Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 余裕があれば今度まとめて書こうかと思いますがとりあえず先週でいんしは一段落して、いまのところ1校関西の大学院から合格通知をもらっている、という状況です。たった数日前まで受験生だったのかーと考えると変な感じ。もう学校始まってるしバイト再開もしてるし。要は日常が帰ってきてますね。
 8,9月は酷暑だったこともあり体力的にも精神的にも単純に辛かったですがまあでも夏休みじゃないとできない体験も色々できたし集中講義とか受験という名目だけど遠出できたのは楽しかったかもしれない。
 
 とりあえず、前の続き。奈良のあとにどうやって帰ったかですね。端的に書くと寄り道してました。受験がとりあえず終わったからいいものも失敗してたらこの期間の浮遊っぷりは謎ですね。
 奈良で解散したあとそのまま近鉄で今宮へ。環状線で天王寺あたりを経由しつつ某所で@gou_yokuさんとお会いしてました。この日お会いしたのは@tanaka_shinさんと@halyuki_rrrさんだったかな。関西に行った際はちょくちょくお世話になってますが、いつもありがとうございます(ぺこり
 研究の話やら激辛カレーの話とか、あとは世界陸上に出ている福島千里を愛でたりとか何だかよく分からないことをやりつつ過ごしました。ノスタルはいいお店ですね、また行きたいです。

 この次の日の昼過ぎごろから東海道線を10時間乗り継いで帰るという大移動が始まったんですが、意外とあっという間でした。たぶん何かが終わってしまうもどかしさや虚しさを抱えていたからかもしれません。
 コミケ経由で帰省のときは静岡あたりではほぼずっと寝てたんですが、今回は逆にほとんどずっと起きていて、本を読むか英語をするか、あとはぼんやり外の景色を見るかという旅行っぽいこともできたので楽しかったな、と。
 東海道線を鈍行で、はもう何回も経験しているけど思ったよりは飽きてないし全然耐えられるような気はしている。個人的な比較対象が夜行バスだからかもしてれないが、夜行バスは基本身動きがほとんどとれないし寝るのが基本なので何かを楽しむ余裕はない。それと違って電車の中ならスペースは場合によりけりだが(長距離移動なら始発〜終点間の乗り継ぎなので基本的に座れる。そう、米原ダッシュさえ成功すればね)もちろん寝ててもいいが、行為を選べる。ここの差は大きい。

 あと、電車の旅の場合はちょっとしたサプライズがあることも魅力だ(同時に、場合によっては知らんがなと言いたくなるのだが)
 今回の大阪→品川間だと米原ダッシュ後に歴史探訪をしてきたという老人ふたり組と軽く話をしたりとか、静岡地獄に入って近くにいた女子大生(*1)の読んでいる本が面白そうであるとか、熱海あたりで乗ってきて品川まで一緒だったギャルふたり組がすげーうざかったとか。まあ、そんな感じである。
 要は旅の小話になりそうなことが電車の中だけで味わえる、というのは普段の電車の中でももしかしたらそうであるように、単純に長い間乗ってるからなにかあるというお話でもある。夜行バスは安くて便利だがどっちかというと狭いスペースや眠れない夜、という苦しみとの闘いであるが、電車の場合座っていたら苦しみはさほど感じない。

 長い旅の終わりがほとんどイコールで8月の終わりだったので、俺の夏はここで終わった、じゃないが終わりの余韻は体感できたので区切りとしてはよかったかもしれない。
 大学に入ってから夏休みや春休みは長く続いてしまうこともあって、どうしても茫漠にしかとらえられない場合が多かった。今年の春休みは3.11の影響で3ヶ月以上あったので、3.11そのもので崩れてしまったリズムを修正しつつその後を過ごす、ってどうすんねん、と言いたい気持ちも強かった。お金ないし。
 とまあ端的に言うと俺は時間の使い方が下手なのである程度縛りの中から逆算的に時間を作り出すほうが、効率的なのだろうと思う。だらだらする余裕がないのは辛くもあるが、毎日7時台にめざめるというメリハリの利いた生活もまあそう悪いものじゃない。
 もっと言えば、とりあえず一段落した今これからにこそ、時間の使い方さえちゃんとできればなかなか充実した最後の半期が送れるのかもしれんな、とは思っている。まあ実際色々予定を書き出してみると余力があってないような感じなので頑張るしかないのだけれど、自分で生み出したことが大半なので消極的ではなく前向きに頑張れたらいいな、と思っている。

