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日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

annual

 2022年に読んだ本は230冊でした。ちなみに2021年は311冊だったらしい(おかしい)
 前半は国際政治関係と公認心理師の試験関連の本を読みまくり、後半ようやく積読を崩せたけど小説をあまり読めなかったなと思うので来年はもっとフィクションを摂取したい。国内外問わず。

 以下、一覧です。

2022年の読書メーター
読んだ本の数:230
読んだページ数:66520
ナイス数:528

マンスフィールド・パーク (ちくま文庫)マンスフィールド・パーク (ちくま文庫)
読了日:01月01日 著者:ジェイン・オースティン
ジョン・ロールズ-社会正義の探究者 (中公新書 2674)ジョン・ロールズ-社会正義の探究者 (中公新書 2674)感想
期待どおりというか期待以上の優れた解説書になっている。新書一冊で正義論(再説含む)〜政治的リベラリズム〜万民の法の論点を理解しつつ、ロールズの提示した議論の当世的意義を振り返るのと同時に、現代的意義についても具体的に言及している点が素晴らしい。特に齋藤純一による第二章の『正義論』読解はお見事でした。さすがでございます。
読了日:01月03日 著者:齋藤 純一,田中 将人
野生の探偵たち〈上〉 (エクス・リブリス)野生の探偵たち〈上〉 (エクス・リブリス)
読了日:01月05日 著者:ロベルト ボラーニョ
丹下健三建築論集 (岩波文庫 青 585-1)丹下健三建築論集 (岩波文庫 青 585-1)
読了日:01月07日 著者:豊川 斎赫
野生の探偵たち〈下〉 (エクス・リブリス)野生の探偵たち〈下〉 (エクス・リブリス)
読了日:01月10日 著者:ロベルト ボラーニョ
黄色い夜黄色い夜
読了日:01月19日 著者:宮内 悠介
吉田健一 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集20)吉田健一 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集20)
読了日:01月20日 著者:吉田 健一
現代思想 2021年5月号 特集=「陰謀論」の時代現代思想 2021年5月号 特集=「陰謀論」の時代感想
最初の井上弘貴+渡辺靖対談と、辻、倉橋、海妻、松村、三木の論考を面白く読んだ。特に海妻の反フェミニズム言説と女性の議論や、三木のコミュニケーションの観点から陰謀論を捉え直す議論はそれぞれの著者の専門性と独自性が発揮されており、有意義な議論であると思われる。
読了日:01月21日 著者:井上弘貴,渡辺靖,石戸諭,木澤佐登志,中尾麻伊香,仁木稔,吉永進一
PhantomPhantom
読了日:01月22日 著者:羽田 圭介
言葉を失ったあとで (単行本)言葉を失ったあとで (単行本)感想
要所要所はたしかに面白いが、話題が散らばっていてちょっと物足りなさもあったかな。合間に挿入されているブックガイドはとてもよかったと思う。ハーマンの『心的外傷と回復』は名著と名高いので今年こそ読みたい。今年こそ。
読了日:01月25日 著者:信田 さよ子,上間 陽子
丹下健三都市論集 (岩波文庫 青 585-2)丹下健三都市論集 (岩波文庫 青 585-2)
読了日:01月26日 著者:豊川 斎赫
ロールズ (「現代思想の冒険者たち」Select)ロールズ (「現代思想の冒険者たち」Select)
読了日:01月27日 著者:川本 隆史
思春期をめぐる冒険―心理療法と村上春樹の世界 (新潮文庫)思春期をめぐる冒険―心理療法と村上春樹の世界 (新潮文庫)
読了日:01月29日 著者:岩宮 恵子
無駄に幸せになるのをやめて、こたつでアイス食べます (メディアワークス文庫)無駄に幸せになるのをやめて、こたつでアイス食べます (メディアワークス文庫)
読了日:02月02日 著者:コイル
都市の条件―住まい、人生、社会持続 (真横から見る現代)都市の条件―住まい、人生、社会持続 (真横から見る現代)
読了日:02月03日 著者:平山 洋介
ポラリスが降り注ぐ夜 (単行本)ポラリスが降り注ぐ夜 (単行本)
読了日:02月05日 著者:李 琴峰
無意識のバイアス――人はなぜ人種差別をするのか無意識のバイアス――人はなぜ人種差別をするのか
読了日:02月09日 著者:ジェニファー・エバーハート
社会学はどこから来てどこへ行くのか社会学はどこから来てどこへ行くのか
読了日:02月11日 著者:岸 政彦,北田 暁大,筒井 淳也,稲葉 振一郎
思いやる心は傷つきやすい: パンデミックの中の感情労働思いやる心は傷つきやすい: パンデミックの中の感情労働
読了日:02月12日 著者:武井 麻子
フォアビート・ノスタルジーフォアビート・ノスタルジー
読了日:02月13日 著者:石原 慎太郎
心理療法がひらく未来: エビデンスにもとづく幸福改革心理療法がひらく未来: エビデンスにもとづく幸福改革
読了日:02月13日 著者:リチャード レイヤード,デイヴィッド・M. クラーク
心は孤独な狩人心は孤独な狩人
読了日:02月18日 著者:カーソン マッカラーズ
それを読むたび思い出すそれを読むたび思い出す
読了日:02月19日 著者:三宅香帆
民主主義の死に方:二極化する政治が招く独裁への道民主主義の死に方:二極化する政治が招く独裁への道
読了日:02月24日 著者:スティーブン・レビツキー,ダニエル・ジブラット
ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体 (幻冬舎新書)ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体 (幻冬舎新書)感想
中学受験経験もないし界隈のことには疎いので純粋に面白く読んだ。サピックスや鉄緑会を中心に取材しながらそれ以外の塾や学校もバランスよく取材しており、サピックスや鉄緑会にしても賛否両論でバランスのいい書き方をしていると思う。人生は多様なのに結果至上主義的なサピや鉄緑のやり方が今後どれだけ支持されるのか、実際にオルタナティブが台頭していることも含めると塾業界にも一定の多様性があるのは安心する。それでも地方や田舎とは環境の違いが大きいなとは感じるけども。
読了日:02月24日 著者:おおたとしまさ
こころの科学222号/2022年3月号【特別企画】誰かをケアする人のケア ――支援者支援を考えるこころの科学222号/2022年3月号【特別企画】誰かをケアする人のケア ――支援者支援を考える
読了日:02月27日 著者:
未承認国家と覇権なき世界 (NHKブックス)未承認国家と覇権なき世界 (NHKブックス)感想
今目の前で起きているロシアによるウクライナ侵攻の参考文献になるかなと思って読んでみたが、単純に知的好奇心が非常にそそられる一冊だった。まず未承認国家というカテゴリーをこれまで知らなかったが、冷戦後の世界を考える上で重要な概念であることが理解できた。そして未承認国家の抱える諸問題を解決するための有効な策が未だないこと、いくつかのシナリオはありえるがパーフェクトなシナリオはないということも紹介されている。今のウクライナも容易には決着しないだろう。だからこそ諸問題の起源やありうるシナリオを学習する価値は大きい。
読了日:03月01日 著者:廣瀬 陽子
心の容量が増えるメンタルの取扱説明書【「くり返し使える! 心を整理するワークシート」DL特典付き】心の容量が増えるメンタルの取扱説明書【「くり返し使える! 心を整理するワークシート」DL特典付き】
読了日:03月03日 著者:エマ・ヘップバーン
ウクライナ危機の真相 プーチンの思惑 Wedgeセレクションウクライナ危機の真相 プーチンの思惑 Wedgeセレクション感想
アンリミテッドにて。佐藤優のインタビューがあるので要注意だがそれ以外は面白く読めたし、2014年の延長に2022年があることがよくわかる。いずれの論考、インタビューも短いもので簡潔に論点を述べている形。亀山郁夫のインタビューもあり、「プーチンの新ユーラシア主義は、一元化されていく価値観に対抗して、ロシアのアイデンティティを守ろうとする動きだ。その矢先に起きたウクライナ事件は、残念で仕方がない」と述べているのだがこうした復古的ナショナリズムはまさに2022年のプーチンにも当てはまる。
読了日:03月05日 著者:小泉 悠,佐々木 正明,廣瀬 陽子,亀山 郁夫,佐藤 優,Wedge編集部
ポスト社会主義の政治 ――ポーランド、リトアニア、アルメニア、ウクライナ、モルドヴァの準大統領制 (ちくま新書)ポスト社会主義の政治 ――ポーランド、リトアニア、アルメニア、ウクライナ、モルドヴァの準大統領制 (ちくま新書)
読了日:03月06日 著者:松里 公孝
保育と子ども家庭福祉 (学ぶ・わかる・みえる シリーズ保育と現代社会)保育と子ども家庭福祉 (学ぶ・わかる・みえる シリーズ保育と現代社会)感想
