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日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。



見:U-NEXT
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 U-NEXTにて。中国ノワールとかスリラーというふれこみの映画だけど、現代中国のハードボイルドという感じで見た方がいいかなという映画だと思う。舞台は2008年ごろ(北京五輪の話が会話によく出てくる)ので厳密には現代ではないかもしれないが、少し前の現代という解釈で見るくらいでちょうどいい。

 2008年の北京の片隅、再開発されていく現場と人がどんどんいなくなっていくエリアに闊歩する野犬たち、という構図はすっかりテクノロジーに覆われた2020年代の現代北京とはまた違うものを見せてくれるような気がする。その北京でオリンピックのために野犬を一掃するプロジェクトが行われていた。その野犬対策のパトロール隊に、主人公のランが参加することになる。

 もちろん北京といっても広いからこれはあくまでイメージの問題だが、じゃあハードボイルドと言って暗い映画かというと意外とそうではない。荒野や大地の広さは印象的に残るし、主人公のランは基本的に孤独で孤高の存在ではあるが、暗い雰囲気を漂わせているのは序盤だけだ。人とは一緒に生きていけない。だから犬と生きていく。その覚悟を決めるまでのライフストーリー、とでも言えばいいだろうか。ブラックドッグがランに「寄り添う」わけではない。むしろ、何もしないのがいいのだろう。何もしないが、隣にいる。

 もう一つハードボイルドだなと思うのは基本的には淡々とした状況で映画が進行していくからだ。ランのことを「構ってくれる」人たちは確実にいて(警察官も!)、殺人をして受刑者になったキャラクターの割には嫌われているキャラクターではない。ただコミュニケーションが不器用なようで、構ってくれる人たちとうまく馴染めない様子も見せる。だからこそ結果的に犬(ブラックドッグ)と生きることを選択する。

 これが一般的なエンタメなら恋愛要素ももっと出してきたかもしれないが、この映画に登場する女性はランに対して共感的でありながらそれ以上の深い関係には進まない。だから結果的にランの孤立を深める構造にもなっていると言える。殺人という経歴と、誰もが嫌うブラックドッグの存在。コミュニケーションの不器用さが致命的なのかもしれないが、不器用だから、孤立しているからこそ生まれる人と犬の関係をこの映画は淡々とみつめている。

 当然激しさもある映画だが、際立った孤立の見せ方がとにかく美しい映画だ。荒れ果てた大地、人がいなくなる集落。それでも生まれ持った生を全うするにはどうすれば良いのか。皆が皆「良い人生」を手にすることができないからこそ、こういう映画の存在は重要なのかもしれない。
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