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日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 今更かも知れないがこういうテーマで書いてみようと思う。元受験生ブログとして、でもある。というかそうだからだ。今でも進研模試やらで検索してこのブログの過去記事にアクセスされたりすることがあるので、今更でも書いておいて損はないだろう。
 もちろん自分のためでもある。文章を書くために今まで自分がどういうことをやってきたかを振り返って整理することが出来るし、これからもテストというものはあるので損になることはない。よって参考書分析に陥るつもりはないし、さして参考書マニアでもなかった俺にそんなたいそうなことはできない。暗記、というテーマだけで書けるだけ書き連ねてみようと思う。

 暗記、というのは文系理系問わず基礎的なことであり、理系にとっては応用のためには必須事項と言ってもいいだろう。数学では自分がいくつ手持ちの方法を持っているかで大きく差がつくときもあるだろうし。文系にとっては国語で言えば漢字や語句、英語で言えば単語と文法事項に始まり社会は暗記それ自体が勉強のようなもので私文の人にとってはひたすらこの繰り返しと演習に尽きるのではないかと思われる。そして受験が終了したとしても大学に入ったらまた覚えないといけないことが山ほどある。前後期のテストは高校までの定期テストとは違うものが求められるが、それでも暗記は必須事項だ。覚えないとそれ以上の論述はまずできない。
 何をするにもまずは暗記から始まると言ってもいいかもしれない。感覚も大事かもしれないが残念ながら感覚では問題は解けない。少なくとも感覚で解ける問題を受験の問題にはしないだろう。日本人が英語を感覚でやろうというのはそもそも無理な話で、それができたら誰も英語など語学に苦労しない。楽して身に付く、などという呼び込みの本や英会話教室などは枚挙にいとまがないが、語学に関してはむしろ自分が苦労した分だけ結果的にはねかえってくるような気がする。楽しようと思っても、それほど身には付かないのではないかと。
 まあそれはいい。まずはどうやって覚えるべきなのか、から書いていこう。

 とりあえず教科書に書いてある事項を暗記するとしよう。社会科の科目や理科では生物や地学と言ったどちらかと言えば単純暗記ものの教科書をイメージされたい。覚えるべき単語や概念があふれかえっている中、どうすれば効率よく確実に覚えられるのか。
 選択肢としては読んで覚える、書いて覚える、英語の場合は聞いて覚えるの3つが主に挙げられる。
 まず読んで覚える、だが書くとか聞くとかという行為をせずにただ読むだけなので比較的楽なほうだ。時間さえあれば電車の中やトイレ・風呂などの中でもできる。欠点としては読んで覚えた気になってしまうことだろうか。英語の例文暗記にはこの方法は最適だが漢字の立ち並ぶ日本史や国語の漢字の暗記には適さない。少なくとも白紙の状態から、においては適さない。この方法が本当に適すようになるのは一通り通読して、確認のためにページを開く際だろう。俺の日本史の場合がこうだった。ただ最初から読んで覚えたわけではもちろんない。

