕入れたが、問題を解くにはどうすればいいのか(ほんとうに一時期困っていた)。こういうときは2chが頼りになる、
まあ2chにも専門職試験の情報は微々たるほどしか載っていないので、BBSの過去ログを眺めることになるのだが、どうやら社会福祉士の問題集をやれば大体のことは勉強できるらしいことが分かった。
いろいろ見てみたが、2chでも薦められていたのがメディックメディアのこのシリーズ。
クエスチョンバンクが過去問集と解説、レビューブックがテキストという感じ。とりあえず両方買ってみたが、普段使いはQBだけでいい。QBだけでも膨大な分厚さがあり、解説もかなりまとまっているので、QBをガンガン使い回すだけで知識はかなり定着する。もちろん膨大なので傾向と対策を考えて使うべきだろう。
香川の試験会場ではレビューブックを持ち込んでいる人がちらほらいたが、試験前に見返す程度でいいと思う。QBをこなしながら、疲れたときにレビューブックをナナメ読みする、というのもいいだろう。
いずれにせよ、この二つを使いこなせば社会福祉士に要求される知識量(心理学、社会学理論、社会調査含む)が得られるので、法務省専門職の社会学と心理学対策にもなりうるという、二冊でかなりおいしい本だ。
あと受けてみて実感したのが、社会福祉や社会保障関連の法改正が反映された問題作りになっていたので時事対策もしたほうがいいです。今日だけでも改正社会福祉法や障害者差別解消法が出ていた。
4.社会学
社会学(社会調査含む)も社会福祉分野とダブりがあるので、結果的に比重が大きくなる。とりあえず知識のインストールはこれを使い、
問題集はこれを使った。
社会学はこの二冊だけだが、スー過去で学者と理論を一つずつ詰めていくのが重要。デュルケムやウェーバーは出題パターンも多いし、法務省の試験でリオタールが出てきたりしたのは驚いたので、可能ならば現代思想まで手広くやっておくべき。香川の試験ではフーコーやギデンズが出てました。
ただ基本は古典理論を分厚く抑えるべき。出題のバランスを考えると、各論(都市とかメディアとか)は理論をある程度固めてからでいいと思う。
5.心理学・教育学
心理学も社会学同様に学者と理論を抑えるのがまずは重要。なので恒例のこのシリーズを使って知識をインストールした。
そのあとはこの二冊。
心理学は極めようとすると範囲が広いので勉強する分野をしぼりづらいが、基本は過去問の演習で知識を定着させるべきで、むやみに手を広げるべきではない。
それと、教育学に関しては社会学や心理学に比べると範囲がそう広くなく、対策がとりやすいので、いきなりスー過去に入ってよい。教育学を使ったのは法務省だけだったので、直前の一ヶ月くらいで集中して知識を定着させた。
心理学は範囲が広いことと、社会福祉と社会学に比べると配点の比重が少ない(心理職受験の場合は話が全然違う。心理職受験を目指すなら、試験に出る心理学シリーズをコンプすべきだろう)のでと、社会福祉士の試験範囲に心理学が多少含まれているので、勉強する順番もこの目次の順でいいと思う。
心理学が得意でガッツリ稼ぎたいなら話は別だが、範囲が広くやっかいだったので、あえて後に回すことにした。現役生ならこうした省エネはすべきでないが、社会人ならこういう取捨選択は必要だろうと思う。
6.何を重視すべきか?