 まああと気づいたことと言えば自分が書いた記事を見返す回数が8,9月は増えてたことか。アクセスもそこそこあってめったにもらわない拍手も複数いただいたりして嬉しいかぎりなのだが、自分は自分でそこそこ見てるのもなんか面白いなあ、と。過去の自分が未来の自分を形作っていくんだね(キリッ と締めておきましょうか。
 それともうこれは改めて言うまでもないが、この5ヶ月〜半年ほどは突然の進路変更ということもあって色んな人と話をしたり、お説教されたり助言をもらったりなぐさめられたりということがあって、自分という人間がどういう風に見られているかを感じる機会が多かった。
 この期間に人と会うのはつらくもあり、他方で嬉しくもあったわけで、世話になった人たちにはしばらくの間頭が上がりそうにない。とりあえず想定していた最悪のケース(来年からNEET☆)が回避できる、というだけでも個人的には出来すぎていると思っている。もちろん、何かの終わりは何かの始まりなのでこれから精一杯挽回せねばならんわけだが。

 という感じで、なぜか3回シリーズになってしまったが2011年8月下旬の経験と出会いは忘れたくない、夏の一ページでした。ちゃんちゃん。
 

*0 第1回(夏の一冊編)と第2回(奈良集中講義編)もよろしく。

*1 静岡に静岡文化芸術大という大学があるのを今回初めて知った。文化系女子といっていいのか芸術系女子といっていいのかよく分からんがかわいかったです。
 
8月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2508ページ
ナイス数:20ナイス

これに『サマー/タイム/トラベラー 1・2』の再読を合わせると月9冊。今年通算92冊。


サマーバケーションEP (角川文庫)サマーバケーションEP (角川文庫)
読み返して思うのは、本当にただ夏の東京の午後を歩くだけということ。おおきな流れとして何かが起きてどこかへ向かうのではなく、とりあえずどこかへ向かっている間に起きた小さな出来事を多く拾いあげる。個々の物語の連続性はほとんどないのだが、街の特質を理解してないと書けないエピソードなんかも多くて読んでいながらフィールドワークができてしまうのは面白い。限りなくノンフィクションに近いような、フィクションなのかもしれない。
読了日:08月30日 著者:古川 日出男
天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)
本作の醍醐味はアウレーリア一統が追い込まれてからの展開だろう。何を発見し、どのような決断をするのか。ストーリーとしては大振りを見せつつもやや小粒な終わり方をしているが、他の方が指摘しているように今までをつなぎつつ、次に繋がるような期待感を持てた。
読了日:08月29日 著者:小川 一水
行政学教科書―現代行政の政治分析行政学教科書―現代行政の政治分析
読了日:08月29日 著者:村松 岐夫
ほしのこえ The voices of a distant star (MF文庫ダ・ヴィンチ)ほしのこえ The voices of a distant star (MF文庫ダ・ヴィンチ)
読了日:08月14日 著者:新海 誠,大場 惑
リトル・ピープルの時代リトル・ピープルの時代
前作がそうであったように、いかようにも批判することはできるだろう。それが意味を為さないとは言わないシある程度の批判は必要だが、この本が浮き上がらせた「父」という視点(本作の中でもやや語りきれてない部分はある気がするが)や、拡張現実をハッキングすることで社会は本当に変わっていくのか。つまり、外側への異議申し立てではなく内側から無限にバージョンアップしていく構造をどうとらえることができるのか。本作に与えられたそうした問いに関して議論を行っていくのは一定の意味があるんじゃないかな。
読了日:08月09日 著者:宇野 常寛
政治学のリサーチ・メソッド政治学のリサーチ・メソッド
前半はベタだが基礎的なことから仮説の作り方、論証の方法のバリエーションなどを紹介し、ポパーやラカトシュといった科学哲学の領域まで一気に駆け上る。後半は事例研究や実際の論文の書き方までが実践的に紹介されていて読み応えがあった。全体として長くはないものの収まりがスッキリしているので、手元に置いておきたい一冊。
読了日:08月08日 著者:スティーヴン・ヴァン エヴェラ
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
前回ちゃんとのみこめなかったので再読。大きな物語無き時代だからか、設定にあるような壮大さはほとんど展開されない。繰り返される”ぼく”の自意識と、ルツィアという魅力的で孤独な女性と、ジョン・ポールという非道さを感じない殺人者との、ほんの束の間の出会いと別れ、を描くこと以上のことは、本当はしてないのかもしれない。ただその3人の語りから醸成される個々の物語や哲学性に、何かこう言いしれぬ感慨があるのも事実。終末論のような、そうじゃないような。
読了日:08月08日 著者:伊藤 計劃

読書メーター
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット

トラックバック