Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 明日からいよいよ新学期です(訳:金曜日はサボりました。2コマだし初回だから許せ
 3ヶ月を超えるヨーロッパもびっくりの長期休暇はおそらく今後失業でもしないかぎり訪れないと思うけれど、3.11以後は思考のベクトルがかなり偏ってしまったし、自分自身についてどれだけ真摯に過ごせたかなあと思うとなんとも言えなかったりする。
 まあ、それでも明日はやってくるのだから、また明日から頑張りましょうというありきたりな結論にとりあえず落ち着けていこう。2つ前の記事で軽く総括はやっているし。

 最近は1日にM3に初めて参戦。人の多さにびっくり。ボカロ界隈がすごかったみたい。東方もかな。
 回ったサークルの人たちが口々に「今日は人がかなり多い」と言ってたのでよっぽどだったようだ。ただ、歩きにくいほどの混雑は一部のみで、それ以外はスムーズだというのはまあどのイベントにも共通することであって、有名サークルは強いですねというお話だ。
 そんなところにせこせこ行く人がメジャーはクソ、とか言ってたら笑えるけどね。
 その後の3連休はこもって読書、もしくは自転車で遠出してみたりなぜか。20キロ走行とか楽しいですね、行動範囲が一気に広がった感じがした。西東京と埼玉の近さを改めて感じたし、埼玉の県境の郊外感ぱねーと何度も思っていた。

 そして、7日。渋谷のデモに参加してきた。先月の10日の高円寺や30日の渋谷にも行こうと思ってたんだが体調が悪かったり都合がつかず。
 7日も若干出遅れた感はあったのだが、さも当然と渋谷スクランブル交差点あたりでデモに合流して区役所前のゴール地点まで歩いてきた。
 そうして渋谷に向かう電車の中で読んでいたのがなおちゃんさん(@lee_mellon)の記事

いじわる言ってみる―これ以上のばかにならないために
 彼女の文章はずっと面白く読んでいて、彼女のように「頭の良い人」が「素直」に文章を書くということが俺の場合はなかなかできていなくて、気がついたら説明的になっているところがあるのがたまに歯がゆい。
 過剰に気にする必要は文体の違いもあるしないだろうけれど、伝えたいことをまっすぐ伝えるって大事だよね、と思っている。
 今回読んでいて印象的だったのが
 
 
 「なんかおかしい」という気持ちを表明することに異論はない。私みたいに、この事故で初めて意識した人だってたくさんいるわけでしょう。
 ただ、その「なんかおかしい」という集団の気分が「東電あやまれ」みたいなことばに回収されてしまうのは、私は受け入れられませんでした。

 
結局、ぜんぶぜんぶかやの外だよなあ、と思ってしまう。普天間も、伊達直人も。安全なところにいる私たちは、その安全な場所から、たくさんある問題に優先順位をつけてしまっている。
 それ自体は構わない。でも、いっときだけ盛り上がって、そのうち忘れてしまうのは、まちがっていると思う。私たちが見なくなっても、当事者にとって問題だったら、その問題は続いている。


 この文章を読みながら、それでも忘却させないと思っている人たちが渋谷に集まっていて、たとえ運動が長い時間かけて収まっていっても彼らの脳裏には残っていてほしい、とは思っていた。
 もしくは、誰かが忘れてしまっても昔こんなことがあったというだけで意味は違う。津波てんでんこ(*1)、みたくね。
 普天間の時も尖閣の時もそうだったが、熱はいつか冷める。冷めてしまえばあとは完全に他人事だ。そんなことならば初めから熱など持たなければいいとすら思うが、なかなかそうはいかない。
 最近の報道も新聞はまだ3.11以後の社会を伝えようとしているように思うが、テレビは既に忘却してしまっているようにも思える。NHKが「再起への記録」(*2)という膨大な記録集の一部の公開を始めていることが数少ない救いにすら思える。
 6日の夜にTOKYOFMのある番組に報ステで3月までコメンテーターを務めていた朝日新聞の一色清が出ていた(*3)のだが、そこで彼が「3.11の最初の一ヶ月は新しい日本の絵を描こうとするムードがあった。だが最近はまた日常に戻りつつあって政治も政局の足の引っ張り合いになっている。(中略)前を向くことと力を合わせることができていないのが残念」と言っていたのが非常に印象的だった。
 マスが忘却するから個人も忘却するのか、もしくはその逆なのか、単にマスも個人も興味が移り変わるだけなのか(今は富山のユッケ騒動か)は分からないが、きっと今の熱もいつか失われてしまうのだろう、という気持ちはぬぐえない。