前職で世話になった人が分担執筆していたのでなんとなく手にとったが、2019年刊行と比較的新しいため、子ども子育て支援新制度や児童相談所の最近の動向などもフォローされていてよい。保育士養成向けのテキストとなっているが、その分この分野に明るくない人間が読んでも読みやすい構成になっている。最後に収録されているブックガイドも丁寧でよかった。
読了日:03月07日 著者:
男たちを知らない女 (ハヤカワ文庫SF)男たちを知らない女 (ハヤカワ文庫SF)感想
2021年に出版されたこの本があっという間に翻訳されて日本語でしかも文庫で読めることは貴重である。パンデミックと戦争という二つの大きな事態に生きる今、リアリティのありすぎるフィクションとして本書を読むことができるだろう。
読了日:03月07日 著者:クリスティーナ・スウィーニー=ビアード
睡眠こそ最強の解決策である睡眠こそ最強の解決策である感想
日本語タイトルはいかにもなビジネス書っぽくてアレだけど原題はWHY WE SLEEPとシンプル。なぜ我々(人間だけでなく生き物全般)は眠る必要があるのか、長く眠ると何が良いのか、そして睡眠不足はどういった損失があるのかといった睡眠に対する研究的・一般的な疑問に丁寧に答えていく一冊。とりあえず部屋を真っ暗にして部屋の気温を調整して目覚まし時計に頼らずに毎日7時間以上眠りたいですね。
読了日:03月10日 著者:マシュー・ウォーカー,Matthew Walker
強権と不安の超大国・ロシア〜旧ソ連諸国から見た「光と影」〜 (光文社新書)強権と不安の超大国・ロシア〜旧ソ連諸国から見た「光と影」〜 (光文社新書)感想
Kindleにて。未承認国家を含むロシア周辺の国際関係とその歴史を理解するのに良い一冊。専門的になりすぎず、読みやすい。著者が実際に現地調査に訪れた話はリアリティがあり、ハラハラしながら読んだ。
読了日:03月13日 著者:廣瀬 陽子
コーカサス国際関係の十字路 (集英社新書 452A)コーカサス国際関係の十字路 (集英社新書 452A)感想
アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア(現ジョージア)といったコーカサス諸国とその周辺の未承認国家(ナゴルノ・カラバフアブハジア)の政治や歴史を概観しつつ、後半には周辺の関係諸国(ロシア、EU、アメリカ)との関係も記述する一冊。この地域の複雑さを知ることは、2022年のロシア・ウクライナ関係を理解する一助になるはず(ウクライナへの言及は少ないが、オレンジ革命やGUAMなど、いくつかの言及はされている)
読了日:03月13日 著者:廣瀬 陽子
ファシズムとロシアファシズムとロシア
読了日:03月13日 著者:マルレーヌ・ラリュエル
道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔 (扶桑社BOOKS文庫)道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔 (扶桑社BOOKS文庫)感想
メジャーに行く前の大谷翔平を記録したドキュメント。もうすぐ野球の季節なので、なんとなく読んでみた一冊だが思った以上に面白かった。最後のほうで「ピッチャーとしての完成度のほうが、バッターに比べて劣る」語っているが、2021年もきっとそうだったんだろうなと感じる。そして今年も、完成されたバッティングと進化し続けるピッチングが楽しみだ。
読了日:03月14日 著者:佐々木 亨
乳がん治療の新しい視点 医療人類学から考える乳がん治療の新しい視点 医療人類学から考える
読了日:03月16日 著者:吉村 慶子
イ・ボミはなぜ強い?〜知られざる女王たちの素顔〜 (光文社新書)イ・ボミはなぜ強い?〜知られざる女王たちの素顔〜 (光文社新書)感想
Kindleにて読了。少し前のトレンドの話だが、今に繋がることも多く面白く読んだ。
読了日:03月16日 著者:慎 武宏
ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略 (講談社現代新書)ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略 (講談社現代新書)
読了日:03月18日 著者:廣瀬 陽子
戦争はいかに終結したか-二度の大戦からベトナム、イラクまで (中公新書 2652)戦争はいかに終結したか-二度の大戦からベトナム、イラクまで (中公新書 2652)
読了日:03月20日 著者:千々和 泰明
現代ロシアの軍事戦略 (ちくま新書)現代ロシアの軍事戦略 (ちくま新書)感想
端的に面白かった。面白いという表現は語弊があるかもしれないが、現代ロシアの政治が軍事戦略を解剖する試みには知的興奮を覚えた。しかし、この本で書かれていることが過去の出来事でなくまさに現在進行形であるのは複雑だし、複雑すぎるわね・・・とはいえ、最後にも書かれてあるように日本も「西側」の一員である以上、「敵」の正体を知ることは非常に重要だし、それに資する一冊であることは間違いない。
読了日:03月23日 著者:小泉 悠
女性自衛官 キャリア、自分らしさと任務遂行 (光文社新書)女性自衛官 キャリア、自分らしさと任務遂行 (光文社新書)感想
著者と指導教員の共著という形式で修士論文を出版用にアレンジした一冊。一人一人のインタビューから男性中心社会における超少数派としての女性自衛官の働き方を明らかにする、というスタイル。あくまで個人の感想の可能性はあるが、比較的組織に順応しながら働いている女性自衛官の声を拾ってる可能性もあるので(一種の生存バイアス)少なくともツイッターなどで見聞きするような自衛隊のイメージとは異なる自衛隊のイメージを作ることには成功している。
読了日:03月23日 著者:上野 友子,武石 恵美子
厚労省 (新潮新書)厚労省 (新潮新書)
読了日:03月24日 著者:鈴木 穣
夫婦格差社会 - 二極化する結婚のかたち (中公新書)夫婦格差社会 - 二極化する結婚のかたち (中公新書)
読了日:03月24日 著者:橘木 俊詔
現役引退―プロ野球名選手「最後の1年」―(新潮新書)現役引退―プロ野球名選手「最後の1年」―(新潮新書)感想
Kindleにて読了。中田清の回が一番面白い。
読了日:03月25日 著者:中溝康隆
独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)
読了日:03月27日 著者:大木 毅
一生使える! プロカウンセラーの 傾聴の基本一生使える! プロカウンセラーの 傾聴の基本感想
基本的にはロジャーズの来談者中心療法、受容、共感的理解の現代的応用といったところ。ロジャーズを知っている人なら復習に、知らない人にとっては入門的になる一冊。体裁としてはビジネス書っぽいので、おそらく後者がターゲットでしょうね。
読了日:03月28日 著者:古宮 昇
58歳から 日々を大切に小さく暮らす58歳から 日々を大切に小さく暮らす感想
Kindleにて読了。中高年の単身生活を大切に小さく暮らすには若いうちからの積み重ねが必要だということがよくわかる。
読了日:03月29日 著者:ショコラ
国際政治史 -- 主権国家体系のあゆみ (有斐閣ストゥディア)国際政治史 -- 主権国家体系のあゆみ (有斐閣ストゥディア)感想
ロシア・ウクライナ戦争の情報を追いかける中でツイッターの誰かが本書を推薦していたので読んだ。16世紀から始まり2017年で終わるこの本を読むことで、主権国家の誕生や長い戦争の時代を経て「熱い戦争」を回避しようとしてきた試みとその挫折や迷走を描写する第二次大戦後や冷戦後の世界までをひとつづきのものとして読めるダイナミズムに知的興奮を覚える。同時に、より複雑化する冷戦後の国際政治や世界秩序の不安定さが最悪な形で展開しているのが2022年の春なのだと思うと、なんとも言えない心境ではある。
読了日:03月30日 著者:小川 浩之,板橋 拓己,青野 利彦
プーチンの実像 孤高の「皇帝」の知られざる真実 (朝日文庫)プーチンの実像 孤高の「皇帝」の知られざる真実 (朝日文庫)感想
単行本の刊行が2015年のせいかもしれないが、安倍晋三よりも森喜朗や山下泰裕の存在感のほうが際立つ一冊。もちろんそれも本書の言うところの「人たらし」であるプーチンの戦略かもしれない。今のプーチンは届かない所に行ってしまったが、すでにその前兆は本書に凝縮されている。その意味でも今読むべき一冊。
読了日:03月31日 著者:朝日新聞国際報道部,駒木明義,吉田美智子,梅原季哉
平成のヒット曲(新潮新書)平成のヒット曲(新潮新書)感想
Kindleにて読了。
読了日:04月01日 著者:柴那典
データ分析読解の技術 (中公新書ラクレ, 756)データ分析読解の技術 (中公新書ラクレ, 756)感想
本書で薦められている久米郁男の本は大学院の必修科目の書籍化といったところだったがこの新書も元々は大学の講義がベースのよう。学生向けという前提があるからか、扱っている話題も鬼滅に刃から出所者の再犯率まで様々でなかなか面白かった。ダメな議論や評論をいかに見破るか、そのために必要なデータ分析の要素は何かを一つずつ丁寧に掘り下げていく一冊。
