今年もいっぱい聴いてきたのでやってみます。順不同で。去年の10枚はこちらから。
小松未可子『e'tuis』
小松未可子は去年も選んだので2年連続。ただ、この二枚目のアルバム(『Cosmix EXPO』を含めると3枚目)がなかなかすごい。初っぱなの「Sky Message」からガンガン飛ばしてきながら「エメラルドの丘の上で」のような曲で歌手としてのみかこしのイメージをさらに広げる。とにかく自由で、自由だ。
古川本舗『Hail against the barn door』
古川さんは同人でのボカロ活動に区切りをつけた2011年移行毎年一枚ずつアルバムを出してきているので、これでもう4枚目(いまのレーベルからは3枚目)。アルバムタイトルは「Rage Against the Machine」のもじりかな。
1stと2ndがボカロ時代の名残を残すものだとするならば3rdと今回の4thは完全にイメージを一新している。キクチリョウタをボーカルとして継続採用しているあたりは3rdから4thは延長にあると思うが、同時にちびたを採用しているあたりはボカロ時代のタッグを思い出してなつかしい。そして古川さん自身もボーカルに再び加わっているのだが、いい意味での開き直りというか、何か吹っ切れたような快感を感じる。ライブ活動を増やしたからか、あるいは単純に4枚目にしてたどりついたのがここだったのか。あるいは、バンドマンだったかつての自分を復活させられたのかもしれない。
アップアップガールズ(仮)『セカンドアルバム』
総じて最高だった。ほとんどシングルで出てるんだけど、通して聴くと最高感しかないって感じ。タワレコ限定の20分のDJmixも素晴らしい。アプガは現場に行くと本当に熱くて楽しいんだろうけど、現場に行かなくても楽しすぎるのは素晴らしいな、って思う。
V.A.『宇多田ヒカルのうた 13組の音楽家による13の解釈について』
12月にこんなの放り込まれたらいやとは言えない。
全体的に意外だったのは井上陽水「SAKURAドロップス」をはじめとした男性ボーカル曲がすさまじくクオリティが高いこと。名前を挙げれば岡村靖幸、キリンジ、大橋トリオなどが続くので妥当と言えば妥当なんだけど、実際に曲を聴いてみるとうまいぐあいに彼らが自分の曲にしてみせているのが素晴らしい。
逆にAIやラブサイケデリコは、自分の曲にはなっているんだが原曲のイメージと比較しちゃってどうしてもハマれなかった。ただ、あゆの「Movin' on without you」はしみじみしながら聴けるし、椎名林檎やBONNIE PINKはさすがだった。後者はtofubeatsらしいアレンジの妙ももちろんあってだけど。
nano.RIPE『涙の落ちる速度』
これに関しては3枚組になっているので3枚まとめての評価という形になるんだけど、しばらく聴いていなかったnano.RIPEというバンドを再評価せざるをえないという意味では個人的に重要だった。
「影踏み」が2013年に公開した花いろ劇場版の主題歌になっていて、そこで久しぶりにnano.RIPEを聴いた上でのこのアルバム(年明けのリリースだったので、2013年までの活動のまとめということになる)を聴いた。1stにあったインディー感をきれいに脱却し、彼らのバンドサウンドを高らかに奏でていることがよく分かった。
Chouchou『piano01 oto』
Chouchouのピアノインストアルバム。内容もさておき、リミテッドエディションの中身が非常に豪華。静かに聴き入るべし。以前から大好きな「Sign」はほんと何度聴いても心に染みる。
やなぎなぎ『ポリオミノ』
端的に方向性をぐいっと変えてきたなというのが第一印象。古川さんのような変化、つまり同人時代の電子音楽的な個性よりも人に見せるため、聴かせるためのサウンドを重視していきたい意思が見える。前にも「ユキトキ」や「ラテラリティ」にその萌芽があったとは言え、だ。
これはこれで非常に面白いし、アルバムの統一感は前回よりも上かも。一度彼女を見たことはあるが、いまのやなぎなぎのライブを(映像ではなく生で)見たらどう感じるんだろうか。
津田朱里、小木曽雪菜(米澤円)、上原れな『WHITE ALBUM2 VOCAL COLLECTION』
まずジャケットがずるい。これは最強のヒロイン感ありすぎでしょう。
