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日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 22日火曜日だったかの朝日新聞文化欄でアートアワードトーキョーなる展示会が丸の内の行幸地下ギャラリーという場所で開催されていることを知って行ってきた。(*1)地下ギャラリーってそもそもどっから入るんねんと思ってたらご丁寧に案内があって余裕で見つかりました。東京の地下ってすごいですねほんと。
 ちなみにせっかく東京駅近くまでいったのでそのまえに新橋のウインズに行きダービーの馬券を買ったのですが2,4,5着は当てたけどというたいへん惜しいけど残念な結果でした。まあ競馬とはそういうものですな。最近ちゃんと競馬見られてないし、有馬がマグレだったことを再確認。
 アートアワードトーキョーは毎年この時期に開催されているようで、各芸大の卒展と修了制作展から選んだ作品のなかからグランプリや各賞を決める、というものらしい。芸大の卒展とか学祭とか見に行くのは大好きなのでこれは行かねば、と思い行ってきた。
 見ていていくつか気になったのを撮りためてアルバムにしたのでどうぞ→http://pics.livedoor.com/u/burningday/album/182217

 もひとつこの開催を見に行こうと思ったきっかけはグランプリをとった東京藝大大学院修士課程の片山真理さんの作品に強く惹かれたため、である。







 会場では作品の写真がふたつと、写真の中身を再現するために散りばめられた様々な物が展示されていた。(*2)直感的に思ったのは、圧巻というよりワクワクという気持ちだった。きれいなような汚いようなものが雑多に膨大に並んでいるのは引く気持ちともっと見たい、という気持ちの両方を抱えているような感覚でもあった。
 プライベートな空間に、おそらくその部屋の主であろう女の子も作品の中にいる。女の子の部屋をのぞき見るような感覚にもなるが、散りばめられたものの膨大さとそのカオスさに人の部屋にしては非現実感も同時に感じてしまう。そういうアンビバレンスがさまざま混じってひとつの空間を構成している、というのが彼女の作品の醍醐味であると思う。男が見たからのぞき見る、という表現を使ったけど女性がこの作品を見たら思うことがまた違うかもしれない。

 朝日の記事によると幼いころから足が不自由で9歳のときに切断し、以後は義足で生活しているらしい。とはいえ、障害者としての自分というよりは素朴に足がない自分の身体性をどうやったら面白く表現できるか、というところに主眼があったような気がする。
 記事にあるとおり、あと俺がいろいろ妄想したように彼女の作品はとても物語に満ちている。その中で義足の彼女はあくまで等身大の女の子なんだろう。
 これから追いかけたい人がひとり増えた。卒展や修了制作展を見に行く楽しみのひとつでもあるが、彼女の表現にもっとわくわくしたい。

 他にも面白い展示はもちろんいくつかあって、東京藝大の梅村圭さんの作品は写真風の絵なんだけど人がぜんぶガイコツ、というようなもの。アイデアとしては珍しくないけどどれもコミカルだったので単純に面白かった。映像でインタビューも流れていて、確か路上で並べているみたいにしてみた、と言っていたような気がする。
 あとはムサビの椿崎さんの作品(下の画像)がいいなと思った。作品の縦に入っている線を檻に見立てるんだけど(彼女いわく動物の入るような檻。だがあんまり強くなくて、居心地のいい場所)絵自体は花びらの明るいところと森を思わせる暗くて深い緑が共存している様子に、不思議な感覚を覚えた。ちょっとした一工夫をいくつも重ねることで全然違うアウトカムになるんだな、と。



 最終日だったからかどうかは分からないが制作者の方々が大勢来ていて、ひとりずつ作品紹介するという場面に出くわしてとてもラッキーだった。馬券は外したけどとてもいいにちようびであった。
 
 
*1 リンクがいつまでもつかは分からないけどネットでも記事があったのでリンク貼っておく http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201205230274.html
 
*2 作品そのものではなく写真だったのは、彼女自身も作品になるという意味でパフォーマンス物だったからだろう。片山さんもこの日来場していて、話しかけようかなと思ったがタイミングが合わなかったのとおなかがすいてたので惜しいなあと思いつつも退散してきた、という小話。こんど機会があればぜひお話したいものではある、がはてさて。ほんとうはそれ以前にも藝大先端2012(公式サイトはなぜかリンクが死んでるがブログは残ってたので彼女の紹介ページを)という修了制作展に行けたらいくよてい、てはあったんだけどね。逆に言うと行けなかったけど改めて出会えてよかったのかもしれない。

追記:片山さんのサイトでも今回の作品についてのページがあるようなのでそちらも http://shell-kashime.chu.jp/2012/2012_02.html
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