読了日:04月02日 著者:菅原 琢
外交 (有斐閣Insight)外交 (有斐閣Insight)感想
外交史として、より実際的な外交(誰がどのような信念で外交を展開してきたか)を振り返りつつ、現在の外交のトレンドや今後を展望したもの。歴史について書いた本なので2007年刊行とやや古いが読み応えあり。先日読んだ有斐閣ストゥディア『国際政治史』とセットで読むと面白そう。
読了日:04月02日 著者:細谷 雄一
第1巻 公認心理師の職責 (公認心理師の基礎と実践)第1巻 公認心理師の職責 (公認心理師の基礎と実践)
読了日:04月03日 著者:野島 一彦,元永 拓郎,山口 豊一,金沢 吉展,花村 温子,高橋 幸市,増田 健太郎,生島 浩,菅野 泰蔵,小林 孝雄,板東 充彦,小俣 和義,宮崎 昭
ヒュパティア:後期ローマ帝国の女性知識人ヒュパティア:後期ローマ帝国の女性知識人
読了日:04月04日 著者:エドワード・J・ワッツ
ロシアと中国 反米の戦略 (ちくま新書)ロシアと中国 反米の戦略 (ちくま新書)感想
日本のメディアで扱われる中露関係の理解はかなり雑なものも多いので、立ち止まって過去から現在までの中露関係を考えるには本書は最適の一冊と言える。これまでも複雑な関係だったことがよくわかるし、2022年を境にまた関係性が変わっていくのだろう。こういう状況や日米関係も踏まえつつ、日本がどのような立ち位置で中国やロシアとの外交を展開していくことができるのかといった展望も最後の方に触れられている。
読了日:04月04日 著者:廣瀬 陽子
トラックドライバーにも言わせて (新潮新書)トラックドライバーにも言わせて (新潮新書)感想
Kindleにて。二輪&軽自動車乗りとして、そして一人の客として知っておかねばならない構造的な問題が凝縮された一冊。
読了日:04月04日 著者:橋本 愛喜(はしもと あいき)
珈琲の世界史 (講談社現代新書)珈琲の世界史 (講談社現代新書)感想
Kindleにて。コーヒーのはじまりから、スペシャルティの隆盛まで。コーヒーを毎日1杯以上飲む人間として単純に面白く読めた。
読了日:04月05日 著者:旦部幸博
TIME SMART(タイム・スマート): お金と時間の科学TIME SMART(タイム・スマート): お金と時間の科学
読了日:04月06日 著者:アシュリー・ウィランズ
大谷翔平 野球翔年 I 日本編2013‐2018 (文春文庫 い 57-2)大谷翔平 野球翔年 I 日本編2013‐2018 (文春文庫 い 57-2)感想
2022年の今の視点でNPB時代の最初から最後、そして渡米してするまでを振り返ることのできる面白さがあった。解説の大越健介の文章も含めて珠玉の一冊となっている。小さな挫折を繰り返しながら確実に成長していくMVPプレイヤーの、貴重な軌跡の記録だ。
読了日:04月07日 著者:石田 雄太
本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ
読了日:04月08日 著者:コウケンテツ
ルポ 女性用風俗 (ちくま新書)ルポ 女性用風俗 (ちくま新書)感想
先にツイッターにも書いたが、このテーマで宮台真司を呼ぶのはやめてほしかった。それもかなりのページを割いているし。本編についてはルポとしての(性を売買する男女双方の)生々しさが一つのウリなのだろうけど、登場する女性たちと著者がかなりクロスしてしまっているのでもう少しメタ的にというか、距離をとって取材してもよかったのではないかと思う。同人誌とは違うので。
読了日:04月10日 著者:菅野 久美子
ストーカーとの七〇〇日戦争 (文春文庫 う 39-1)ストーカーとの七〇〇日戦争 (文春文庫 う 39-1)感想
前作の島への移住の本も読んだし、本作は自分にも馴染みのある土地(小豆島町と高松市)が舞台になっているので読んでみたが一つ一つの記述が詳細で読み応えありました。最後の方に保護監察官からようやく治療モデルの話が出てくるのは現行の司法・矯正・警察の世界をなんとなく知っているので理解できるくだり。
読了日:04月12日 著者:内澤 旬子
穂高小屋番レスキュー日記穂高小屋番レスキュー日記感想
Kindleにて。BS1のドキュメンタリーで宮田八郎のことを知り、本書を手に取った。
読了日:04月12日 著者:宮田 八郎
季節風 春 (文春文庫)季節風 春 (文春文庫)
読了日:04月12日 著者:重松 清
経営とワークライフに生かそう! 産業・組織心理学 改訂版 (有斐閣アルマ)経営とワークライフに生かそう! 産業・組織心理学 改訂版 (有斐閣アルマ)感想
入門的で情報が整理されており、読みやすかった。コンフリクトとコミュニケーション、組織の変革とリーダーシップ、後半の消費者行動に関するいくつかの部分を特に面白く読んだ。心理的財布という概念は初めて知ったけどなんとなく感じてたことが研究対象なのは面白い。
読了日:04月13日 著者:山口 裕幸,盒 潔,芳賀 繁,竹村 和久
戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)
読了日:04月14日 著者:デーヴ グロスマン
ウィッチンケア第12号(Witchenkare VOL.12)ウィッチンケア第12号(Witchenkare VOL.12)
読了日:04月14日 著者:青柳菜摘,我妻俊樹,朝井麻由美,インベカヲリ★,宇野津暢子,小川たまか,荻原魚雷,カツセマサヒコ,かとうちあき,木村重樹,久保憲司,久山めぐみ,ジェレミー・ウールズィー,柴 那典,清水伸宏,スイスイ,すずめ 園,武田砂鉄,武田 徹,東間 嶺,トミヤマユキコ,長井優希乃,中野 純,仲俣暁生,ナカムラクニオ,野村佑香,長谷川 裕,長谷川町蔵,蜂本みさ,はましゃか,姫乃たま,ふくだりょうこ,藤森陽子,美馬亜貴子,宮崎智之,武藤 充,谷亜ヒロコ,柳瀬博一,矢野利裕,山本莉会,吉田亮人,多田洋一
日本の公教育 - 学力・コスト・民主主義 (中公新書)日本の公教育 - 学力・コスト・民主主義 (中公新書)感想
第5章がやや総花的で新書としてのオチをつけたい構成のように感じてしまったが1章と2章は教育の(歴史)社会学、3章と4章は教育の経済学(あるいは計量社会学)といった形でまとまりのある構成になっていて読み応えあり。サントリー学芸賞を受賞したという2014年の著作も読んでみたい。
読了日:04月18日 著者:中澤 渉
新装版 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社+α文庫)新装版 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社+α文庫)
読了日:04月18日 著者:飯塚 訓
一軍監督の仕事 育った彼らを勝たせたい (光文社新書)一軍監督の仕事 育った彼らを勝たせたい (光文社新書)
読了日:04月20日 著者:眥顛淡
第19巻 司法・犯罪心理学 (公認心理師の基礎と実践)第19巻 司法・犯罪心理学 (公認心理師の基礎と実践)感想
司法・犯罪心理学のテキストだが民法における家事事件や離婚についても最後に3章分割かれているのが特徴的かも。
読了日:04月20日 著者:
韓国カルチャー 隣人の素顔と現在 (集英社新書)韓国カルチャー 隣人の素顔と現在 (集英社新書)感想
全体としては面白かったが日本との比較をする際の記述がいくつか雑というか大雑把なのが気になった。韓国のことを知る分にはいいが日本との比較の記述を書いた部分は信用ほどほどで読むのが吉か。
読了日:04月22日 著者:伊東 順子
新書576 ルポ 保健室 (朝日新書)新書576 ルポ 保健室 (朝日新書)
読了日:04月23日 著者:秋山千佳
ルポ 大谷翔平 日本メディアが知らない「リアル二刀流」の真実 (朝日新書)ルポ 大谷翔平 日本メディアが知らない「リアル二刀流」の真実 (朝日新書)
読了日:04月23日 著者:志村朋哉
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)本屋さんのダイアナ (新潮文庫)感想
ひさしぶりに柚木麻子を読んだけどめちゃくちゃ面白かった。おしとやかで理知的な彩子と、破天荒だがめちゃくちゃ読書家なダイアナの関係は、『高慢と偏見』の姉妹を彷彿とさせる。だから二人がいずれ和解するだろうと思いながら、接点をかすかに持ちつつすれ違っていく様を書いたのが抜群にうまかった。
読了日:04月24日 著者:柚木 麻子
妻はサバイバー妻はサバイバー感想
一気読み。そしてあとがきを経ての最後の一文に涙腺が緩んだ。この一文にたどり着くまでの20年間の過酷な軌跡が、でも必要な時間だったのかもしれないという希望でもあるのかもしれない。
読了日:04月25日 著者:永田豊隆
ケアの向こう側―看護職が直面する道徳的・倫理的矛盾ケアの向こう側―看護職が直面する道徳的・倫理的矛盾
