Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 7月のエントリーでヤクルトはなぜ強いのだろうかという雑な分析をつらつら書き連ねたけど、あれは本当に一瞬のものであって、気づけばもはや最下位が定位置である。理由は簡単で、打線に比べて脆弱な投手陣が夏本番になって明らかに疲れて来たのだろうと思った。リリーフも盤石ではなくなり、先発が踏ん張るもリリーフが崩れる試合が増えて来たし、そもそも先発が5回まで投げられないことも珍しくなくなった。

 唯一の希望がライアン小川で、8月15日のノーヒットノーランはまだまだ記憶に新しい。ヤクルトってガトームソン以来では?と思ったら本当にガトームソン以来14年ぶりで、当時はリアルタイムでは見られなかったけど、いまは文明の利器(DAZN)のおかげでリアルタイム視聴することができた。他の投手の、行けそうで行けないノーノ―を多々見て来たけれど、この日のライアンならいけるかもしれないな、と感じた。それほど、大崩れしない安心感があった。ただそれは半分くらいでもあって、そもそも日曜日の登板はほとんど勝ってきていたので、まずは勝つこと、ノーノ―はおまけくらいのノリで見ていたのが半分くらい。

 カツオこと石川はまだ今年は勝てずにいる(このエントリーを書いている9月でもまだ未勝利だ)中、ライアンが勝ち続けるのは一種の希望である。ただその分ライアンに負担をかけてしまっている現状でもある。野球はチームスポーツなので、特定の誰かに負担がかかりすぎるのは好ましくない。結局は、底上げをやっていくしかないんだろうなあと思う。しかし毎年のように同じ課題が露呈するが克服できないのも、つらいことだ。

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 8月は前半あまり体調がよくなかった。それでも、ウーバーイーツはコンスタントに続けていた。体調が悪い中でも運動量をあまり落としたくなかったことが理由としてあるが、それ以上に8月は忙しかったからである。理由はよく分からないが、まだ大半が梅雨だった8月と比べると急に暑くなって外出を自粛したからだろうか。それにしてもラブホから注文が来るとは思わなかった。

 体調が悪い中、ちょうど坂本真綾の「躍動」のストリーミング配信がスタートして、もう100回以上は余裕で聞いたのではないか、と思うくらい聞きまくっていた。FGOは全然フォローしてないけど、個人的には「レプリカ」を思い出すような、後ろめたさが少しにじむ歌詞と疾走感あふれるメロディというアンバランスさがとても好きである。



 「手に入れるのが勝利なら手放すのは敗北でしょうか」という冒頭の歌詞、そもそも勝利を手に入れる人が敗北を「手放す」という表現をすることはまずない。そのあと「誰も傷つかない世界」を「きれいごとかもしれない」と評価するあたりに、ああきっとこれは中途半端に優しい人を歌った歌詞なんだろうと思った。中途半端な優しさは、益になるより害になる方が多い。だから全体的にこの歌詞は後ろめたい匂いがするのに、「躍動」というタイトルとメロディの疾走感に後ろめたさは一ミリもない。

 なんなんだこの曲は??というのが、100回以上聞いている理由なのだろうと思う。「レプリカ」もそうだけど、複製というタイトルを突き放すように歌いながらやたら明るく聞こえてしまうメロディが面白いのだ。こうしたアンビバレンスで、しかもどう考えても難しいだろうという歌唱を、すっとこなしてしまう坂本真綾が憎い。とても愛おしくなるほどに、だ。

 こんな感じで真綾を聞くまくっていたらレコメンドされたのがyamaである。声質は女性だと思われるが、年齢性別不詳の覆面歌手として緊急事態真っ盛りの4月にyoutubeに降臨している。


 
 「深夜東京の六畳半夢を見てた」や「真夜中はすぐそこさ」という歌詞と、エキゾチックでエレクトロなメロディを聞いていると、YOASOBIやずとまよの系列に並べてもいいのかもしれない。(実際この二つのユニットとヨルシカは、多くのリスナーがかぶっているだろう)

 そのYOASOBIが8月最後の日にリリースしたのが、『ブルーピリオド』をイメージした曲、「躍動」だ。この曲も、東京の深夜〜明け方を直接的に表現している。深夜の六畳半も、明け方の渋谷も、どうしようもなくやるせない若さや青臭さが香る(だからこその「群青」なのかもしれない)。

 そういう曲を30歳の自分が聞くのと、10代や20代前半で聞くのとでは、あるいは東京の中と外で聞くのとでは全く印象が異なるんだろうなとは思いつつ、自分には自分の青春があったし、30歳になってもまだこういう青臭い曲を笑い飛ばさずに素直に受け止められるのは、それ自体は悪いことではないんじゃないか。自分がもう若くないことを知っていて、だからこそなお、青臭いイメージを表現することの価値をかみしめる。

 「知らず知らず隠してた本当の声を響かせてよ、ほら、見ないふりしていても確かにそこにある」


 
 ちなみにYOASOBIで一番好きなのは「ハルジオン」です。MVもかわいい。





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8月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1832
ナイス数:14

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読書メーター

 バナジー&デュフロは素晴らしかった。『貧乏人の経済学』も近いうち読みます。


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