見:U-NEXT
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U-NEXTにて。ストーリーは青春ものと思いきやミステリーだったが、こういうタイプの青春ミステリーは珍しいなと思いながら見ていた。そしてストーリーよりは一つ一つのシーンの演技や演出を楽しむタイプの映画かな、という印象。ストーリーとしては広瀬すずのラインと、杉咲花のラインを同時並行して描かなければならず、それはもちろん作劇上の必然性があるのだがやや強引な感じもなくもなかった(大人になった元非行少年を登場させる流れなど)。
まず設定として杉咲花、広瀬すず、清原果耶といった今をときめく若手女優3人を一緒に同居させるという贅沢な構図のわちゃわちゃした感じは楽しい。そして3人が一緒に「暮らさなければならない」理由がわかってくると切実な共同生活だとも思う。ただ途中から不動産屋と一緒に内見に来た人がいたので、このわちゃわちゃした家に長くいられないことが示唆されているのも良かったと思う。ユートピアは長く続かないと解釈したほうが現実的だからだ。
とは言え、単なるユートピアというわけではなくそれぞれの「片思い」とはなんなのか、あるいはなんだったのかが重要な鍵になってくる。それぞれの、なので途中からパートが複数同時並行するややこしさはあるものの、ゴースト的存在である事を生かしてほとんどの場面で「3人で立ち会う」のはとてもいいなと思った。
この映画のあとにも続いていくことが予想されるだけに、それぞれの青春の物語には違いない。その上で、3人で立ち会って共有することで具体的な経験と多くの感情を共有する、という演出を加えているのである。3人の中で一番ストーリーに「絡まない」のは清原果耶だが、「片思いの相手」に一途なキャラクターを杉咲花と広瀬すずが演じているのを見ると、逆に2人とは少し違うが、というポジショニングをとる(あるいは、とらざるをえない)キャラクターとして清原を配置したのは面白いなとも思った。
シリアスにツッコミを入れる彼女のようなキャラクターがいるからこそ、3人が3人として成立する。単にわちゃわちゃさせればよい、わけではないのだ。これは坂元裕二脚本の『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016年)を思い出しても良いかもしれない。小さなコミュニティのユートピア感とその壊れやすさを同時に描くのには慣れている。
他では9歳の娘(幼少期の杉咲花)を事件で亡くした母親を演じる西田尚美がいい。ここにも切実さがあり、執念があった。切実さ、はこの映画にずっと通底しているテーマでもある。当然、生きている人間にも切実さがあるし、生きる理由がある。大人になった元非行少年との再会はそれ自体が法的に、倫理的にかなりグレーな領域に突っ込んでいる印象がぬぐえないものの、切実な母親を正面から演じていた西田尚美には確かな感動を覚えた。


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