読了日:04月25日 著者:ダニエル・F. チャンブリス
新装版 墜落現場 遺された人たち 御巣鷹山、日航機123便の真実 (講談社+α文庫)新装版 墜落現場 遺された人たち 御巣鷹山、日航機123便の真実 (講談社+α文庫)感想
Kindleにて。この本を読んでいる間に知床で船が沈む事故が起きてしまい、複雑な気持ちになる。安全はいかに重要なことか。
読了日:04月26日 著者:飯塚 訓
公認心理師必携 精神医療・臨床心理の知識と技法公認心理師必携 精神医療・臨床心理の知識と技法感想
もっと早く読んでおくべきだったと思いつつ、日常の支援でも使いがいがあるので一家に一冊あっていいタイプの本。あと下山晴彦監修なのでかなり認知行動療法を推し気味なのはよくわかった。
読了日:04月29日 著者:
21世紀の不平等21世紀の不平等
読了日:05月05日 著者:アンソニー・B・アトキンソン
長野県警 レスキュー最前線 (ヤマケイ文庫)長野県警 レスキュー最前線 (ヤマケイ文庫)感想
Kindleにて。
読了日:05月05日 著者:
ドキュメント 単独行遭難 (ドキュメント遭難シリーズ)ドキュメント 単独行遭難 (ドキュメント遭難シリーズ)感想
Kindleにて。
読了日:05月08日 著者:羽根田 治
ルポ名門校 ――「進学校」との違いは何か? (ちくま新書)ルポ名門校 ――「進学校」との違いは何か? (ちくま新書)
読了日:05月08日 著者:おおたとしまさ
「助けて」が言えない SOSを出さない人に支援者は何ができるか「助けて」が言えない SOSを出さない人に支援者は何ができるか
読了日:05月13日 著者:
保健医療心理学特論: 保健医療分野に関する理論と支援の展開 (放送大学大学院教材)保健医療心理学特論: 保健医療分野に関する理論と支援の展開 (放送大学大学院教材)
読了日:05月14日 著者:小林 真理子
ヒルビリー・エレジー (光文社未来ライブラリー)ヒルビリー・エレジー (光文社未来ライブラリー)感想
2017年の翻訳刊行の時にも話題になってたと思うが、トランプ政権が終わった今改めて振り返る価値のある一冊。ケース&ディートンの『絶望死のアメリカ』とセットで読まれるべき一冊という感じですね。
読了日:05月15日 著者:J・D・ヴァンス
チームワークの心理学: エビデンスに基づいた実践へのヒントチームワークの心理学: エビデンスに基づいた実践へのヒント
読了日:05月15日 著者:マイケル A ウェスト
保健所の「コロナ戦記」TOKYO2020‐2021 (光文社新書)保健所の「コロナ戦記」TOKYO2020‐2021 (光文社新書)感想
すべての始まりから2021年のオリパラまでを保健所の視点で綴ったもの。今思うと忘れていることも多くて2年間という長さを実感してしまうが(体感ではあっという間だったのでこのギャップが怖い)波が来て、去って、そしてまた波が来る間になにが起きていたのかの貴重な記録になっている。カミュやデフォーが度々言及されているように、かなりの読書家であり映画好きであるらしい著者の文学センスが散りばめられているのは読み物としても面白かった。
読了日:05月16日 著者:関 なおみ
ロジャーズの中核三条件 一致:カウンセリングの本質を考える 1ロジャーズの中核三条件 一致:カウンセリングの本質を考える 1
読了日:05月16日 著者:本山 智敬,坂中 正義,三國 牧子
寛容論 (古典新訳文庫)寛容論 (古典新訳文庫)感想
Kindle unlimitedにて。
読了日:05月17日 著者:ヴォルテール
ロジャーズの中核三条件 受容:無条件の積極的関心:カウンセリングの本質を考える 2ロジャーズの中核三条件 受容:無条件の積極的関心:カウンセリングの本質を考える 2
読了日:05月19日 著者:坂中 正義,三國 牧子,本山 智敬
検証 安倍政権 保守とリアリズムの政治 (文春新書 1346)検証 安倍政権 保守とリアリズムの政治 (文春新書 1346)感想
各章各分野をそれぞれ専門の政治学者が分担執筆して第2次以降の安倍政権をレビューした一冊。書き手によっては第2次安倍政権に至るまでの経路も丁寧に書いており、新書のためそれぞれの分量は大きくないが長期政権を振り返る上で重要な一冊。第2章「選挙・世論対策」(境家史郎)、第6章「歴史問題」(熊谷奈緒子)、第8章「女性政策」(辻由希)を特に面白く読んだ。
読了日:05月19日 著者:アジア・パシフィック・イニシアティブ
第18巻 教育・学校心理学 (公認心理師の基礎と実践)第18巻 教育・学校心理学 (公認心理師の基礎と実践)感想
スクールカウンセリングについての知見が欲しかったので、第4章「スクールカウンセリングの枠組み」と第12章「学級づくりの援助」を特に面白く読んだ。
読了日:05月19日 著者:
ロジャーズの中核三条件 共感的理解:カウンセリングの本質を考える 3ロジャーズの中核三条件 共感的理解:カウンセリングの本質を考える 3
読了日:05月20日 著者:三國 牧子,本山 智敬,坂中 正義
なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからないなんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない
読了日:05月23日 著者:東畑 開人
「甘え」の構造 [増補普及版]「甘え」の構造 [増補普及版]
読了日:05月23日 著者:土居 健郎
戦う操縦士 (光文社古典新訳文庫)戦う操縦士 (光文社古典新訳文庫)
読了日:05月26日 著者:アントワーヌ・ド サン=テグジュペリ
アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)
読了日:05月26日 著者:平木 典子
面接法面接法
読了日:05月27日 著者:熊倉 伸宏
入門・医療倫理〈1〉入門・医療倫理〈1〉
読了日:05月28日 著者:稲葉 一人,児玉 聡,堂囿 俊彦,奈良 雅俊,額賀 淑郎,前田 正一,水野 俊誠
フェミニズムってなんですか? (文春新書 1361)フェミニズムってなんですか? (文春新書 1361)
読了日:05月28日 著者:清水 晶子
高架線 (講談社文庫)高架線 (講談社文庫)感想
滝口といえば西武池袋線!と改めて思わせる小説だった。
読了日:05月29日 著者:滝口 悠生
第11巻 社会・集団・家族心理学 (公認心理師の基礎と実践)第11巻 社会・集団・家族心理学 (公認心理師の基礎と実践)
読了日:05月29日 著者:竹村 和久
第12巻 発達心理学 (公認心理師の基礎と実践)第12巻 発達心理学 (公認心理師の基礎と実践)
読了日:06月01日 著者:本郷 一夫,進藤 将敏,小泉 嘉子,平川 昌宏,澤江 幸則,増田 貴人,平川 久美子,糠野 亜紀,飯島 典子,八木 成和,高橋 千枝,鈴木 智子,相澤 雅文,吉中 淳,稲垣 宏樹
リスアニ! Vol.47.2 fripSide音楽大全(M-ON! ANNEX 668号)リスアニ! Vol.47.2 fripSide音楽大全(M-ON! ANNEX 668号)感想
まだ声優として下積みだった南條愛乃が加入してonly my railgunで鮮烈な印象を与えたのが2009年(13年前!)だったが、その後の南條の活躍っぷりは大したものだった。他方で、ラブライブ!やソロ活動を経験する中でfripとしての活動の比重が難しくなったのではないかとp.167を読んでいて感じた。ただ、それでもそういうしんどい時を乗り越えて、南條自身が望んだタイミングで卒業出来ることは素晴らしいことなんだなと感じる新録のインタビュー2本だった。
読了日:06月02日 著者:
娼婦の本棚 (中公新書ラクレ 761)娼婦の本棚 (中公新書ラクレ 761)
読了日:06月05日 著者:鈴木 涼美
はじめてのケア論 (有斐閣ストゥディア)はじめてのケア論 (有斐閣ストゥディア)感想
「はじめての」とあるようにこの本はあくまで議論や構想のための土台のようなもので、もっと具体的で実践的な議論をしたいのであればもっと深堀りしていけ、ということだろうと受け止めた。その為にやや散漫になっている印象もあるが、排除/包摂という観点へ着目したケアの構想をしている点は一貫している。
読了日:06月07日 著者:三井 さよ
AVについて女子が知っておくべきすべてのことAVについて女子が知っておくべきすべてのこと感想
折に触れて書いているようにあくまで業界志望者に向けた業界研究として読んでくれというメッセージが強いが、撮影現場のバックヤード事情が非常に豊富なのは一人の消費者としても面白かった。仕事としてセックスをしているせいか、プライベートな場面で性被害を受けやすいという話や、AV強要問題以前以後の業界の変化など、セックスワーカーとしてのAV女優のリアルを知りたい人も読むべき一冊。
読了日:06月07日 著者:澁谷 果歩
搾取される若者たち ―バイク便ライダーは見た! (集英社新書)搾取される若者たち ―バイク便ライダーは見た! (集英社新書)
