2月に続いて3月もよく読んだ一か月だった。だいぶ暖かくなってきたので、ウーバーイーツの注文を待ちながら公園のベンチで読書をするのが快適でよい。4月はここまで読めない気もするが、3月だけでかなり積読を崩せたので引き続き積読を減らしていきたい所存。
3月の読書メーター
読んだ本の数:32
読んだページ数:8924
ナイス数:83
知りたくなる韓国
読了日:03月01日 著者:新城 道彦,浅羽 祐樹,金 香男,春木 育美
自閉症 成人期にむけての準備―能力の高い自閉症の人を中心にの感想
やや古い本だが事例が豊富で面白く、切り口も実践的かつ引用が多く一冊で多くのものを得られる本。自閉症についての本ではあるが発達障害を伴わない知的障害やADHDなど他の近接する障害児・者への支援に有効な要素も多くあるのではと思いながら読んでいた。自閉症と精神疾患の関係については今読むものとしては情報が古いと思われる。(現在では発達障害を持つ人は一般の人より精神疾患を持つリスクが高いとされている)
読了日:03月01日 著者:パトリシア ハウリン
パリ環状通り 新装版の感想
ユダヤ系の父を探偵や刑事のように追い求める中で出会う人たちがいい意味でどうしようもない人たちばかりで小説としては面白い。世の中いい人ばかりでもないわけだが、人生を落ちていく過程ではそういう人たちと「出会ってしまう」のかもしれないと考えていた。
読了日:03月02日 著者:パトリック・モディアノ
こちらあみ子 (ちくま文庫)の感想
あみ子も七瀬も自閉的(そしておそらくあみ子には知的障害もある)なため家族や学校での人間関係や他者との双方向のコミュニケーションが成立しない。そしてそれを正確に認識できない二人の様を、今村夏子は容赦なく書き込んでいる。
読了日:03月03日 著者:今村 夏子
アメリカを動かす宗教ナショナリズム (ちくま新書)
読了日:03月05日 著者:松本 佐保
廃墟に咲く花
読了日:03月06日 著者:パトリック モディアノ
人之彼岸 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5051)
読了日:03月07日 著者:郝 景芳
専門医が教える 新型コロナ・感染症の本当の話 (幻冬舎新書)
読了日:03月08日 著者:忽那 賢志
逃げて勝つ 投資の鉄則 大負けせずに資産を築く10年戦略の感想
マクロ経済学や金融論の理論的、統計的な裏付けが豊富で勉強になったが投資手法として新奇性のものはない。ただ何も考えずにひたすらつみたてましょうという手法のリスクを提示した上でコア・サテライト投資を推奨する点は説得力がある。実際に「逃げて勝つ」手法を実践するには正直一般投資家には難しいように思うが、投資ブロガーやyoutuberが書いた理論的裏づけが弱い自己流投資本を買うよりは本書の方がよほど参考になる。
読了日:03月09日 著者:田中 泰輔
光と私語の感想
わせたんっぽかった。
読了日:03月13日 著者:𠮷田 恭大
中央駅の感想
最後まで読んで改めて、男も女も固有の名前を与えられていない、架空だけどどこに存在していてもおかしくない存在として小説の中の世界を生きていたのだなと思う。現実と限りなく地続きな世界で、希望も未来もなく、刹那的にしか生きられない苦しさを、丹念に。
読了日:03月14日 著者:キム・ヘジン
倫理学入門-アリストテレスから生殖技術、AIまで (中公新書)の感想
同じ著者の『倫理学の話』の方がより倫理学全体に対して入門的で、本書はむしろ応用倫理学の入門といった印象を受けながら読んだ。
読了日:03月14日 著者:品川 哲彦
親しい君との見知らぬ記憶 (ファミ通文庫)
読了日:03月15日 著者:久遠 侑
カント『純粋理性批判』 2020年6月 (NHK100分de名著)の感想
タネ本である純粋理性批判はまだ読み通せてないけど本書はなんとか読み通すことができた。カントの課題がフッサールヘ、そして現象学へと引き継がれてゆく流れのダイナミズムもまあなんとか把握できたといったところ。
読了日:03月16日 著者:西 研
暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出 (新潮文庫)の感想
厚い本ではないが内容は濃い。震災を体験した者ではありながら外部の人間である著者の感受性がいかんなく発揮されている優れた一冊。COVID-19下の今読み返すと共通する感覚が多いことにも驚く。
読了日:03月16日 著者:彩瀬 まる
ドールの感想
