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日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 2月4日の第36回社会福祉士国家試験は無事終わり。いつも通りこれまでの勉強経過や自己採点結果などのブログを書いているけどあと2週間くらいしたらどのみち結果が出るので、結果が分かり次第公開する予定。自己採点、なぜか8割あったのでよほどのことがなければ(マーク全部ズレてるとか)大丈夫だと思います。

 午前、午後ともに1時間くらい残して途中退出する余裕があったので午前中は本屋に寄り、午後は高松市美術館まで歩いて川瀬巴水展に行ってきた。

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 高松市美はかつて栗林公園の中にあったらしいのだが、今の位置(宮脇書店本店の隣)に移転して35周年ということで、その記念の展示が川瀬巴水だったのでこれは行かないとダメでしょうと言うやつでした。2022年の夏に公認心理師試験受けた時もひろしま美術館で川瀬巴水を見ていたので、なんかめちゃくちゃダブるやんけというやつでもある。今回は本当に川瀬巴水だけを取り上げた展示だったので、画家としてのライフヒストリーを辿る楽しみに満ちた展示だった。

 また、やっと試験が終わったのでハヤカワNF文庫で3分冊になっていた『オッペンハイマー』を読み始めた。上巻は一人の研究者になるまでの話、そもそも親の話から始まるので幼少期や青年期についても詳しく書かれており、取材力が半端ないなということが分かる本にもなっている。

 なんで最初はオッペンハイマーという「変人」の人格がいかに形成されたのか、という書きぶりに思えたのだが中巻になって戦争、というか大文字の政治と言った方が適切かもしれないが、第二次大戦期の国際情勢という、いかに変人であったとしても一人の科学者が抗いようのない社会変動に身を委ねざるをえなくなったという立場でオッペンハイマーの人生を追いかける展開になっている。この展開は巧みだなと感じた。

 伝記や評伝というのはどちらかというと客観的事実の積み重ねが必要とされる印象があるが、この本は明確に戦争や政治に巻き込まれるオッペンハイマーの人生を一つの悲劇として描こうという意図がある。それはつまり戦争やそれを遂行する政治に対する痛烈な批判でもあるし、オッペンハイマーに対する共感でもあるのだということだろう。

 並行してチェ・ウニョンの『明るい夜』を読んでいたが、これは太平洋戦争の後の朝鮮戦争が大きく関わる小説である。ウクライナ戦争はまだ終わっていないことを考えると、『オッペンハイマー』についてもそうだがまだまだ20世紀は過去になりきれていない、むしろ現代にまで続くいろいろなものを形成していることがよく分かる読書体験の連続だった。

 あと、ヒグチアイの「大航海」めちゃくちゃいいですね。そこまで熱心なリスナーではなかったんだが、3月に高松にもライブで来るらしいのでこれは行くの全然アリやなというテンションの2月前半でございました。

●読んだ本

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オッペンハイマー 上 異才 (ハヤカワ文庫NF)
マーティン J シャーウィン
早川書房
2024-01-22


オッペンハイマー 中 原爆 (ハヤカワ文庫NF)
マーティン J シャーウィン
早川書房
2024-01-22




明るい夜 ものがたりはやさし
チェ・ウニョン
亜紀書房
2023-02-24








・シブヤ大学編『歩くようなはやさで 生きる人のための リベラルアーツ
・困ってる人文編集者の会『おてあげ』第1号

●見た映画
ゴールデンカムイ(2024年)@イオンシネマ綾川
SHE SAID その名を暴け(アメリカ、2022年)@Amazonプライムビデオ
風よ あらしよ劇場版(2024年)@ホール・ソレイユ


●最近の音楽

Artrium
ポニーキャニオン
2024-02-07


未成線上
ポニーキャニオン
2024-01-24














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