 こんなことを思いながら参加したデモの感想を少し。それでも参加するのは参加してみないと体感できないことが多いからで、実際そうだった。いつか消えてしまうとしても、熱を目撃する価値はあるだろう。
 あとから気づいたのだが数人ほど防護する警官ともみあったとかで拘束されたらしいのだが、俺の歩いていたグループ、ちょうど1番最初のサウンドカーの列を歩いている感じでは警官にケンカをふっかけたり、逆に警官が過剰に制御したり、という空気はなかった。
 実際に歩いていて興味深かったのが通行人の目線だ。ある人からデモは演劇のようだ、という話を聞いたのだが、確かに楽器や衣装でどんちゃんとパレードのように騒ぎながら道中の注目を集めていく様子は、一種のパフォーマンスには違いない。

 「楽しい」というと不謹慎に思われるかもしれないが、デモは祭のようなもので楽しさも重要な価値だろう。シュプレヒコールを挙げて党派的な主張を繰り返すことだけがデモだとは思わない。
 自分と同じように渋谷の沿道から合流したり、逆に沿道に脱けて行く人もいた。こういう参入退出の容易さもあっていい。人の数が集まればそれだけでインパクトはある(*4)し、言いたいことを言いたい人が歩くだけでもないのだから。
 特に、熱を失わないためにはデモの楽しさも、多様さもあったほうがいい。分散しすぎると一つ一つのインパクトには欠けるかもしれないが、時間が経っても関心があることをアピールすることはできるだろう。
 渋谷で歩いたことで多くの若者の注目を集めた(シラケもかなりあっただろうが。うぜーという声も聞こえたし)ことは歩いていて感じた。交差点でみなが立ち止まってデモ行進を見ていた光景は、カオス空間の渋谷にしてはなかなか壮観でもあった。あるいJCが「なんで警官が手伝ってんの」と言ってたけど道路を勝手に歩くためには手伝ってもらわないとできないからね。ちゃんと覚えておきましょう。

 こんな感じで熱気をひきずったまま新学期!で大丈夫なのかどうかは分かりません。まあ、大丈夫っしょ!
 ということで今日の一曲。ラヴリーPさんの曲をはっぴーが激しくアレンジ。GJ

破P「僕、新生活が不安です。いや全然大丈夫っ(ry」



*0 7日のデモに関するホームページは多々あるが、いくつかピックアップして載せておく。
公式 http://57nonukes.tumblr.com/
イルコモンズのふた(まとめブログ?) http://illcomm.exblog.jp/13536948/
5.7原発やめろ渋谷デモ(映像) http://www.youtube.com/watch?v=l-jc6gYkvqY

20110507東京反原発デモ逮捕者なう #57NONUKES http://togetter.com/li/132726
朝日新聞(2011年5月8日) http://www.asahi.com/special/10005/TKY201105070547.html 

*1 ウィキペディア先生に詳しい。今回の津波のことも少しだけ載っている。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%A5%E6%B3%A2%E3%81%A6%E3%82%93%E3%81%A7%E3%82%93%E3%81%93

*2 概要はこちらに詳しい(PDF) http://www.nhk.or.jp/special/pdf/nhk_hisaiti.pdf

*3 まだアップされていないが近いうちにポッドキャストとして落とせるはず http://www.tfm.co.jp/jinji/

*4 残念ながら7日のデモでは全体が10を超えるグループに分断されていて、自分がゴールしたのは16時ごろだったが20時ごろにゴールしたグループもあった。つまり全体としてのインパクトは、たとえばエジプト革命で起きたような圧倒さはなかった。参加した自分からしても全体で何人くらい集まっていたのか分からないし、主催者発表の1万5千という数字は少し大きく見積もっている印象がある。
 参考までに
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