 ふたつめ、書いて覚える。日本史や生物といった用語をとにかく積み重ねて覚えていく場合、それらの用語を関連性を伴って覚える場合はこの方法が最適だったと思う。初めて見た言葉はひたすら紙に書いた。何回も何回も。小学生が漢字ノートに漢字を書き連ねていくように、覚えてしまうまで。また、一度に覚えたいと思う範囲を限定していたのがよかったのかもしれない。一気に全部やろうとするよりは少しずつ確実にこなしていくのがベターだと思ったためだ。また、週一で日本史の用語テストがあったためそれに合わせるためにこの行為をコンスタントに続けていたことが成果に繋がったと思っている。
 日本史や生物に関してはまとめノートなるものを作る人が多いと聞く。進研ゼミの冊子でも推奨されていたが、俺はほとんどこの行為をしなかった。必要性がなかったというのもあるが、時間の無駄だと思っていたからだ。いちばん最初に書いて覚える際は書くと言う行為だけに集中すればいいのであり、綺麗に書く必要はない。俺が書いていたのはなんでもない紙の裏側で、一通り書き終えると大抵はゴミ箱に直行していた。それで自分の頭の中に入ったならそれでいいと思うからだ。それに、二回目以降は教科書なりを見て覚えればいい。ここで初めてひとつめの方法が生きてくると俺は思う。
 まとめノートの効用を否定はしない。頭の中でごちゃごちゃしていることを可視化できるのはいいことだろうし、日本史の年代並び替えのような問題対策のために年表を作るのも別段おかしなことではないと思う。ただ、俺はこのための時間をほとんど割かなかった。このための時間を割くくらいなら問題演習に当たったほうが練習になるし、そこで間違えた問題を改めて思い出すというフィードバックができることもメリットだと思っていたからだ。”ほとんど割かなかった”というのは少しは割いたということで実際俺も当初はまとめノートを作る気でいた。ただ途中で不必要に感じた。それだけだ。結局ノートには10頁も満たない内容しかなくて、その中身は4c〜6cの古墳の特徴をまとめたもの、テスト対策のために朱子学の学派を書き出したもの、江戸の三大改革の特徴を比較したものや明治初期の文学のまとめくらいだ。俺の中でも苦手中の苦手という分野の話であり、また三大改革はよく問われるため整理しておいて損はないだろうと書き連ねたところである。全分野で同じことをやろうとは到底思わなかった。やってたとしても途中で断念しているだろう。ただ、時代の流れの把握やテーマ史の整理は大事なのでそこは山川の『流れの分かる日本史Bノート』と同じテーマ史編の2冊で代用した。テーマ史をやり始めたのが高三の夏頃、本家流れの分かるノートをやり始めたのは秋だったと思う。このあたりは完全に直前の詰めのためにやっていた。もちろん全て解いたわけではなくて苦手なところと特に重要なところだけだけど。
 以上より、時間のない人こそ効率を意識して暗記に励むべきだと思う。『東大生のノートはかならず美しい』のような本とは正反対の立場ということで。第一ノートが美しいっていうのは思考を整理するために結果的に美しくなったのであり、それ以上のものではないと思う。綺麗に書くことが自己目的化しても意味はないだろう。また、時間のない人がノートに時間をとられているといつまでも先に進めない。少しずつでも確実に、が大事だと思う。昨日覚えたことは今日も明日も確認して忘れない。このあたりの心がけは英単語や古文単語にも生きてくると思う。

 みっつめ、聞いて覚える。俺が聞いて覚えたのは英作文対策の例文暗記くらいだ。使ったのは駿台文庫の『英作文300選』で、薄いが中身は濃くCDつきということでネットの知人に紹介されて使用した。大学で英作文を本格的にやるようになったときも少しだけ役に立った。
 英語の話で進めるが、この際もただ聞いて覚えるのではなく自分がCDのあとにリピートして例文を読み上げることが大事。最終的には例文を覚えてしまえるように、それだけの量をこれもまたとにかく繰り返す。少しずつの積み重ねを続けていく。これを寝る前の10数分で俺はこなしていただけだがそれでも力にはなった。ただ聞いて読むだけが何、と思う人もいるかもしれないが試してみれば分かる。ただし根気が必要。あとフラッシュメモリー内蔵型のプレーヤーがあれば移動中やその他空いた時間にできるのでなおいいだろう。iPod隆盛のこのごろなのでぜひそれを活用されたい。
 やってみたら良さが分かると書いたが、俺が感じた良さは文章の構造が早く把握できるようになることだ。こういう文章にはこういう動詞が使われる、だとかこういう訳され方をするだとか。ただ単語を知っているだけでは文章は書けない。だから文章も基本的なものを覚えてしまえば、あとは自分の知っている文章をアレンジして問題となっている文章に英作文すればいい。それと聞いて覚えるの副産物としてはリスニングに強くなること。単純に英語耳が出来上がるというのがあるが、文章構造が分かるようになってくればリスニングの会話がどういう流れになっているのかも分かるようになる。時間はかかるかもしれないが、極めればそういうのも無理ではない。

 というわけでみっつの方法と俺の経験を交えて書いてみた。結局は君に合う方法を見つけてくれればそれでいいのだけれど、それが行き詰まったときだとかそもそも暗記が苦手でどうやったらいいか分からないという人は参考にしれいただければと思う。あくまでも参考までに。こうやれというのではもちろんないので。
 どれだけの期間続ければ結果が出るか、というのは分からないし人によるだろう。ただ確実に数をこなせば暗記ものはそれなりに結果が出るということははっきりしていると思う。覚えないと結果が出るわけがないのでね。
 時間のないときこそ暗記を。効率を考えて。そうしてセンターまでのラスト一ヶ月でグンと点が伸びるなんてことも無理じゃないし実際周りでそういう人を見てきた。今から来年の入試まではいくらでも時間がある。そう簡単に成績は伸びるものじゃないしいいときと悪いときの落差は当然あるだろうが、続けることに何より意味がある。勉強とはそういうものだと思う。オシムは人生勉強に終わりがない、なんてことを言ってた気がするがまあそういうことだ。
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