声優としての米澤円もけいおん!くらいでしか認識してなかったが、こんなにかわいらしくかつ力強いボーカルで歌える人だとは思わなかった。「届かない恋」という曲にある切なさと悲しさと、それでも残る喜びのようなものを、彼女は丁寧に歌い上げている。
他だとSPEEDの「WHITE LOVE」カバー(津田朱里と米澤のデュエットで歌っている)がけっこうハマっていて好き。
9nine『MAGI9 PLAYLAND』
2ndの『CUE』が到達点だと去年のブログで書いたけど、完全にEDMにこだわって作られたコンセプトアルバムのようなこの3rdは2ndとはまったく違う持ち味を見せる。
『CUE』のほうがおそらく幅広く受け入れられると思うが、いまの9nineをじっくり聴いて欲しいという意図と、リードトラックの「Re:」にあるようなチャレンジなのだろうという気がしている。「できるよ、さあ、始めよう」って言う確信を持って。
Tokyo Audio Waffle『Travel Sound Sandwiches』
最後の一枚どうしようかなーと悩みつつ、同人が一枚もなかったのでこれにした。
Tokyo Audio Waffleというサークルのサウンドは初めて今年聴いたけど、ジャケットのオサレ感も含めてソッコー惚れた。いやー同人音楽ってほんと底が知れない、おそろしく面白い! と再確認するには十分。
ほぼ毎回参加しているボーカルの砂糖子さんの文化系女子感(なんだそれは)がすごくいい。名前のようにとろけるような甘いボーカルである。
そんなわけで今年はこんな感じでしたー。来年もいっぱい音楽聴いていこう。
あ、あとアルバム単位じゃなくて曲単位だと今年はハナヤマタOPの「花ハ踊レヤいろはにほ」とSHIROBAKOの1クール目EDの「Animetic Love Letter」が最高でした。前者はMVも含めて今年のアニソンのなかではもっとも好きです。アニメは1話しかまだ見てないけど!
チーム”ハナヤマタ”「花ハ踊レヤいろはにほ」
宮森あおい(木村珠莉)&安原絵麻(佳村はるか)&坂木しずか(千菅春香)「Animetic Love Letter」
小松未可子『e'tuis』
小松未可子は去年も選んだので2年連続。ただ、この二枚目のアルバム(『Cosmix EXPO』を含めると3枚目)がなかなかすごい。初っぱなの「Sky Message」からガンガン飛ばしてきながら「エメラルドの丘の上で」のような曲で歌手としてのみかこしのイメージをさらに広げる。とにかく自由で、自由だ。
古川本舗『Hail against the barn door』
古川さんは同人でのボカロ活動に区切りをつけた2011年移行毎年一枚ずつアルバムを出してきているので、これでもう4枚目(いまのレーベルからは3枚目)。アルバムタイトルは「Rage Against the Machine」のもじりかな。
1stと2ndがボカロ時代の名残を残すものだとするならば3rdと今回の4thは完全にイメージを一新している。キクチリョウタをボーカルとして継続採用しているあたりは3rdから4thは延長にあると思うが、同時にちびたを採用しているあたりはボカロ時代のタッグを思い出してなつかしい。そして古川さん自身もボーカルに再び加わっているのだが、いい意味での開き直りというか、何か吹っ切れたような快感を感じる。ライブ活動を増やしたからか、あるいは単純に4枚目にしてたどりついたのがここだったのか。あるいは、バンドマンだったかつての自分を復活させられたのかもしれない。
アップアップガールズ(仮)『セカンドアルバム』
総じて最高だった。ほとんどシングルで出てるんだけど、通して聴くと最高感しかないって感じ。タワレコ限定の20分のDJmixも素晴らしい。アプガは現場に行くと本当に熱くて楽しいんだろうけど、現場に行かなくても楽しすぎるのは素晴らしいな、って思う。
V.A.『宇多田ヒカルのうた 13組の音楽家による13の解釈について』
12月にこんなの放り込まれたらいやとは言えない。
全体的に意外だったのは井上陽水「SAKURAドロップス」をはじめとした男性ボーカル曲がすさまじくクオリティが高いこと。名前を挙げれば岡村靖幸、キリンジ、大橋トリオなどが続くので妥当と言えば妥当なんだけど、実際に曲を聴いてみるとうまいぐあいに彼らが自分の曲にしてみせているのが素晴らしい。