読了日:06月08日 著者:阿部 真大
臨床心理学小史 (ちくま新書)臨床心理学小史 (ちくま新書)
読了日:06月10日 著者:サトウタツヤ
はじめて出会う生命倫理 (有斐閣アルマ)はじめて出会う生命倫理 (有斐閣アルマ)感想
有斐閣アルマのシリーズでは最も入門的な区分がされているが、思った以上に本格的な生命倫理入門といった感じの一冊になっている。トピックも出生前診断や代理出産といった生命の誕生にまつわるテーマや、ALSやホスピス、高齢者介護といったケアにまつわるテーマ、そしてエンハンスメントや軍事医学といった人体のデザインにまつわるテーマなど幅広く、どれも興味深く読んだ。
読了日:06月10日 著者:
プロ野球新世紀末ブルース ――平成プロ野球死亡遊戯 (ちくま文庫)プロ野球新世紀末ブルース ――平成プロ野球死亡遊戯 (ちくま文庫)
読了日:06月11日 著者:中溝 康隆
心理臨床と身体の病 (放送大学教材)心理臨床と身体の病 (放送大学教材)
読了日:06月12日 著者:小林 真理子
だから、もう眠らせてほしい 安楽死と緩和ケアを巡る、私たちの物語だから、もう眠らせてほしい 安楽死と緩和ケアを巡る、私たちの物語感想
後半、松本俊彦と新城拓也が登場するところは重要な問いが詰まっているのではないか。つまり、逡巡しながら患者の声や悩みを聞くことは可能なのではないか。なので著者が最終的に、社会的処方が大事なんです!という一つの方向を提示することに対してはやや懐疑的なまま読み終えた。思想の違いと言えばそれまでかもしれないが。
読了日:06月13日 著者:西 智弘
貧困・介護・育児の政治 ベーシックアセットの福祉国家へ (朝日選書)貧困・介護・育児の政治 ベーシックアセットの福祉国家へ (朝日選書)
読了日:06月14日 著者:宮本太郎
臨床に活かす基礎心理学臨床に活かす基礎心理学
読了日:06月15日 著者:
世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)
読了日:06月16日 著者:菅原 琢
他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学 (集英社新書)他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学 (集英社新書)
読了日:06月16日 著者:磯野 真穂
ヤングケアラーってなんだろう (ちくまプリマー新書)ヤングケアラーってなんだろう (ちくまプリマー新書)感想
ちくまプリマーらしい、入門的でありながら非常にバランスのとれた一冊。将来的にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー興味があるのでこの職種について言及した箇所は個人的に面白く読めた。
読了日:06月17日 著者:澁谷 智子
治療文化論: 精神医学的再構築の試み (岩波現代文庫)治療文化論: 精神医学的再構築の試み (岩波現代文庫)
読了日:06月17日 著者:中井 久夫
使いみちのない風景 (中公文庫)使いみちのない風景 (中公文庫)
読了日:06月17日 著者:村上 春樹
子どもは40000回質問する (光文社未来ライブラリー Mレ 1-1)子どもは40000回質問する (光文社未来ライブラリー Mレ 1-1)
読了日:06月18日 著者:イアン・レズリー
依存症と回復、そして資本主義 暴走する社会で〈希望のステップ〉を踏み続ける (光文社新書 1201)依存症と回復、そして資本主義 暴走する社会で〈希望のステップ〉を踏み続ける (光文社新書 1201)
読了日:06月18日 著者:中村 英代
人間らしさとは何か : 生きる意味をさぐる人類学講義 (河出新書)人間らしさとは何か : 生きる意味をさぐる人類学講義 (河出新書)
読了日:06月24日 著者:海部陽介
心理カウンセリング序説―心理学的支援法 (放送大学教材)心理カウンセリング序説―心理学的支援法 (放送大学教材)感想
歴史的な展開も含めてカウンセリング技法を学ぶというスタイルの一冊。後半には地域援助やアウトリーチなど現代の臨床的な記述も多くあり、歴史〜現在まで一冊で幅ひろく学習できる。
読了日:06月26日 著者:大山泰宏
タイムバインド: 不機嫌な家庭、居心地がよい職場 (ちくま学芸文庫 ホー 24-1)タイムバインド: 不機嫌な家庭、居心地がよい職場 (ちくま学芸文庫 ホー 24-1)感想
期待どおりの面白さだった。訳者あとがきにもあるように、本書で記述される90年代アメリカ社会の(あくまで一つのサンプルではあるが)労働のスタイルと家庭との両立の葛藤は、現代日本が直面している問題と同じように重なる。『管理される心』もそうだったが、参与観察的なフィールドワークによって得られる生の声の一つ一つがどれも人間らしくて面白く、そして胸を打つ。学術的なノンフィクションとしてアメリカでもベストセラーになったというには、そうした本書の書きぶりも大きく影響していそうだ。
読了日:06月27日 著者:A・R・ホックシールド
アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した (光文社未来ライブラリー Mフ 1-1)アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した (光文社未来ライブラリー Mフ 1-1)
読了日:07月08日 著者:ジェームズ・ブラッドワース
公認心理師試験 出題実績から学ぶ頻出キーワード公認心理師試験 出題実績から学ぶ頻出キーワード感想
直前期の復習に使った。本が分厚いので持ち歩きにくいのでKindle版がよかったかも。それぞれのキーワードについての説明がコンパクトで(やや物足りない箇所もあるが)使いやすい本ではあると思う。
読了日:07月16日 著者:公認心理師試験頻出キーワード編集委員会
SHOーTIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男SHOーTIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男
読了日:07月18日 著者:ジェフ・フレッチャー
問いからはじめる家族社会学〔改訂版〕: 多様化する家族の包摂に向けて (有斐閣ストゥディア)問いからはじめる家族社会学〔改訂版〕: 多様化する家族の包摂に向けて (有斐閣ストゥディア)感想
2015年に出た同書の改訂版。この7年の間に安倍政権による「女性活躍」政策が展開され、幼保無償化や子ども・子育て支援法の浸透などによって子育て支援も大きく様変わりしたが、家族社会学的にはこうしたアクチュアルなテーマをどのようにとらえることができるだろうか? というメディアがなかなか着目しない点を教科書の形で一つずつ深堀りしてゆくのがとてもよい。
読了日:07月19日 著者:岩間 暁子,大和 礼子,田間 泰子
趙紫陽 極秘回想録 上 天安門事件「大弾圧」の舞台裏 (光文社未来ライブラリー)趙紫陽 極秘回想録 上 天安門事件「大弾圧」の舞台裏 (光文社未来ライブラリー)
読了日:07月24日 著者:趙 紫陽,バオ・プー,ルネー・チアン,アディ・イグナシアス
フィンランド語は猫の言葉 (角川文庫)フィンランド語は猫の言葉 (角川文庫)感想
Chapters2022年6月配本
読了日:07月24日 著者:稲垣 美晴
逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白 (小学館新書 425)逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白 (小学館新書 425)
読了日:08月08日 著者:高橋 ユキ
社会福祉調査の基礎社会福祉調査の基礎感想
通信制大学の講義用テキスト。量的調査、質的調査それぞれの基礎的な内容が網羅されている。
読了日:08月13日 著者:
セカンド・シフト 第二の勤務―アメリカ 共働き革命のいまセカンド・シフト 第二の勤務―アメリカ 共働き革命のいま
読了日:08月17日 著者:アーリー ホックシールド
疎開日記-谷崎潤一郎終戦日記 (中公文庫 た 30-60)疎開日記-谷崎潤一郎終戦日記 (中公文庫 た 30-60)感想
本編と言って良い疎開日記には生々しい記録が多く残るが人との交流も活発で食事のエピソードも多い。戦禍の中で『細雪』の執筆が少しずつ進んでいたこともよくわかる。戦後の記述にも面白さや発見があり、合わせて読めるのがよかった。
読了日:08月29日 著者:谷崎 潤一郎
自分を諦めない - 191針の勲章 -自分を諦めない - 191針の勲章 -感想
石川雅規ファンは全員読むべき。
読了日:08月29日 著者:館山 昌平,長谷川 晶一
ウクライナ戦争は世界をどう変えたか 「独裁者の論理」と試される「日本の論理」ウクライナ戦争は世界をどう変えたか 「独裁者の論理」と試される「日本の論理」
読了日:08月31日 著者:豊島 晋作

