Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 なんとなく過去を振りかえってみたくなった。端的に言えば色恋に関して。もっと広げて普遍的なことを書こうとしたけど長くなってまとまりそうにないので、今回は色恋に限定することにする。
 過去のソレとどう向き合うか、というよりは、今現在から過去のソレをどうとらえなおすか、という感じで書いていきたい。

 そこで。このブログでも3,4年前は何回か登場した”彼女”(参考:http://blog.livedoor.jp/burningday/archives/50677147.html)を久しぶりに取り上げることにする。
 ”彼女”がこれを読んでいることはないと思うので気楽に書いていこうと思うのだけど(もちろん罵倒などはしません)正直言えば、今でも良く覚えていると言っていい。去年好きだった人のことよりも、はるかに鮮明に覚えている。アナログでつけている日記にはもうどうしようもないくらい鮮明につづってあるからかもしれないが、文章でつづられている以上に”彼女”と過ごした時間の鮮やかさがイメージとして焼き付いているから、と言っていいと感じている。
 もっと具体的に言えば、出来事の積み重ねとして、ではなく明確な記憶を、一枚一枚刻むように、覚えているとでも言えばいいのかな。いやなんかこう書くと詩的になりすぎるけど、詩的にしたいくらいの出来事でした、とも思ってる。とか、あれこれ書くと変態乙としか言えないのでこんな感じでやめておこう。

 今でも鮮明な理由。理由はシンプルに、もう戻れないから、だろう。時間の不可逆性は言うに及ばずだが、あの頃の感性を取り戻すことはもう無理だ。
 だから今”彼女”に再会したとしても、あの頃ほどの感情を持って接することはおそらくないだろうと思っている。もちろん今は今抱くことの出来る感情で接することは可能だとしても、それはかつての抱いていたものではありえない。
 この歳になって、これから歳をとっていく中で洗練されていくものはあるだろうけれど、取り返せないものが自分の後ろに着実に積み上がっていくということ。
 それ自体は特に何とも思わないのだけれど、何かの機会に過去と向き合わなければならなくなると、どういう心持ちで接して良いのかが分からなかったりする。時間的な断絶が長いほど、変化を感じ取ることができないわけで、その変化を確かめるのが面白いと思えるようになれればいいな、と考えたりもする。当面の目標はそんな感じ。

 ”彼女”の話に戻ると、たとえば「秒速5センチメートル」で貴樹が明里に対して持っていたイメージとかなり近いものがあって、次の恋愛には進めるけど、決して忘れてしまうことはない。
 貴樹がどう思ってたかは細かな部分は分からないとしても、明里と過ごした時間の唯一無二の感覚をずっと抱えていたのは確かだろう。あっという間に忘れてしまっていたなら、大人になってからの恋愛があれほどに空虚になることもないはずだ。あるいは、抱えこみすぎたことの弊害として、だろう。
 さすがに俺は貴樹のようには抱え込むつもりはないのだけれど、抱え込みたい気持ちは分かるのだ。過去にこだわりすぎだとか、中二病だと言われようが、どうしようもないものはどうしようもない、という破綻した理由を以てね。

 自分のことに関して言えば、”彼女”のことを忘れてしまったら、”彼女”とそれを取り巻く想い出の数々まであっという間に忘れてしまうんじゃないかという危惧があるからかもしれない。修学旅行が楽しみだった夜(彼女は急な熱発で来られなかったんだけど)、初めて一緒に帰った日、遅くまで教室にふたりして残っていた日(いちおうまじめに勉強してたよ!)や交わした会話の数々。誕生日おめでとう、の言葉は誰よりも嬉しかったしなあ。などなど。
 まだまだ未熟で、何も知らなかったころの想い出は、今後絶対にもう得られるものではないから。大学に入って得たものとは全然違う価値というか、唯一性があるような、そういう気がしている。戻れないことの価値は当時の俺が感じていた以上に、おおきいらしい。 
 特に恋愛におけるいくつかのステップを経験してしまったあとは、それを経験しなかったころの恋愛がひどく特別なものに思えてならないのである。貴樹が大人になって得た空虚感もそういうところに由来している気が個人的にはしている。形式的にリア充になったとしても、それ自体が幸せに繋がるわけではないし、先に進めば進むほど遠くなる過去がいとおしく思えてしまうんじゃないだろうか、と。
 自分自身としては破綻してしまわぬよう、”彼女”とその記憶と向き合っていきたいと思っている。それでもたぶん、時々はどうしようもなく懐かしく思い出すのだろうなあとは思うけどね。とりあえず、あゆんこさんの書く詩が好きだと思える間は貴樹のようになることはおそらくないと思っている。甘酸っぱい恋も面白いと思うし、身をすり減らすように誰かと抱き合うなんていうのも詩的でいいよね、と思えるくらいには歳を取っている。

 あとはまあ、今後も大事に抱えていける想い出を持っている分には、生きていくのは面白いかもしれないとは思うけどね。持っていないよりは、はるかに。

 もう会えないことよりも、出会えたことが嬉しい

 なるけみちこがそういう歌詞をつづっていたように、ね。

 
 最後になるけどあと1人、10代のうちに出会った人のうち忘れられない人がいる。彼女のことはまた別の機会で触れることにしようと思うが、高校時代の”彼女”とは会おうと思えば不可能ではない(同窓会とか)が、ここで挙げる彼女とはもうおそらく、会えない。
 そのことだけが忘れられない理由ではないのだけれど、出会ってから別れるまでの時間が楽しかったこと、それと過ごした時間の短さ、かな。主立った理由は。
 まあ、そんな感じで今年から20代になったということもあって、自分が歩んできた10代という時間をゆるゆると振りかえる機会がまたあるかもしれません。これぞ自己分析(ちょっと違


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坂本真綾「ハニー・カム」

最近ちょっとハマってる1曲。恋の初期衝動のような、何かが始まりそうな気配を感じさせる強烈な明るさがいい。
上に書いた2人を最初に意識し始めたとき、ってたぶんこういう感覚だったんだろうなあ。いやあ、若いっていいねえ(←

 
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