ここまでで知識の定着はかなり進むはずなので、あとは残された時間の中で何を重視すべきか、である。具体的にはどの科目を重視するのか、記述式対策はどのように行うのか、である。
前者についてはこれまでも触れてきたが、社会福祉と社会学の問題演習を主に取り組みながら、合間に心理学と教育学という形でやってきた。
記述式対策についてだが、過去問はまず見るようにした。過去問はある程度の傾向を教えてくれるし、どの程度の知識を定着させればいいかのヒントになる。
過去問で傾向を確認すれば、配点などを考慮しつつ、残された時間で自分の得意なところと不得意なところをいかに勉強していくか考えればよい。
7.新書を読みあさる
それに加え、たぶんこれはあまり他の人がしていないことだと思うが、関連する分野の新書を読みまくった。その中でわりと助けられたのがたとえば最近出たこれ。
この本にはたくさんの医療者やソーシャルワーカーが登場するが、彼らがどのような倫理や価値基準で日々を生きているかがつぶさに記述されたなかなかいい本だ。それに加え、普段見えない世界が垣間見える。医療も福祉も、現場によって仕事内容はかなり異なることがよく分かるのだ。
といった感じに、新書を読むという行為は単純な知識の定着をはかる過去問演習では異なる種類の頭の使い方である。それに、日々定着させた知識が具体的なエピソードや事例として登場することもある。
たとえば次のような新書は記述対策にも、時事対策にもなりうるだろう。
なるべく新しく、自分が興味関心のある分野と、あまり知らない分野の本を交互に読むのが望ましい。そうすることで思考力を高めることが記述対策にもなるのかなと。
他方で次のような少し古い本も現場が見えるという意味ではかなり役に立った。
あとはまあ、ブログでもなんでもいいが日々文章を書くという習慣は生きてきたと思う。論理的で一貫性のある文章はある程度トレーニングしないと書けないので、苦手ならまずそこから対応したほうがよい。
文章の読み書きなら、ほぼ間違いなくこの一冊を薦める。
8.あとがき
本の紹介が多く長くなったが、大体年が明けたくらいからこんな感じでやってきた。3月ごろからは週末ごとにカフェや図書館にこもって勉強していた。社会人は平日は夜以外に時間が確保できない分(朝は弱いので論外)週末は好きな場所で勉強、という形での切り替えはまずまずできていた気がする。
ちなみに受験ジャーナルには勉強のスケジュールや時間などが事細かに書かれているが、あれはあくまで参考程度にすべきで、間に受けて萎えるべきではない。
どのような試験でもそうだが、大事なのは過去問で合格ラインに届くまで自分の力を上げることだ。それが三ヶ月なのか半年なのか、はたまた一年なのかはその人がどれだけ普段から勉強してきたかによって変わると思う。法学部でバリバリ勉強している人なら、公務員試験の法律科目などさほど苦にもしないだろう。
ただ、受験ジャーナルは情報誌としては使える。試験科目ごと、あるいは受験地ごとの傾向や時事対策もやってくれるし、さほど高くもない。独学ならば最低でも目を通して置くべきだろう。ていうかもう来年度受験のシリーズが出てんのな。
教養対策は情報も大量に落ちているしさほど書くこともないと思うが、記事のバランスを考えてそのうち書くかもしれない。
とりあえず、福祉職受験と法務教官ないし保護観察官を目指している人は参考にしてくれたらと思う。今年はまだ分からんが、3年前に似たようなことをして保護観察官試験には合格したので、まったく当てにならないわけではない、はず。
おそらく公務員試験を控えた方がこの文章をこれから読むと思われますが、現時点からするとやや古い記述を含むと思います。その点についてはご了承ください。特に法務省専門職員について、試験の傾向が大きく変わっているわけではないと思いますがあくまでここに書かれているのは「個人的な経験」であり、それ以上ではありません。
ただ、その上で個別に相談したいこと等ありましたら、ブログのコメント、もしくはメール(burningsan@gmail.com)にてご連絡いただけると対応します(過去に5名ほど対応実績あり)。法務省専門職員としての勤務経験(いろいろあって1年で退職しましたが)や集合研修内容についてもメールでしたら対応可能です。
0.これまでのあらすじ
5月と6月に3つ受けてきた公務員試験の筆記試験が一段落ついた。それぞれ東京都1類B(5/7)、法務省専門職員人間科学(6/11)、香川県職員採用試験(6/25)。
東京はGWに東京に行ったついでに受けたほぼ記念受験なので、結果はお察しください。
とりあえずこれからは6月の2つの試験の結果待ちで、筆記が通れば来月以降面接に進むことになる。法務省専門職員は3年前に保護観察区分で受験したときにたまたま通過し、順位もそれなりによかったが合格したあとの面接試験(国家総合職でいう官庁採用と多分同じ)で落ちてしまったので結果採用ならずだった。1年間は名簿というのに乗って、2つほど電話連絡があったもののそっちには行かずに現職に就いたのが現状。
で、現職でも3年目、齢27ということもあってそろそろ転職を考えるべきかなと思い、とりあえず年齢制限にまだ引っかからないので公務員試験を受けようと思った次第。
※7/26追記
東京都は筆記落ちでしたが、法務省人間科学と県は無事筆記が通過していました。俺の真似をすればいいとまでは言いませんが、これから書くことは筆記試験対策の参考になるかと思います。
目次
1.この記事の流れ
2.専門試験対策
3.社会福祉
4.社会学
5.心理学・教育学
6.何を重視すべきか?