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 2022年のベスト15冊を発表します。基本的に22年刊行の本にしていますが、一部21年の秋冬刊行も含みます。ちょっとだけ。
 コメントについては、mediumに書評を書いている本はmediumのリンクを貼るので省略して、書いてない本についてはコメントしていきます。

◆単行本

1.鈴木忠平『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』



 落合博満よりもあくまでその周辺、コーチであったり選手であったりの取材を濃密にこなすことで「落合博満が監督として中日にもたらしたもの」を提示してゆくタイプのスポーツドキュメンタリー。ヤクルトファン的には2011年のイメージが強いが(最後の最後に逆転されてペナントを獲得できなかった年)、内部の目線で落合がどう見られていたか、ここまで詳しく聞き取って書いたメディアはなかったと思う。プロ野球のシーズンオフに刊行されたが売れ行きも好調なようで、その価値のある一冊。

2.マルレーヌ・ラリュエル『ファシズムとロシア』

ファシズムとロシア
マルレーヌ・ラリュエル
東京堂出版
2022-02-26





3.エドワード・J・ワッツ『ヒュパティア:後期ローマ帝国の女性知識人』

ヒュパティア:後期ローマ帝国の女性知識人
エドワード・J・ワッツ
白水社
2021-11-13





4.A.R.ホックシールド『タイムバインド:不機嫌な家庭、居心地がよい職場』



 『管理される心』や前作にあたる『セカンド・シフト』がそうだったが、参与観察的なフィールドワークによって得られる生の声の一つ一つがどれも人間らしくて面白く、そして胸を打つ。学術的なノンフィクションとしてアメリカでもベストセラーになったというには、そうした本書の書きぶりも大きく影響していそうだ。本書の舞台は90年代アメリカだし、翻訳されたのもしばらく前だが、文庫版解説の筒井淳也の「現代的解題」がめちゃくちゃ重要なので2022年の本に加えた。

5.岩間 暁子・大和 礼子・田間 泰子『問いからはじめる家族社会学〔改訂版〕: 多様化する家族の包摂に向けて』



 2015年に出た同書の改訂版。この7年の間に安倍政権による「女性活躍」政策が展開され、幼保無償化や子ども・子育て支援法の浸透などによって子育て支援も大きく様変わりしたが、家族社会学的にはこうしたアクチュアルなテーマをどのようにとらえることができるだろうか? というメディアがなかなか着目しない点を教科書の形で一つずつ深堀りしてゆくのがとてもよい。近代家族の成立と変容、親密圏の変化、ジェンダーやセクシャルマイノリティへの着目・・・などなど、この分野の射程は広く、これからさらに社会が変容したとしても重要さは失われない。

6.ジェフ・フレッチャー『SHOーTIME 大谷翔平――メジャー120年の歴史を変えた男』





7.額賀美沙子・藤田結子『働く母親と階層化:仕事・家庭教育・食事をめぐるジレンマ』


 触れるべき話題が多いので手短に済ませるが、働く母親の置かれた労働環境や生活環境が学歴によって非常に差がついていること、そして大卒と高卒の差と同じくらい、専門卒と高卒の差が重要である可能性などについて分析されているのが面白かった。前述したホックシールドや、中野円佳(2014)などに関心のある人は手に取ってほしい一冊。




