これまでのあらすじ:法務省専門職員(人間科学)と自治体福祉職の試験を受けてきたので勉強法をまとめてみる(専門試験編)

 かなり遅くなったけど続きを書きます。この間に某試験に合格のち採用されて4月から普通にどこかしらの庁舎で働いているので、前回よりは自信を持って記事を書ける(かもしれない)。

目次
1.教養の重みについて
2.人文科学、社会科学、自然科学
3.数的処理、判断推理、資料解釈
4.そもそも教養をどの程度勉強すべきなのか
5.面接対策はやりすぎない(ほうがよかった結果的に気がする)
6.まとめ

1.教養の重みと情報収集について

 一般的には教養は6割とれればいいという話があるが、まず自分が受けたい区分の試験で教養と専門のスコアがどのくらいの配分なのかを把握すべき。地方の場合把握するのがやっかいだが、これについては受験ジャーナルをチェックしていれば細かくリスト化されている時期があるはずなので、前の記事でも書いたけど独学者はまず受験ジャーナルをちゃんとチェックしたほうがよい。
 特集が毎回なにかしら組まれるので自分の受けたい区分と照らし合わせて買う買わないは判断すればよいと思うが、普通に立ち読みすることはできるはずなので毎号チェックすることは欠かさないほうがよい。
 予備校に行ってれば情報がたくさん落ちているかもしれないが予備校に行かない分はそのためのコストを利用してちゃんと情報を仕入れるべきだろう。
 ちなみに時期的にいま並んでいるのは直前対策本のはずで、面接対策も載っているはず。去年の面接対策号には実際の面接の会話記録や、よくでる質問集がワーク形式になっていた(質問に合わせて自分で書きこんでいける感じ)




2.人文科学、社会科学、自然科学

 これについては正直ほとんどやってない。理由はいろいろあるが、ちゃんとやろうとしたら範囲が広すぎること、ちゃんとやらなくても高校までの遺産である程度点数がとれるからだ。
 なので、あえてやるべきとしたら過去問500をひたすら読むか、自分がセンター試験で利用しなかった科目のセンター対策本を読む、といったところだろう。前者は去年少しだけやり、後者は4年前に試験を受けたときに少しだけやった。




 センター対策本で俺が利用したのは、記憶の限りだと次の本。






 センター対策本はぶっちゃけどれを選んでも内容は同じなので、自分が読みやすいものを選べばよいと思う。
 あえて誇張するがこの二科目に関しては解くのではなく読むこと。地理も地学も計算問題はほとんどないので、繰り返し読むことで頭の中に入れておくのが大事。

3.数的処理、判断推理、資料解釈

 おそらく多くの人にとってこれが教養対策の本丸だろう。ここである程度の点数をとれなければ筆記の通過ラインには到底およばないので、順番としてはまずここから取り組んだほうがよい。苦手としているならばなおさら。
 まあ俺も苦手で後に回してたのでえらそうなことは言えないんだけど、苦手な立場として言うとするならば、畑中敦子シリーズをとりあえずやっとけ、というのが一つの解になると思う。






 この分野の対策についてはこの二冊しか使ってません。逆に言うとこの二冊をがっつりやっていれば相当得点がとれるはず。フルタイムワーキングしながらだったのでがっつりやるほどの時間はとれなかったが、繰り返しこの本を読んだり実際に解くことでまあなんとかなるだろう、くらいの余裕は持つことができた。
 大事なのは問題のパターンと解法のパターンを把握すること。解き方がわかっていれば多少時間がかかってもゴールまでいけるはずだし、逆に本番の試験で解法が一切わからないなら、その問題は捨てればよいと思う。
 この分野では時間的になかなか満点はとれないのだから、本番の試験ではとれる問題を確実にとっていって、そうでない問題は後に回せばよい。といった戦略も踏まえつつ、畑中本で問題のパターンを覚えていけば十分他の受験生をリードできるだろう。
 逆に言うとこの二冊しかしなくても受験で優位に立てるくらいには、大多数の受験生はそこまで戦略的ではない、と思っておいてよいのだと思う。あるいは、この分野を苦手としている受験生はやはり多い、ということだろう。
 大事なのはたくさん勉強するというよりはあくまで筆記に通過することであり、予備校から渡される課題をひたすら解くことではないのだから、集中的かつ省エネで勉強して筆記を通過するならばそれにこしたことはない。特に時間のない社会人の受験生の場合は勉強の効率を意識すべき。