7.新書を読みあさる
8.あとがき
1.この記事の流れ
3年前に書いておくべきだったかもしれないがあのときは本当にたまたまでしかなかったのもあり、ちゃんとしたことは書けなかった。
今回は仕事の合間を縫ってそれなりに対策をとり、まあ現役学生よりははるかに勉強時間は少ないだろうが効率的に勉強してきたことと、6月に受けた筆記試験の手応えがまずまずだったので勉強法をまとめてもいいだろうと思って今回書くことにした。
時間を費やさないということはテキストを絞り、集中的にこなすことを目指す。基本知識のインストールにはさほど時間をかけず、いかに問題演習を分厚くやるかが重要となる。そうすることで知識が勝手に定着してくれるからだ。
具体的な勉強法はこの本を参考にした。
それほど応用はできなかったが、有名な山口真由のこの本も読んだ。
筆記試験の結果は今後晒すかもしれないし晒さないかもしれませんがそのへんはご了承ください。俺のマネをすればいい、というわけでもないと思うので。
2.専門試験対策
なぜ教養をすっとばして専門から書くかというと、専門のほうが通常配点が厚い、対策に時間がかかるからである。
教養はまた今度書けたら書きたいと思うが、正直数的処理と判断推理以外はさほど重きを置いていない。実務教育出版の過去問500シリーズがあれば概観できるし、受験ジャーナルにも問題はいろいろ載っている。そのへんで傾向と対策と、あと問題慣れすればよく、時間を多く費やすべきではない(特に社会人受験の場合は)と判断したからだ。
よって、ここでは専門試験に重きを置いた勉強法を書いていく。
ちなみに法務省専門職員はそれだけの過去問集が出ているが既に絶版であり中古しかない。3年前は定価だった。
3.社会福祉
まずは社会福祉である。法務省専門職では専門の1/4、自治体職員の場合はそれ以上の比率が社会福祉にあたるだろう。
まずは社会福祉、なのだが実務教育出版の新スーパー過去問ゼミシリーズや、あるいは過去問500を見ても社会福祉という項目は載っていない。なぜかというと、国家公務員の総合職と一般職試験でたぶん選択肢にないからだろうなと思う。福祉職区分で受けない限り、必要とされない。要は書籍化するほど需要がないのだ。
とりあえず基礎知識のインストールは有斐閣のこの本で行った。
また、社会保障分野についてはこの本を使ったが、個人的にかなり勉強になったのでオススメ。一家に一冊あっていい。
さてしかし困った。知識は仕入れたが、問題を解くにはどうすればいいのか(ほんとうに一時期困っていた)。こういうときは2chが頼りになる、
まあ2chにも専門職試験の情報は微々たるほどしか載っていないので、BBSの過去ログを眺めることになるのだが、どうやら社会福祉士の問題集をやれば大体のことは勉強できるらしいことが分かった。
いろいろ見てみたが、2chでも薦められていたのがメディックメディアのこのシリーズ。
クエスチョンバンクが過去問集と解説、レビューブックがテキストという感じ。とりあえず両方買ってみたが、普段使いはQBだけでいい。QBだけでも膨大な分厚さがあり、解説もかなりまとまっているので、QBをガンガン使い回すだけで知識はかなり定着する。もちろん膨大なので傾向と対策を考えて使うべきだろう。
香川の試験会場ではレビューブックを持ち込んでいる人がちらほらいたが、試験前に見返す程度でいいと思う。QBをこなしながら、疲れたときにレビューブックをナナメ読みする、というのもいいだろう。
いずれにせよ、この二つを使いこなせば社会福祉士に要求される知識量(心理学、社会学理論、社会調査含む)が得られるので、法務省専門職の社会学と心理学対策にもなりうるという、二冊でかなりおいしい本だ。
あと受けてみて実感したのが、社会福祉や社会保障関連の法改正が反映された問題作りになっていたので時事対策もしたほうがいいです。今日だけでも改正社会福祉法や障害者差別解消法が出ていた。
4.社会学
社会学(社会調査含む)も社会福祉分野とダブりがあるので、結果的に比重が大きくなる。とりあえず知識のインストールはこれを使い、
問題集はこれを使った。
社会学はこの二冊だけだが、スー過去で学者と理論を一つずつ詰めていくのが重要。デュルケムやウェーバーは出題パターンも多いし、法務省の試験でリオタールが出てきたりしたのは驚いたので、可能ならば現代思想まで手広くやっておくべき。香川の試験ではフーコーやギデンズが出てました。
ただ基本は古典理論を分厚く抑えるべき。出題のバランスを考えると、各論(都市とかメディアとか)は理論をある程度固めてからでいいと思う。
5.心理学・教育学
心理学も社会学同様に学者と理論を抑えるのがまずは重要。なので恒例のこのシリーズを使って知識をインストールした。
そのあとはこの二冊。
心理学は極めようとすると範囲が広いので勉強する分野をしぼりづらいが、基本は過去問の演習で知識を定着させるべきで、むやみに手を広げるべきではない。
それと、教育学に関しては社会学や心理学に比べると範囲がそう広くなく、対策がとりやすいので、いきなりスー過去に入ってよい。教育学を使ったのは法務省だけだったので、直前の一ヶ月くらいで集中して知識を定着させた。
心理学は範囲が広いことと、社会福祉と社会学に比べると配点の比重が少ない(心理職受験の場合は話が全然違う。心理職受験を目指すなら、試験に出る心理学シリーズをコンプすべきだろう)のでと、社会福祉士の試験範囲に心理学が多少含まれているので、勉強する順番もこの目次の順でいいと思う。
心理学が得意でガッツリ稼ぎたいなら話は別だが、範囲が広くやっかいだったので、あえて後に回すことにした。現役生ならこうした省エネはすべきでないが、社会人ならこういう取捨選択は必要だろうと思う。
6.何を重視すべきか?