8.永田豊隆『妻はサバイバー』

妻はサバイバー
永田 豊隆
朝日新聞出版
2022-04-28





◆新書

9.小泉悠『ウクライナ戦争』

ウクライナ戦争 (ちくま新書)
小泉悠
筑摩書房
2022-12-08




10.清水晶子『フェミニズムってなんですか? 』



 一冊でコンパクトにフェミニズムを理解する本がなかなかなく、故竹村和子の『フェミニズム』は優れた一冊だが20年以上前の刊行のため現代の潮流を完全に反映しているわけではないことに対する歯がゆさは長いこと持っていた。そのため、現代のフェミニズム研究者が書く、コンパクトで読みやすく、テーマも広い(例えばセックスワークに関する議論も積極的に扱っている)本書はこれからも重要な一冊になりうると思う。

11.塚原久美『日本の中絶』

日本の中絶 (ちくま新書)
塚原久美
筑摩書房
2022-08-08


 女性の中絶については女性の健康の保全や女性の自己決定権などの文脈で議論されることが多く、一般的に宗教的な理由で中絶を許容しないアメリカ共和党と民主党との対立は2022年にもかなり悲しい形で実現されてしまった。そうした政治的争点になりがちなこのテーマを、日本の歴史的文脈からすくい上げる一冊。多くの先進国が中絶を法的に禁止していた時代に日本は中絶を許容し(旧優生保護法)、しかし結果的に世界の趨勢とは逆コースをたどっていく日本の戦後史のジレンマを理解することは、現代的な文脈で女性の妊娠・出産を議論する上で重要な視点だろうと感じた。

12.共同通信社運動部『アスリート盗撮』

アスリート盗撮 (ちくま新書)
共同通信社運動部
筑摩書房
2022-09-08



 コロナ禍の影響で外部取材が難しくなった共同の若手女性記者二人の企画からスタートし、上司の協力を得ながら作り上げていく制作過程についても興味深く読んだ。陸上や水泳、バレーボールやフィギュアスケートなどいくつかの競技でアスリート盗撮が以前から問題になっており、それぞれの業界で取り組みが行われてきたこと。ジュニアの世代への盗撮被害の広まりは、競技を目指す少女たちの門を閉ざすことにもなっていることなどが取材でつづられるが、JOCを動かす試みが印象に残った。競技ごとの取り組みも重要だが、もっと上のラインから啓発、対策を行うことがスポーツ界の健全な発展に重要なことだろうと改めて思う。

 また、自分自身が陸上競技の短距離出身のため、元短距離選手だった高平慎士が積極的にこの問題に取り組んでいるのもうれしかった。高平がこの記事で語っているように、盗撮は何もスポーツの世界の問題だけではないので、スポーツ界が社会に対して発信していくことには二重の意義がある。




13.秦正樹『陰謀論』



 副題に「民主主義を揺るがすメカニズム」とあるように、ソーシャルメディアを媒介とするような陰謀論の現代的流布が、実際に個人の政治的信条にどのような影響を与えているのかをさまざまな実験やサーベイで明かしていく一冊。新書だが新書クオリティを超えており(調査デザインをかなり手短に説明しているのが新書っぽいなとは思ったが)、読み応え十分。

◆文芸

14.斎藤真理子『韓国文学の中心にあるもの』

韓国文学の中心にあるもの
斎藤真理子
イースト・プレス
2022-07-28




15.ファン・ジョンウン『年年歳歳』

年年歳歳
ファン・ジョンウン
河出書房新社
2022-06-24


 久しぶりにファン・ジョンウンを読んだが、ある家族の歴史をシビアに、かつ優しく書き上げる良い一冊だった。歳月が人を救うことはきっとある。そしてその時に過去に思いを馳せることもまた、重要なことだ。


 以上。
 今年は小説が全然読めなかったことがよく分かったので来年はもっといっぱい読んでいきたい。他方でジェンダーに関する本(3,4,5,7,8,10,11,12)が非常に多く(15も女性の歴史を書いているのでジェンダーの話題には当然触れている)、そのあとに野球(1,6)や政治(2,9,13)が来るのが自分の関心を分かりやすく表しているなと感じた。

 そういう2022年でした。来年もいっぱい読めますように。
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 過去のエントリーを遡って確認してみたが6年ぶりらしい。前回2015年は社会人1年目の終わりでした(遠い目)
 いつも通り、今年リリースされたものからの選出なので旧作は含まず。こちらもいつも通り3つずつ選んでるけど順不同です。順不同のベスト3といったところでよろしくどうぞ。


●小説
1.乗代雄介『旅する練習』講談社
2.サニー・ルーニー『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』早川書房
3.カン・ファギル『別の人』

旅する練習
乗代雄介
講談社
2020-12-28


カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ
サリー ルーニー
早川書房
2021-09-02


別の人
カン・ファギル
エトセトラブックス
2021-08-26



●ノンフィクション
1.郝景芳『人之彼岸』早川書房
2.鈴木忠平『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』文藝春秋
3.ケイト・マーフィ『LISTEN』
次点:『現代思想2021年9月号:特集=<恋愛>の現在』、『ユリイカ2021年11月号:特集=綿矢りさ』





LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる
ケイト・マーフィ
日経BP
2021-08-05







●社会科学
1.マイケル・フリーデン『リベラリズムとは何か』ちくま学芸文庫
2.アン・ケース&アンガー・ディートン『絶望死のアメリカ』みすず書房
3.山口慎太郎『子育て支援の経済学』
次点:濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か:正社員体制の矛盾と転機』岩波新書

リベラリズムとは何か (ちくま学芸文庫)
マイケル・フリーデン
筑摩書房
2021-03-12


絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの
アンガス・ディートン
みすず書房
2021-01-18


子育て支援の経済学
山口 慎太郎
日本評論社
2021-02-15





●映画
1.『ひらいて』
2.『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
3.『KCIA 南山の部長たち』
次点:『劇場版 きのう何食べた?』、『ファーストラヴ』

●音楽(アルバム)
1.あたらよ『夜明け前』


2.Pastel*Palettes 「TITLE IDOL」


3.Hakubi「era」


次点:Awesome City Club「Grower」


次点:ユアネス「6 cases」
6 case
HIP LAND MUSIC, FRIENDSHIP.
2021-12-01



●音楽(楽曲)
1.Homecomings「Here」


2.フィロソフィーのダンス「テレフォニズム」


3.武藤彩未「SHOWER」


次点:にしな「ヘビースモーク」


 にしなはこのライブ映像がかなりよいので置いておく。



次点:ヨルシカ「春泥棒」


 ヨルシカも公式がライブ映像の一部をアップしている。配信で見ていたが、そういえばこのライブも今年だったな。

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 まずはベスト10から。

1.映画刀剣乱舞
2.響け!ユーフォニアム 〜誓いのフィナーレ〜
3.ビューティフル・ボーイ
4.バーニング 劇場版
5.沈没家族 激情版
6.さよならくちびる
7.海獣の子供
8.ホットギミック ガールミーツボーイ
9.人生をしまう時間
10.ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス
次点:天気の子ウトヤ島、7月22日
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 すげー適当なタイトルだけど、いまの率直な気持ちはこういうところです。要は、今年はこういう年だった、というのが無い。とりたてて。前の仕事を退職して、引っ越して、新しい仕事を始め、なんとかそれに食らいつくようにして過ごして、そして空いた時間に膨大に本を読んだ。つまるところ、それ以上に特筆すべきことは無い。我々の業界でよく使われる表現で言うと、特記事項なし、というやつ。

 読んだ小説とか、見た映画とか、そういうのは個別にまた振り返ろうと思うんだけど、自分自身の仕事とか、生活とか、人生とかを考えた時に、何が残されたのだろうかと考えると非常に難しい一年だった。とりあえず給料は上がったがそれは転職したからであって、いまの仕事で求められるスキルにはとうてい及ばない。アラサーではあるが精々一年目の立場でしかないということだ。

