見:Amazon Prime Video 公式サイト/filmarks 2011年放映の『花咲くいろは』以降、3,4年に1本のペースで作られてきたP.A.WORKSお得意の朝ドラ……じゃなくてお仕事物アニメ。『白い砂のアクアトープ』までの4本は長野を舞台にした家族経営のウィスキー蒸留所を巡る物語 …
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反復とその困難さ、公正さの確保、そして種を蒔いた3年間の結実 ――『響け! ユーフォニアム3』(2024年)
確か11話か12話だったかと思うが、種を蒔くという表現があってこれは高校生活3年間を描ききったこのシリーズにふさわしい表現だな、と膝を打つ気持ちにさせられた。2015年の春クールに開始したこのアニメシリーズが、2024年の春クールに完結。間に2019年夏の放火によるあ …
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優柔不断な主人公と妥協しない双子姉妹の恋愛バトル ――『恋は双子で割り切れない』(2024年)
主人公が最初から最後までずっと優柔不断なアニメ。確かに双子姉妹の両方からアプローチを受け続ける中でたった12話でどちらかを選べ、は現実的には難しそうだ。だからなのか、あえて純というキャラクターに「優柔不断な男主人公であり続ける」ことを課しているように …
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感情労働としての現代的女性声優の労働実態とその裏側 ――『声優ラジオのウラオモテ』(2024年)
まだ売れてない若手女性声優(高校生)ふたりの奮闘劇! と書くとお、百合アニメなのか? と一瞬思うが、その思いは一瞬だけであった。具体的に言うならば3話までがそのテンションであって、それ以降は徹底的に「感情労働としての現代的女性声優」のリアルをコミカルに …
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女子5人+男子1人が見せる2020年代松山の青春群像 ――『がんばっていきまっしょい』(2024年)
見:イオンシネマ高松東 若手の櫻木優平監督が、実写映画とドラマも経験したタイトルを2024年にアニメ化というのは、正直不思議な組み合わせだなと思った。ただ四国映画、松山映画でもあるこの映画のロケーションがしっかり行われていることはよく分かる。例えば島し …
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背中を見ながら描く、残されたものを抱きしめる ――『ルックバック』(2024年)
原作が話題になったのは3年前の夏だが、原作を最後まで読まずにこの映画に臨めたのは結果的に良い選択だったかなと思う。まあそれはただの偶然で、3年前何で原作を読まなかったかというと読む時間的余裕がなかったからだと気づいた(第4回公認心理師試験の直前だったため …
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向いていること、向いていないことをみつめてきた85分 ――『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』(2024年)
見:OSシネマズミント神戸 もともと神戸滞在中に見る予定だった『PAST LIVES』の時間に間に合わなかったが、そういえばまだハイキュー!を見ていなかったなと思い、あえての神戸でハイキュー!ということをやってみた。昔から旅先で映画を見るのは一つの趣味だが、神戸 …
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それぞれの「語らない理由」と、美津未の「語る理由」 ――『スキップとローファー』(2023年)
「スキロー」という略称でインターネットでは話題になっていたアニメを少し遅れて一気見。「石川県の端っこ」出身である主人公の岩倉美津未は地元では「神童」であり、地元を含む地方の過疎化問題を解決したい→総務省の官僚になりたい→そのためにT大法学部に行きたい、 …
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再びの春に芽吹く変化の兆しと、成熟と未熟のあわいが生む鮮やかな反復 ――『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』(2023年)
見:イオンシネマ綾川 前作から半年を待たずに公開となったシリーズ新作であり、高校生編完結の1本である。春から始まった物語が次の春へ、つまり梓川咲太と桜島麻衣が出会ってから一年が経過することを様々な形で実感させられる作品になっている。 シリーズ前々 …
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黄前久美子たちにとってのオフシーズンとその過ごし方の模索 ――『特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』(2023年)
見:イオンシネマ綾川 原作を読んでいたことすらこの映画を見るまで完全に忘れていたが、シリーズ前作が2019年4月公開だったことを考えると、この4年間のブランクにはいろいろな思いがある。2019年7月のあの悲しすぎる事件を経た後にキャラクターデザインを務めた池田晶 …
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