ここまでで知識の定着はかなり進むはずなので、あとは残された時間の中で何を重視すべきか、である。具体的にはどの科目を重視するのか、記述式対策はどのように行うのか、である。
前者についてはこれまでも触れてきたが、社会福祉と社会学の問題演習を主に取り組みながら、合間に心理学と教育学という形でやってきた。
記述式対策についてだが、過去問はまず見るようにした。過去問はある程度の傾向を教えてくれるし、どの程度の知識を定着させればいいかのヒントになる。
過去問で傾向を確認すれば、配点などを考慮しつつ、残された時間で自分の得意なところと不得意なところをいかに勉強していくか考えればよい。
7.新書を読みあさる
それに加え、たぶんこれはあまり他の人がしていないことだと思うが、関連する分野の新書を読みまくった。その中でわりと助けられたのがたとえば最近出たこれ。
この本にはたくさんの医療者やソーシャルワーカーが登場するが、彼らがどのような倫理や価値基準で日々を生きているかがつぶさに記述されたなかなかいい本だ。それに加え、普段見えない世界が垣間見える。医療も福祉も、現場によって仕事内容はかなり異なることがよく分かるのだ。
といった感じに、新書を読むという行為は単純な知識の定着をはかる過去問演習では異なる種類の頭の使い方である。それに、日々定着させた知識が具体的なエピソードや事例として登場することもある。
たとえば次のような新書は記述対策にも、時事対策にもなりうるだろう。
なるべく新しく、自分が興味関心のある分野と、あまり知らない分野の本を交互に読むのが望ましい。そうすることで思考力を高めることが記述対策にもなるのかなと。
他方で次のような少し古い本も現場が見えるという意味ではかなり役に立った。
あとはまあ、ブログでもなんでもいいが日々文章を書くという習慣は生きてきたと思う。論理的で一貫性のある文章はある程度トレーニングしないと書けないので、苦手ならまずそこから対応したほうがよい。
文章の読み書きなら、ほぼ間違いなくこの一冊を薦める。
8.あとがき
本の紹介が多く長くなったが、大体年が明けたくらいからこんな感じでやってきた。3月ごろからは週末ごとにカフェや図書館にこもって勉強していた。社会人は平日は夜以外に時間が確保できない分(朝は弱いので論外)週末は好きな場所で勉強、という形での切り替えはまずまずできていた気がする。
ちなみに受験ジャーナルには勉強のスケジュールや時間などが事細かに書かれているが、あれはあくまで参考程度にすべきで、間に受けて萎えるべきではない。
どのような試験でもそうだが、大事なのは過去問で合格ラインに届くまで自分の力を上げることだ。それが三ヶ月なのか半年なのか、はたまた一年なのかはその人がどれだけ普段から勉強してきたかによって変わると思う。法学部でバリバリ勉強している人なら、公務員試験の法律科目などさほど苦にもしないだろう。
ただ、受験ジャーナルは情報誌としては使える。試験科目ごと、あるいは受験地ごとの傾向や時事対策もやってくれるし、さほど高くもない。独学ならば最低でも目を通して置くべきだろう。ていうかもう来年度受験のシリーズが出てんのな。
教養対策は情報も大量に落ちているしさほど書くこともないと思うが、記事のバランスを考えてそのうち書くかもしれない。
とりあえず、福祉職受験と法務教官ないし保護観察官を目指している人は参考にしてくれたらと思う。今年はまだ分からんが、3年前に似たようなことをして保護観察官試験には合格したので、まったく当てにならないわけではない、はず。
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