Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 2月16日にブライアン・アダムスの日本武道館公演に行ってきました。7年ぶりの来日にして最終日ということもあって人の入りもなかなかだった。アリーナの盛り上がりに混じりたかったな、という気分。2日公演でこの日にしといてよかったなあというのは前日まで卒論が仕上がらず前日の夜に提出、という運びになったからでして。
 この日はまず午後に国立近代美術館で行われていたポロック展に行ってきたのですが(武道館からも近くだったし)これもこれで面白かった。現代美術には造詣がないので言葉足らずだけどポロックという画家の一生を追いかけるような展示だったのは見応えがあったと思う。次第に加速しつつ、迷走するという芸術家としての幸と不幸を両方味わえるというのは、画家という属人的な仕事を見ることの醍醐味でもあると思う。

 で、夜にブライアンです。色々書きたいことはあるけどまずは雑感から。
 客層だけどやはり全盛期を知っている40代〜50代がすごく多い。男女比は同じくらいかなあ。自分と同じ世代の人とか年下の人はほとんど見なかったような気がする。他の人の感想記事を検索しても60年代とか70年代生まれの人が多かったので、平成生まれの俺がそこにいるのはやはり非常におそれおおかったw 
 あとは外国人の人も多かった。そういう意味でもすげー場違い感も感じながら、定番とされる曲をガンガンやってくれたので盛り上がれた人は多かったはず。
 J-WAVEによると初日が26曲とやや多めだったけどほぼ同じセットリストで、2日目の16日も2時間少々、全部で24曲。(*1)ほぼ休むことなく飛ばし続けたのでこのボリュームで、たくましいオッサンだなあと思いながら2階の東あたりから見ていた。
 武道館自体まあやのバースデーライブ以来約2年ぶりで、ちょうどあのときと同じような場所だったんだけど比較的前のほうにいたので全体を見渡すことはできた。アリーナほどは盛り上がってなかったけど、はしゃいでたり口ずさんでる往年のファンの人はちらほらいてみんな熱いなーという感じで。

 2曲目の"Somebody"から合唱は始まっていて、最初のピークは5曲目の"Can't Stop This Thing We Started "
でした。ノリやすい曲だし、きゃんすとっぴーん♪は確かに盛り上がる。
 前半のヤマは10〜12の、"18 Till I Die"、"Back to you"、"Summer of '69"は曲のイントロがかかり始めるあたりで会場がものすごくわーわーと鳴っていた。特に10はアンセムのひとつでもあるし、盛り上がらないはずはないという感じだった。50をすぎてもこの曲をノリノリで歌い続けているところにたぶんベテランになったいまでもブライアンが人気であることの理由の一つであるはず。
 14の"I Do It For You"でちょうど真ん中折り返し。ここでしんみり聞かせたと思ったら15の"Cuts Like A Knife"でまたまた若々しい曲を歌う。後半は前半ほどのわーっという勢いはなかったけど、17の名曲"Heaven"とか、19の"Cloud Number 9"とか、じっくり聴かせる系の曲が多かったという印象。ラスト3曲はソロパートで、両日とも最後は"All for Love"でしめくくったらしい。毎回ここで締めるのかどうかはちょっと分からないけど、そろそろ最後だろうということはみんな感じ取っていたようで、ここはほんとうに大合唱だった。

 参戦した感想はすげー楽しかった。武道館自体2年ぶりだし、あんまり大きな会場に行くことはなくて年に数回あるかないか、ってところなんだけど、会場全体が見渡せる構造になっていたこともあいまってか高揚が目に見えるというのがめちゃくちゃ楽しかった。
 MCの回数はそんなに多かったわけじゃないけど、比較的ゆっくりとしゃべっていたのでだいたいのことは聞き取れた。日本のファンに7年間待たせてすまなかったとか、武道館はこれで22回目だとか、こっちもテンションの上がるような演出をしてくれるのはさすがだなっと思うところで。