4.そもそも教養をどの程度勉強すべきなのか

 自分の場合は専門である程度のスコアを出す自信があった。法務省のほうは開示してないのでわからないんだが筆記は通過しており、自治体福祉のほうの筆記のスコアは18人中2位で通過していた。
 教養は上に書いたようにほとんど勉強していないので、おそらく専門でかなりスコアを伸ばせたのだと思う。教養を勉強しなかったことが実際の試験ではさほど不利にはならなかったということなので、結局のところは専門との時間配分などの、バランスになってくるのかなと思う。配点にもよるだろうし。
 という身も蓋もないことを書くと欲しい情報がないと言われそうだが、これはあくまで社会人受験生の場合(というか社会人ゆえの限界)であって、まだ学生であり十分な時間があるのならば、さっきまで書いたことを踏まえつつ十分な対策をすればよいと思う。
 専門の場合科目ごとに得意不得意がはっきりしてくるだろうし、どれだけ対策してもスコアが伸びないこともあるだろう(以前民法の勉強をしていて痛感した)が、教養の場合勉強した分はほぼ確実にスコアとして返ってくるので、筆記の通過可能性を上げたいのならば、教養の勉強は「ちゃんと」しておいたほうが無難。

5.面接対策はやりすぎない(ほうがよかった結果的に気がする)

 せっかくなので面接の話も書こうと思うが、方々で公言しているように俺は本当に面接が苦手すぎて、去年ようやくの合格通知をもらうまでに幾度となく面接を落ちたことか(つらい)
 なんで面接が苦手だったのかはいろいろ理由があるだろうが、面接で話すべきストーリーをちゃんと用意できなかったのがまずあるだろうなと思う。特に学生だったころは。
 社会人になってからは面接のネタは仕事で普段意識していることや仕事の経験がそのままネタになるし、職種的にもストーリーを作りやすかったしそのへん(前職との関連性)は小さい部分でもアピールネタにしておいた。
 なので正直受験ジャーナルを読む以外の対策はしてないのだけど、ちゃんと対策打つならば面接はフィードバックもらってなんぼなので、親しい友人とかに受験ジャーナルの問答集を見せて質疑応答の練習をするのが無難かと思われる。練習すれば自信もつくはずだ。(もしくは逆にへこむか)
 ちなみに私はあまりにも雑なので面接当日の朝に面接カードを仕上げるとかいうのを普通にやってた人です。それでもまあなんとかなったので最後まであきらめてはいけない。

6.まとめ

 まとめると、言いたいことは戦略的に、効率的に勉強しつつ最後まであきらめないこと。何か月何時間は絶対必要だとか、よく流通している言説に流される必要はない。どれだけ勉強しても過去問を解けなければ意味がないが、勉強しなくても解けるならそれでよい。そのための具体的な方法はこれまで短いながらも書いてきた。
 6月になると一気に受験シーズンに突入するが、自分にとって必要な合格ラインはどのあたりなのか、そのためにはいま何をすべきかをもう一度考え、実践していけばよい。地上のA日程までは一ヶ月以上あるわけで、まだまだいくらでもスコアを上げていける。 


 以上、質問等あればコメントでご自由に。
 そういうわけで、いまの人手不足売り手市場時代にあえて公務員試験を受けるという人にはそれなりにやりたいこととかもあるはずなので、ぜひがんばってほしい。