Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3539ページ
ナイス数:38ナイス

窓の外は向日葵の畑 (文春文庫)窓の外は向日葵の畑 (文春文庫)感想
話の完成度は『ぼくと、ぼくらの夏』より高く、こなれている。それでも、『ぼくと、ぼくらの夏』ほどのみずみずしさは感じなくて、どう評価していいかちょっと迷うところ。でも二木真夏というキャラと彼女の書き方はいままでの樋口小説にはなかったところだし、個人的にはかなり気に入っている。本編にはまったく関係ないのにインパクトある幼なじみの女の子だ。
読了日:1月31日 著者:樋口 有介
入門 医療政策 - 誰が決めるか、何を目指すのか (中公新書)入門 医療政策 - 誰が決めるか、何を目指すのか (中公新書)
読了日:1月31日 著者:真野 俊樹
主題歌主題歌感想
柴崎友香は大人の日常系とでも言えばいいのかな、と思うくらい大きな起伏がなく、会社か家が飲み屋かという、どこにでもあるような風景が描写されていく。大阪弁のやらかくて軽いリズムが日常をより日常化してるというか、はじまりも終わりもつづきもない物語のアクセントにもなっている。お話としては年齢について思うことは世代によって様々であることを軽やかに書いた「六十の半分」が好き。年齢という観点だと表題作「主題歌」も、登場する「女の子たち」と彼女ら以外の人との年齢の開きとその分のズレに着目すると面白いかも。
読了日:1月30日 著者:柴崎 友香
芥川賞物語芥川賞物語感想
HP「直木賞のすべて」が有名だが、芥川賞にもかなり造詣がある人ではないか、ということが発覚した一冊。単に芥川賞の歴史をひもとくだけでなく、周りの反応(新聞や雑誌などの文芸ジャーナリズム、当選作家や候補作家のコメント、選考委員の発言などなど)をまとめた言説史として一読の価値あり。ここで書き留められているような言説が、芥川賞のいまの地位を築いたものなのだろう、ということが想像できる。他の文芸賞との比較もなされており、載っている作品については無知でも楽しめる一冊となっているのは読み物として優れている点だろう。
読了日:1月28日 著者:川口則弘
スタッキング可能スタッキング可能
読了日:1月22日 著者:松田 青子
黒冷水 (河出文庫)黒冷水 (河出文庫)感想
とりわけ中盤にはいてから強烈だ、と思いながら読み進めていた。そしてラストのあの転回は、まあ確かにそういう手法は珍しくはないにせよ、作者から感じる執拗さのようなものを感じた。その執拗さは作中の正気、修作兄弟をも上回るかもしれない。安直なハッピーエンドを求めず、あるいはハッピーエンドすら否定しかねないのは、何があっても現実は続いていってしまうことへの嫌悪感が作中の登場人物だけでなく作者にもあったのかもしれない。17歳だからこそ書けた登場人物の未熟さや視野の狭さはピカイチで、世に出されたことを祝うべきだろう。
読了日:1月22日 著者:羽田 圭介
等伯 〈上〉等伯 〈上〉感想
直木賞受賞を知って購入。等伯である長谷川信春の一人称で、時折り心情を挟みながらも全体的に淡々と進んでいく印象を受ける。単行本で350ページある上巻のなかで延暦寺焼き討ちから本能寺の変までといった信長の絶頂期から末路までの帰還を書いていて、この動乱のなかで信春や彼の家族がどのように生き抜いてきたのかが記述されていく。そうした記述が主になることからか、小説としての面白さというよりは史実のなかに信春を置くことで、彼の人生を浮き彫りにしていこうという趣旨なのだろうと感じる。テンポよく進むので意外と早く読み終えた。
読了日:1月22日 著者:安部 龍太郎
門感想
『三四郎』、『それから』(ビブリア1話のネタにもなってましたね )とつづく前期三部作をこれでぜんぶ読み終えた。全部キャラは違うが学生時代、恋愛と結婚、夫婦生活と仕事と、さらに過去の回想といった、ひとつの人生を追いかけながら読めるようになっているのは面白かった。『門』は過去のエピソードが多くじわじわくる感覚が前2作と違っているのも面白さのひとつ。そして過去が積み上がるということは、大きな後悔が今の人生にのしかかってくる。過去と向き合うことと、今を生きること。このふたつの難しさは、明治でも今でも変わらない。
読了日:1月15日 著者:夏目 漱石
ココロコネクト7 ユメランダム (ファミ通文庫)ココロコネクト7 ユメランダム (ファミ通文庫)感想
今回の五角形内の対立構造で面白かったのは、見ているもの、信じているものの違いだ。太一と唯はいいことをすることはいいことだ、と純粋に信じているが、それは彼らが助けをする人しか見ていない。対して稲葉は人ひとりの行為が与える影響も見えている。ある行為によって誰かが救われるということは、誰かが救われないということの裏返しでもあるからだ。それでも稲葉に欠けている「あえてリスクをとる勇気」を太一がつかめるかどうかが物語のキーにもなってきていて、太一個人の成長物語のひとつの成果として読むことができるだろう。
読了日:1月14日 著者:庵田 定夏,白身魚
ココロコネクト6 ニセランダム (ファミ通文庫)ココロコネクト6 ニセランダム (ファミ通文庫)感想
1年間の五角形の関係が下敷きになっているからこそ成立しえた巻になっている。新入部員2人の居場所の確保と五角形に加わるという承認はどのようになされるのかが鍵になると思っていたが、五角形を揺るがすことでこじあけようとする発想は悪くない。その上で、簡単に崩れない五角形と5人と2人という微妙な関係性を接着剤のように演出しているのは、能力を授けたふうせんかずらではなかったか。
読了日:1月7日 著者:庵田 定夏,白身魚
オモロマンティック・ボム! (新潮文庫)オモロマンティック・ボム! (新潮文庫)感想
安定の未映子節である。薄いし、あっというまに読んでしまった。楽しかった。
読了日:1月4日 著者:川上 未映子
ココロコネクト クリップタイム (ファミ通文庫)ココロコネクト クリップタイム (ファミ通文庫)感想
アニメの続きの展開が気になったので交流。本編で描かれなかった1年間の補完的な一冊なので大きな事件はナシ。桐山唯の初デートの回が個人的には好き。変わっていくためのきっかけは常に外部からもたらされるが決断するのは自分しかいないという、自明ではあるが難しい問題に向き合う彼女が安定のポジティブさも相まっていい。
読了日:1月4日 著者:庵田 定夏
両さんと歩く下町 ―「こち亀」の扉絵で綴る東京情景 (集英社新書)両さんと歩く下町 ―「こち亀」の扉絵で綴る東京情景 (集英社新書)感想
実家に帰省して昔集めたこち亀のマンガを読み返してたらこの本も一緒に置いてあったので何年ぶりかの再読。当時どう読んだのかはわからないが東京に住むようになった今は見知った景色も多く読んでいて楽しかった。
読了日:1月4日 著者:秋本 治

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松田青子『スタッキング可能』は近いうちにレビュー記事を投稿します。お楽しみに。
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