中学生男子とラブドールという組み合わせから予測できる筋を容易に飛躍していく展開の運び方がお見事でした。
読了日:03月16日 著者:山下 紘加
田舎の未来 手探りの7年間とその先について (SERIES3/4 4)の感想
同世代である著者の成長物語としては面白いが手法として新しいものがあるわけではないし、リチャード・フロリダや宇沢弘文の議論もこの領域では何周もされている話なので新味はない。途中で選挙では変わらないと言う話が出てくるが田舎をなんとかするのは田舎の政治や行政への視点はむしろ欠かせない(都会より官のセクターの存在が大きいため)のでそこへの着目がもっとあってもよかったはず。まあまだ若い著者なので、今後の展開がどうなるかは気にしていたい。
読了日:03月17日 著者:さのかずや
独り舞の感想
3年ぶりに再読。前回はかなり雑な読みをしてしまっていたなと気づいた。この結末を希望的に受け取っていいのか、簡単に美しく死ぬことはできないことへの諦めを受け取っていいのかは難しいけれど、過去とは違う形で「現実に帰れ」というメッセージは重要かなと思う。つまり過去をずっとマイナスに引きずった状態で現実に戻るのではなく、修復的な形で現実に戻ることの可能性を検討することは、あってよいのだろうと思う。
読了日:03月18日 著者:李 琴峰
恋愛結婚は何をもたらしたか (ちくま新書)
読了日:03月18日 著者:加藤 秀一
介助の仕事 ――街で暮らす/を支える (ちくま新書)
読了日:03月19日 著者:立岩 真也
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)
読了日:03月20日 著者:村上 春樹
地震イツモノート : 阪神・淡路大震災の被災者167人にきいたキモチの防災マニュアルの感想
イラストが豊富で読みやすく、リアルな体験談が生々しく響く。家具の固定といった日常の防災から避難所の運営についてなど、ポイントポイントがしっかり押さえられて一家に一冊あっていいような本。
読了日:03月20日 著者:
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)新装版 (新潮文庫)
読了日:03月21日 著者:村上 春樹
「個人的なもの」と想像力
読了日:03月21日 著者:吉澤夏子
社会保障再考 〈地域〉で支える (岩波新書)
読了日:03月23日 著者:菊池 馨実
人間の絆〈上〉 (岩波文庫)の感想
モームが同性愛者だったのではという話は文学史に明るくないので全然知らなかったけど上巻を読んでいると本質的に女嫌いなのかな?(女性に惹かれるがどこか侮蔑している気持ちもある)と思うやり取りも多いので、この辺が今後どう表現されるか気にしていく。 http://www.kankanbou.com/ireland/item_230.html
読了日:03月27日 著者:モーム
現代思想 2020年3月臨時増刊号 総特集◎フェミニズムの現在 (現代思想3月臨時増刊号)
読了日:03月27日 著者:菊地夏野,河野真太郎,田中東子,貴戸理恵,鈴木涼美,ヤマシタトモコ,瀬戸夏子
ハイウイング・ストロール (ハヤカワ文庫JA)
読了日:03月28日 著者:小川一水
紙つなげ! 彼らが本の紙を造っているの感想
今読む価値のある一冊だった。
読了日:03月28日 著者:佐々 涼子
人間の絆〈中〉 (岩波文庫)の感想
パリでも画家見習いぐらしを終えてイギリスに戻り、ミルドレッドに振り回されながら医学生として過ごしていく日々。パリでの生活の居心地よさやノスタルジアには、時代は少し違うがヘミングウェイの『移動祝祭日』みを感じる。
読了日:03月28日 著者:モーム
人間の絆 下 (岩波文庫)の感想
ミルドレッドと結ばれても互いに不幸になるだけだろうなと思いながら読んでいたが、結果的に二人が別れることを選択して別々の道に進み始めることでようやく青春期の恋愛が終わったと感じた。無事医者になり職を得たことも含めてようやく大人として独立することで、サリーとそれなりの関係が作れたのだろう。
読了日:03月30日 著者:モーム
東京日記 他六篇 (岩波文庫)の感想
久しぶりに百間読んだけど文章に味わいがあってとてもいい。在りし日の東京、まだ路上に電車がいっぱい走っていたころの空気感は好き。
読了日:03月31日 著者:内田 百けん
読書メーター
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