*****

 さて、ここからがある意味本題なのだが80年代を代表するブライアンアダムスのライブになんで世代の違う俺が楽しみにして見に行ったのか、みたいな話をちょっとつらつら書いてみたい。自分語りなので興味のない方はすみませんw
 最初にブライアンを知ったのは小学校高学年のときで、当時公開されていた「Last Dream」というツクール95のフリゲがきっかけだった。このゲームにはブライアンの「Back to you」がテーマ曲としてmidiになっていたりだとか、「Heaven」が重要なシーンで使われたり、「Run to you」がボス戦のテーマになっていたりとどれだけ作者はブライアンが好きだったんだという感じのゲームだった。
 シナリオがSFと恋愛が入り交じった王道のロープレなんだけど、続編がふたつ作られ、さらにあらためて三部作としてリニューアルしたものがツクール2000で配布されるなど2000年前後からゼロ年代前半まで長い間楽しんでいたフリゲのひとつだった。
 
 なのでどちらかというとこのゲームで知った曲がキターという感じのテンションでライブも見ていた、というほうが個人的にはしっくりくる。出会いとはどこに転がっているものか分からないし、当時プレイしていた小学生のころの自分はまさか10年後に東京でライブを見ているとも思っていないだろうし、こういうのはたぶん幸せのひとつの形なんだろうな、と思っている。
 「Last Dream」とそのシリーズはツクール2000の三部作完成版である「Last Dream Trilogy」をもって正式な配布は終了している。そして2007年ごろに作者であるきよきよ氏が携帯ゲームへ移植する、という発表をもって(この話はBBSや日記などで事前から告知はされていたが)フリーゲームとしての配布は完全に終了した。(*2)

 かつて好きだったものをいまでも好きでいられるかというのはけっこう難しい。たとえばこの当時は浜崎あゆみを聴きまくっていたが、いまはもうほとんど触れもしていない。時代の変化もあるし、あたりまえだが自分自身も変化している。
 時代といえばあれだが環境は当然変化していくし、自分自身も変化していく。そのなかでもまだ好きでいられるものはきっとどうしようもなく好きなもの、なのかもしれない。ブライアンを毎日ガンガン聴いてる、というほどではないしライブで久しぶりに聴いた曲が多かったけどそれでも歌詞を口ずさめるのはなんだか不思議な気もしていた。
 新しいものをどんどん吸収していくのは好きで、あまり過去にはしがみつきたくないんだけど、それでも心が求めているようなもの、頭の片隅で眠っているなにか、を再認することができたのは面白かった。こういう日がたまにはあってもいいかな、と。明日も明後日も続いて欲しいとはなんとなく思わないので。ほら、かつて好きだったもの、に向き合うといろいろ思い出してはずかしいしね!

 それでもまあ、たまになつかしい気持ちになれるようにこれからも好きでいられたら素敵なのかなあと思っていた武道館公演でした。2年前のまあやのときとはまた違う多幸感に包まれつつ、九段下をあとにした。
 
*****

Set List(from J-WAVE、2012/2/16)
1.House Arrest
2.Somebody
3.Here I Am
4.Remember
5.Can't Stop This Thing We Started
6.Thought I'd Died And Gone To Heaven
7.Have You Ever Really Loved A Woman?
8.Hearts On Fire
9.Do I Have To Say The Words?
10.18 Till I Die
11.Back to You
12.Summer of '69
13.If You Wanna Leave Me - Touch The Hand(Unplugged)
14.(Everything I Do) I Do It For You
15.Cut's Like A Knife
16.When You're Gone
17.Heaven
18.The Only Thing That Looks Good On Me Is You
19.Cloud Number Nine
20.Run To You
21.There Will Never Be Another Tonight
22.The Way You Make Me Feel(Solo Acoustic)
23.Straight From The Heart(Solo Acoustic)
24.All For Love(Solo Acoustic)

会場:日本武道館
price:8500yen

*1 http://www.j-wave.co.jp/blog/eventarchives/2012/02/17/

*2 検索したら当時の告知文が出てきた。音楽の著作権周りの話も書いてある→http://kiyokiyo.es.land.to/modules/news/ そして、携帯への移植というのも検索したらでてきたのだが、グラフィックが違いすぎてちょっとこれはwという感じがせずにはいられない。とりあえずラファエルがイケメンすぎてだな・・・。やってはみたいが、という感じがする。とはいえフリーから始まりGREEに移植できたのはひとつのモデルなのかもしれない。参考までにこちら→http://www.4gamer.net/games/132/G013217/20110427004/
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