見:Jaiho 悪い意味ではなく素朴な感想として、「変な映画だな」と思った。4つの会話劇がバラバラに提示されることと、夏の終わりらしいこと(8月31日から9月1日にかけての一夜)だけは分かる。つまり、4つの異なった場面においてすべてが一幕劇のような、始まってから …
続きを読む
カテゴリ:text > movie
生き直すための場所にある時間、友人たち、母への追憶 ――『リトル・フォレスト 春夏秋冬』(韓国、2018年)
見:Amazonプライムビデオ ファン・ボルムの小説『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』を読んでいた時に言及されていたのが『リトル・フォレスト』だった。オリジナルである日本版なのかリメイクである韓国版なのか、小説の中ではどちらへの言及なのかがややはっきりとしなか …
続きを読む
物理にとりつかれ、政治に飲み込まれてゆく ――『オッペンハイマー』(アメリカ、2023年)
見:イオンシネマ高松東 今年のラインナップならばアカデミー賞を複数部門獲るだろうとは思っていたが、思った以上に圧勝だったなと感じた。確かにこの物量(3時間近い!)と、このテーマならアメリカのみならず世界中の人に訴求力があるのは確かだろう。少なくともロ …
続きを読む
戦後フェミニズムの先駆けとしての女子野球 ――『プリティ・リーグ』(アメリカ、1992年)
見:NHKBSシネマ NHKBSシネマにて。原題が"A League of Their Own"なので「プリティ・リーグ」というクソ邦題はさすがにどうかなと思うけど、女性性の押し付け(ユニフォームがスカート!)や男性との間の女性差別(そもそも女性が野球なんてすべきではないという価値 …
続きを読む
失うこと、老いること、あるいは記憶を残すということ ――『瞳をとじて』(スペイン、2023)
見:ホール・ソレイユ 3時間近くのボリュームがある映画を夜勤明けに見に行くことに対していくらかの躊躇はあったものの、高松で見られるタイミングとしてはもうここしかないというタイミングだったので短い仮眠を挟んでからソレイユで見て来た。 この前見た『afte …
続きを読む
生き延びるための嘘はありきたりなノスタルジーを否定する ――『百瀬、こっちを向いて』(2013年)
見:Amazonプライムビデオ たまたまアマプラに入ってるのを見つけたので、懐かしいなと思って見ていた。2014年の夏ごろに高松のミニシアター(ソレイユ)で見た記憶があり、そうかこの時の美しさと儚さを合わせ持った早見あかりを見たのも10年前か……と思うとやや感慨 …
続きを読む
開花する若き日のディカプリオを目に焼き付ける ――『ロミオ+ジュリエット』(アメリカ、1996年)
見:Amazonプライムビデオ この映画を見たのは普段親しくしているフォロワーさんに誘われたからだが(スペースでの鑑賞会めちゃ楽しかったです)、ほとんど予備知識がない状態で見たので純粋に楽しい時間だった。製作は1996年だが日本での公開は翌1997年であり、この …
続きを読む
美しいひと夏の、最後の日々を再生する ――『aftersun』(イギリス・アメリカ合作、2022年)
見:Amazonビデオ 半年ほど前だったかと思うが高松で公開当時、体調がいまいちだったこともあり映画館で見に行けなかった一本だった。しかし見終えてこれは映画館で見たかった感じの映画だと思った。最初から最後まで常に何かが起こりそうで、それでも最後まで起きない …
続きを読む
今しかない切実さを抱えた偽りの人生 ――『市子』(2023年)
見:ホール・ソレイユ ネットでの評判をちらほら見ていてすごい映画らしいと知り、2015年に上映された演劇が原作という情報を知ってさらに見たくなり、高松での初日に見てきた。若葉竜也演じる長谷川と、杉咲花演じる川辺市子が同棲して3年になる夏、長谷川が市子にプロ …
続きを読む
抑圧された声を拾い集めて巨悪に立ち向かう ――『SHE SAID その名を暴け』(アメリカ、2022年)
見:Amazonプライムビデオ 映画館に見に行こうと思って行けなかった映画の一つで、原作も読んでいたので映画もちゃんと見ようと思った。本作と同じように現実にあった調査報道のプロセスを題材にとった映画として2015年の映画『スポットライト』や2017年の映画『記者た …
続きを読む