逆にAIやラブサイケデリコは、自分の曲にはなっているんだが原曲のイメージと比較しちゃってどうしてもハマれなかった。ただ、あゆの「Movin' on without you」はしみじみしながら聴けるし、椎名林檎やBONNIE PINKはさすがだった。後者はtofubeatsらしいアレンジの妙ももちろんあってだけど。
nano.RIPE『涙の落ちる速度』
これに関しては3枚組になっているので3枚まとめての評価という形になるんだけど、しばらく聴いていなかったnano.RIPEというバンドを再評価せざるをえないという意味では個人的に重要だった。
「影踏み」が2013年に公開した花いろ劇場版の主題歌になっていて、そこで久しぶりにnano.RIPEを聴いた上でのこのアルバム(年明けのリリースだったので、2013年までの活動のまとめということになる)を聴いた。1stにあったインディー感をきれいに脱却し、彼らのバンドサウンドを高らかに奏でていることがよく分かった。
Chouchou『piano01 oto』
Chouchouのピアノインストアルバム。内容もさておき、リミテッドエディションの中身が非常に豪華。静かに聴き入るべし。以前から大好きな「Sign」はほんと何度聴いても心に染みる。
やなぎなぎ『ポリオミノ』
端的に方向性をぐいっと変えてきたなというのが第一印象。古川さんのような変化、つまり同人時代の電子音楽的な個性よりも人に見せるため、聴かせるためのサウンドを重視していきたい意思が見える。前にも「ユキトキ」や「ラテラリティ」にその萌芽があったとは言え、だ。
これはこれで非常に面白いし、アルバムの統一感は前回よりも上かも。一度彼女を見たことはあるが、いまのやなぎなぎのライブを(映像ではなく生で)見たらどう感じるんだろうか。
津田朱里、小木曽雪菜(米澤円)、上原れな『WHITE ALBUM2 VOCAL COLLECTION』
まずジャケットがずるい。これは最強のヒロイン感ありすぎでしょう。
声優としての米澤円もけいおん!くらいでしか認識してなかったが、こんなにかわいらしくかつ力強いボーカルで歌える人だとは思わなかった。「届かない恋」という曲にある切なさと悲しさと、それでも残る喜びのようなものを、彼女は丁寧に歌い上げている。
他だとSPEEDの「WHITE LOVE」カバー(津田朱里と米澤のデュエットで歌っている)がけっこうハマっていて好き。
9nine『MAGI9 PLAYLAND』
2ndの『CUE』が到達点だと去年のブログで書いたけど、完全にEDMにこだわって作られたコンセプトアルバムのようなこの3rdは2ndとはまったく違う持ち味を見せる。
『CUE』のほうがおそらく幅広く受け入れられると思うが、いまの9nineをじっくり聴いて欲しいという意図と、リードトラックの「Re:」にあるようなチャレンジなのだろうという気がしている。「できるよ、さあ、始めよう」って言う確信を持って。
Tokyo Audio Waffle『Travel Sound Sandwiches』
最後の一枚どうしようかなーと悩みつつ、同人が一枚もなかったのでこれにした。
Tokyo Audio Waffleというサークルのサウンドは初めて今年聴いたけど、ジャケットのオサレ感も含めてソッコー惚れた。いやー同人音楽ってほんと底が知れない、おそろしく面白い! と再確認するには十分。
ほぼ毎回参加しているボーカルの砂糖子さんの文化系女子感(なんだそれは)がすごくいい。名前のようにとろけるような甘いボーカルである。
そんなわけで今年はこんな感じでしたー。来年もいっぱい音楽聴いていこう。
あ、あとアルバム単位じゃなくて曲単位だと今年はハナヤマタOPの「花ハ踊レヤいろはにほ」とSHIROBAKOの1クール目EDの「Animetic Love Letter」が最高でした。前者はMVも含めて今年のアニソンのなかではもっとも好きです。アニメは1話しかまだ見てないけど!
チーム”ハナヤマタ”「花ハ踊レヤいろはにほ」
宮森あおい(木村珠莉)&安原絵麻(佳村はるか)&坂木しずか(千菅春香)「Animetic Love Letter」
石田燿子
ワーナー・ホーム・ビデオ
2014-11-26
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