今読んでる辻村深月『子どもたちは夜と遊ぶ(講談社文庫)』に次のような台詞があった。
「現状が不満だと言っても、いくらだって犯罪以外のやり方があるわけでしょう?
世間を恨みに思う。一言でそういってしまうことは簡単ですし自由ですが、彼らがそこで抑圧され、世間を憎む必要があったとは思えない」(上 p482)
秋葉原の事件があった中、奇妙なタイミングでこの小説を読んでいたと思う。文庫化が先月なんで、最近読んで同じことを考えた読者はいるだろうね。この小説に限らず社会派のミステリ読みなら、小説の中で語られてきたことが現実に(しかも俺の場合はこんなにも近くで)起きることに驚く。驚くのだけど、読書を通じた経験があるからある意味では受け入れられる。いや、現実と読書は全く別ものだけどね。少なくとも俺は、”現実でも”起きてしまったかと思う。現実は小説を超えられないと思うところがあるので、現実が小説に追いついてしまった、という実感が強い。
今回の事件に関しての今のところの感想は。犯人の被害妄想の強さとコンプレックスの偏向を感じる。彼と同じような気持ちを抱いている人間は山ほどいる。当然いい意味ではなくて、だけどね。だから彼らは苦しみながら生きている。逆に言えば、生きることはそこまで楽ではない。
そういう彼を受け入れなかった社会が悪いと言う以上に単純に、外に開こうとしなかった彼の性格の不幸だとも思う。その不幸が他人の命を奪うというのは何ともタチが悪い。動かなくなった中年男性に馬乗りになってメッタ刺しし、21歳の女性を平気で刺し殺す心情は理解できない。そういう現実があることは理解できるけどね。
大学生が4人連れで遊びに行って、そのうちの2人の目の前で2人が死ぬという現実は痛すぎる。またその2人の死を目の前で見たトラウマという、その不幸を思いやっても思いやれない。
こういう事件が起きるとまた死刑要求が盛り上がるんだろう。廃止論者の思う以上に、日本の死刑待望論は根強いと思う。マスコミが世間を煽る限りは、少なくとも。
法学の授業でも触れられることになると思うんだけど、法律は被告に刑罰を与えても必ずしも被害者を救わない。ましてや人を殺したから死刑になるという、ハンムラビ的な論理の飛躍は法律の世界では多分出来ない。そのあたりが難しい。いや俺は死刑維持派なんだけどね。裁判員制度が来年から始まるようだけど、こういう微妙な量刑の判断を俺ら法律素人ができるとは思えない。一般人の感覚で判断しては必ず過ちが起こる。こういう議論がもっとされるといいと思うんだけどね。
それにしてもユーロのオランダ対イタリアは面白かった。トータルフットボールとまではいかないまでも、2点目3点目は視野の広さと運動量がいかに大事かと思わされた。オランダらしい、ワクワクさせる展開で楽しかった。生で見ていたらもっとエキサイティングだったろうけどね。
フランスは決定力不足の感が否めなかったんで(アンリはシーズン終盤出場機会減ってたし)ルーマニアとの引き分けはうなずける。ドイツのときに勝ち上がったことが半ば奇跡だった感もあるわけで、さあこれからどうなるかな。もうジダンはいないぜ。
あとガイアの夜明けで物価高関連でさぬきうどんがとりあげられたのも面白かった。さぬきの夢2000が改良されていたとは思わなかったよ。
高松港懐かしい、さぬき弁なつかしい。「さぬきの朝はうどん。昼もうどんやけどな」という言葉に頷きたくてたまらないw帰省したらうどん屋巡りしようと思いました。って、旅行客と変わらん(
読了
『峠(下)』司馬遼太郎
『蒲公英草紙』恩田陸
『子どもたちは夜と遊ぶ(上)』
今年15,16,17冊目。そろそろペース上がってきたかな。やっとこさ。
「現状が不満だと言っても、いくらだって犯罪以外のやり方があるわけでしょう?
世間を恨みに思う。一言でそういってしまうことは簡単ですし自由ですが、彼らがそこで抑圧され、世間を憎む必要があったとは思えない」(上 p482)
秋葉原の事件があった中、奇妙なタイミングでこの小説を読んでいたと思う。文庫化が先月なんで、最近読んで同じことを考えた読者はいるだろうね。この小説に限らず社会派のミステリ読みなら、小説の中で語られてきたことが現実に(しかも俺の場合はこんなにも近くで)起きることに驚く。驚くのだけど、読書を通じた経験があるからある意味では受け入れられる。いや、現実と読書は全く別ものだけどね。少なくとも俺は、”現実でも”起きてしまったかと思う。現実は小説を超えられないと思うところがあるので、現実が小説に追いついてしまった、という実感が強い。
今回の事件に関しての今のところの感想は。犯人の被害妄想の強さとコンプレックスの偏向を感じる。彼と同じような気持ちを抱いている人間は山ほどいる。当然いい意味ではなくて、だけどね。だから彼らは苦しみながら生きている。逆に言えば、生きることはそこまで楽ではない。
そういう彼を受け入れなかった社会が悪いと言う以上に単純に、外に開こうとしなかった彼の性格の不幸だとも思う。その不幸が他人の命を奪うというのは何ともタチが悪い。動かなくなった中年男性に馬乗りになってメッタ刺しし、21歳の女性を平気で刺し殺す心情は理解できない。そういう現実があることは理解できるけどね。
大学生が4人連れで遊びに行って、そのうちの2人の目の前で2人が死ぬという現実は痛すぎる。またその2人の死を目の前で見たトラウマという、その不幸を思いやっても思いやれない。
こういう事件が起きるとまた死刑要求が盛り上がるんだろう。廃止論者の思う以上に、日本の死刑待望論は根強いと思う。マスコミが世間を煽る限りは、少なくとも。
法学の授業でも触れられることになると思うんだけど、法律は被告に刑罰を与えても必ずしも被害者を救わない。ましてや人を殺したから死刑になるという、ハンムラビ的な論理の飛躍は法律の世界では多分出来ない。そのあたりが難しい。いや俺は死刑維持派なんだけどね。裁判員制度が来年から始まるようだけど、こういう微妙な量刑の判断を俺ら法律素人ができるとは思えない。一般人の感覚で判断しては必ず過ちが起こる。こういう議論がもっとされるといいと思うんだけどね。
それにしてもユーロのオランダ対イタリアは面白かった。トータルフットボールとまではいかないまでも、2点目3点目は視野の広さと運動量がいかに大事かと思わされた。オランダらしい、ワクワクさせる展開で楽しかった。生で見ていたらもっとエキサイティングだったろうけどね。
フランスは決定力不足の感が否めなかったんで(アンリはシーズン終盤出場機会減ってたし)ルーマニアとの引き分けはうなずける。ドイツのときに勝ち上がったことが半ば奇跡だった感もあるわけで、さあこれからどうなるかな。もうジダンはいないぜ。
あとガイアの夜明けで物価高関連でさぬきうどんがとりあげられたのも面白かった。さぬきの夢2000が改良されていたとは思わなかったよ。
高松港懐かしい、さぬき弁なつかしい。「さぬきの朝はうどん。昼もうどんやけどな」という言葉に頷きたくてたまらないw帰省したらうどん屋巡りしようと思いました。って、旅行客と変わらん(
読了
『峠(下)』司馬遼太郎
『蒲公英草紙』恩田陸
『子どもたちは夜と遊ぶ(上)』
今年15,16,17冊目。そろそろペース上がってきたかな。やっとこさ。
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