Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。



見:U-NEXT
Info:公式サイトfilmarks
 

 U-NEXT見放題が12月31日で終わるったので急いで見たがこれが2025年最後の映画になった。世界観についてやや強引に主人公が説明しなければならない前半はやや退屈だが、後半駆け足になりながら結末に向かう流れはまっすぐできれいなものだったと思う。なのでここでも書かれているほど悪い映画ではない(万人には薦めづらいが)。最近『べらぼう』をようやく頭から見ているが、もう少し若かったころの横浜流星を見るというのも一つの面白さがあった。

 原作が階段島シリーズとしてシリーズ化されており、その最初の一冊(2019年に最終6巻が出ている)であるため、あまりにも解かれない謎が多い。だからこの映画は、客観的に見れば青春ラブストーリーとして作られているのだと思う。謎はほとんど解かれていないので青春ミステリーとしては作れないが、ラブストーリーとして作るなら映画一本でも筋道をつけられるし、オチをつけられる。原作に準拠しつつ、映画一本として見せるならこうするしかなかったという戦略が見える

 ただしそれはあくまで後半部分であり、前半は個性豊かな主要登場人物たちが出そろうのを待たなければならない。そもそも階段島はなぜ物理的に閉ざされているのか。なぜ一定期間の記憶を失っており、なぜ通信環境も閉鎖的なのか。これらの謎は解かれないが、こうした謎がある島が舞台である、という設定の説明だけでかなりの時間を使わなければならないのが最も苦しい要素になっている

 謎を置いた状態のまま映画を進めるためには人間ドラマを作るしかない。そして、七草と真辺のラブストーリーに落とし込むのが一番スッキリした筋になる。最初から主役に据えてた二人の軸をぶらさなかったからこそ、ラスト20分の青春的な疾走感と、鮮やかな消失の演出に繋がっているのは良い選択だと思っている。

 もっとも、河野裕が原作なのでひねくれたラブストーリーである点もいい。七草は自分の気持ちを偽っている訳ではないが、その理由を隠している。真辺は明らかに七草に好意があるが、ストレートに好きとは言わない。あえて周りくどい言葉づかいをしながら、二人は距離を縮めてゆく。そのための駆け引きを繰り返してゆく。

 だから後半はどちらかというと、映画よりは演劇的だ。すっかり舞台が二人のものになってようやく、この映画のおもしろさが発揮されるからだ。その後半の展開と終盤の疾走のあとに流れる爽やかなSalyuのエンディングもまたかなり良い。だからこの映画は最後の20分だけでも強く評価していいと思っている。






このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット