Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 せりなさんの掲載176作目「cherry blossoms signal」の冒頭を引用

あの頃より 大きくなったかな

まだ桜前線は この街に辿り着かなくて
あなたは 残念そうに 笑った
あたしは 桜が咲かなくてよかった と
声は出さずに ただ 曖昧に相打ちをしてた
でもあたしの瞼の上は 桜色 で 踊ってる

あなたの行く場所に あたしは居なくて
ふたりで見つめる景色も 何も ないんだろう
あなたの行く場所を あたしは訪れた事がなくて
共有出来る 想い出も なくなるの


 この詩のコンセプトが最近俺が書いた詩に似ていることに読んでいて気づいた。後半に”明日も明後日も”っていうフレーズがあったりするし。ほんとたまたまで、この詩を読んだのは久しぶりなので真似したとかはもちろんなくて、似たような経験を俺よりもはるか昔にしていたのだろう、としか言えない。
 2005年の対談のときにこの詩のことにも触れているんだけど、せりなさんの春の詩は白眉が多いと思う。彼女のタッチは不安定な心情を描写するのに適していると昔から感じていて、春は精神を不安定にするから結果的に良作が生まれるのだろうか。
 せりなさんは掲示板上でも年齢は明かさなかったように(俺は後から聞かせてもらったが)対談でも「ゼロから読んで欲しい」と言ってるのは印象的で、趣味として書くこと以上に発表者としての意識が強かった人だと思っている。俺みたいに読んでもらえれば万々歳とは言ってられないような。それが2006年以降のある種吐き出すような勢いにも繋がっているかもしれない。書きたくなくても書いているような時期だったんじゃないかなと個人的に思ったりする。
 今はほとんど音信不通状態なんだけど、先月のようにひょっこり詩を書きのこしていったりするからそのたびにちょっとだけ安心する。書くことをやめてないということと、彼女がどこかにまだ存在しているということを。後者は大げさだが、前者は素直に嬉しい。それでもいつかは筆を置くか、ここにわざわざ来なくなるかもしれない。というかサイトのサーバーが変わったから余計にその可能性は高まったと言える。

 桜と言えば神田川の桜もいつのまにか立派な葉桜に変わっていた。季節の移ろいは早い。最近の気温の高さといい、夏が近づいているような気さえする。
 今週もバイト週四頑張りまっす。来週は帰省するからね。一週間のお休みですよ、イエイ。

読了
『Op.ローズダスト(下)』福井晴敏
今年22冊目。そういうラストを選んだか。とりあえず、東京で盛大にドンバチやってみたかったっていうのは分かります。にしても福井の書く女性(というか少女か)はタフすぎるよ。留美と言い恵美と言い、堀部三佳と言い。存在感が際だちすぎ。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット

トラックバック