 まあそんなことは分かっているから別にかまわないのだけれど、それを抜きにしても人生の選択というのは難しいな、と思う。逆に言えば、それが人生なのだろうということを、自分の身を持って学んだということかもしれない。お金を払っての学びではなくて、いただきながらの学びだったので(仕事なので)ある意味贅沢である。


*******


 考え方を変えれば、自分にとってどのような仕事をするかは思った以上に重要だ、ということも身に染みて分かった一年ではあった。選び取ったものが最善とは限らない。他方で、選べなかったものが最悪でもない。自由恋愛がいいか見合い結婚がいいかみたいな話かもしれないい。どちらにせよ、後の結果は保証されない。皮肉なものである。

 そういう流れで2018年をちゃんと振り返ってしまうと、大いに反省して2019年に生かす、みたいなことになるので、あえて2018年は振り返らない。ただ、いま感じていることをこうやってブログに残しておく。こうすることで、2018年が結果的に自分にとってどういう一年だったかは、未来の自分が判断してくれる、はず。

 思えば去年の年末は神戸で映画『ハッピーアワー』を見ていて、人生のままならなさというものと、でもそれが人生だよなっていうことを寒空の中で感じたりもしていた。それが他人の人生であれ、自分の人生であれ、人生というものは誰にでも平等に訪れる。

 やるべきことは、生き延びていくしかないのかなというシンプルなところであって、2019年はもう少しマシな形で生き延びていきたいと思っているよ。だから今年は振り返らない。その分、これからもうちょっと、人生をいろいろ模索してみたい。このままで留まり続けて歳をとっていくのは嫌だ、ということだけはよくわかっている。はずなので。


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 Evernoteに下書きだけしておいて投稿していなかったのでいまさらですが振り返ります。

劇場(17本)
・『傷物語 機戞イオンシネマ高松東
・『ザ・ウォーク』@イオンシネマ高松東
・『スティーブ・ジョブズ』@ホールソレイユ
・『同級生』@イオンシネマ宇多津
・『劇場版 響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』@イオンシネマ綾川
・『ヤクザと憲法』@ホールソレイユ
・『ずっと前から好きでした 告白実行委員会』@シネリーブル神戸
・『ちはやふる 上の句/下の句』@イオンシネマ高松東
・『64 ロクヨン 後編』@イオンシネマ高松東
・『シン・ゴジラ』@バルト9
・『劇場版アイカツ! ねらわれた魔法のカード』@バルト9
・『劇場版 アイカツスターズ!』@バルト9
・『君の名は。』@イオンシネマ高松東
・『聲の形』@イオンシネマ綾川、ピカデリー新宿
・『この世界の片隅に』@イオンシネマ岡山
・『ポッピンQ』@イオンシネマ高松東

 劇場新作が17本で、そのうちアニメが10本なのは今年の象徴かな。『ちはやふる』は漫画原作だし、『シン・ゴジラ』は言わずもがななので、今年の傾向がよくわかる。というか全然洋画見てなかったのな、今年は。
 20行ったかなと思ったど後半は月1ペースになっているのでまあこんなものでしょう。『聲の形』だけは二回見に行ってます。
 『君の名は。』については『アニクリ』vol.5.5で、『聲の形』については『アニバタ』vol.16で長めの文章を書いています。

アニバタ Vol.16 [特集]聲の形
すぱんくtheはにー
アニメ・マンガ評論刊行会(販売:密林社)
2017-01-17



 それと、『ずっと前から好きでした』、『劇場版ユーフォ』、『同級生』、『劇場版アイカツスターズ!』、『劇場版アイカツ!』については『Fani通 2016年上半期』に短評を寄せているので、こちらも合わせてぜひ。
 Filmarksではどれも3点以上つけていて不満らしい不満は少なく、数はやや物足りないものの楽しめた一年。
 ランキングをつけるとするとこんな感じかな。映画館で見る映像作品としての体験のすごさ、みたいなのを重視した。

1.劇場版 響け!ユーフォニアム
2.聲の形
3.同級生
4.シン・ゴジラ
5.ザ・ウォーク
6.劇場版アイカツ!スターズ
7.この世界の片隅に
8.ヤクザと憲法
9.君の名は。
10.ポッピンQ

 もちろん映像体験だけでパッケージは成功しないし、それだけではつまらないのだけど、上位5作品はどれも物語のすごさと演技演出面でのインパクトがあってこそ、音や映像が一つのものとしてとてつもないところまで行ってしまったなという感じがある。
 ユーフォ劇場版は一期の再構成になるわけですが、ほとんど別のものとして提示されたようなインパクトは2時間にもう一度おさえこむ、という制約がプラスに働いた証拠。『聲の形』と『同級生』は映像もさることながら音がとてもよかった。
 いやまあ音楽ものであるユーフォも音は言うまでもないんだけど、この二作品の音へのこだわりは音が映像を引き立てるだけでなく、映像もまた音を引き立てるという相互作用がパーフェクトだったんだろうと思う。この点は『劇場版アイカツスターズ!』のクライマックスも同様だし、『君の名は。』は言うまでもなく。
 『ポッピンQ』を推す理由はいろいろあるんだけど、おジャ魔女どれみを通ってきたという個人的な体験が下支えしてくれるエモさに乗っかれたから。たぶんこれに乗っかれるかどうかで、要はかつて思春期だったころをフラッシュバックさせることができるかどうかが重要なのかなと思う。アニメっていうのはある程度の世代を狙い撃ちしたものでよかったはずで、この戦略自体は間違ってないと思う。
 であるがゆえになぜ、なぜ12月に公開してしまったのか、という疑問だけが重くのしかかるんだけれども。

自宅(7本)
・『舟を編む』(2013年)
・『Wの悲劇』(1984年)
・『たまこラブストーリー』(2014年)
・『劇場版 神戸在住』(2015年)
・『ハーモニー』(2015年)
・『マイブルーベリーナイツ』(アメリカ、2007年)
・『リップヴァンウィンクルの花嫁』(2016年)


 TSUTAYAにもよく行ったはずなのだが、アマゾンプライムビデオを積極的に使ってた気がする。プライムビデオがなければ『Wの悲劇』をちゃんと見る機会もなかなかなかった。
 今年は職場近くのTSUTAYAが少し離れたところに移転するのでさらにTSUTAYAから遠ざかりそうな気がしている。
 配信もまだまだ使いこなせていないので、来年はもっと積極的に使っていきたい。ちなみに今年はNetflixにも加入した。のんきり映画ばっかりは見てられないだろうが、元はとれるように見ていくつもり。
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 明けましたが、2015年のベストアルバムを選びました。10枚にしようと思ったけど絞りきれなかったし2015年だしということで15枚にしてみた。勢いで20枚くらいでもよかったけど、まあそれはまたいずれ。
 去年、一昨年とやってきた企画なので過去のエントリーもはっておきます。
2014年のアルバム10枚+2曲
2013年のアルバム10枚

 それでは、今年の15枚いってみます。番号はふってあるけど順不同。ジャンルは思ったよりも偏った感。

1.坂本真綾『FOLLOW ME UP』
FOLLOW ME UP(初回限定盤)(DVD付)
坂本真綾
FlyingDog
2015-09-30


 以前全曲レビューをやったのでくわしくはそちらを。
 リリースしてから数ヵ月が経つがいまだにヘビロテしている。国際フォーラムでのカウントダウンライブ組にうらやましさを感じつつ、16日の高松公演を楽しみに。ってかまあやが高松に来るとはさすがに思わなかった。当日が楽しみ。

2.南條愛乃『東京 1/3650』
南條愛乃/ 東京 1/3650(初回限定盤CD+Blu-ray×3)
南條愛乃
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2015-07-22


 グリザイアシリーズの楽曲になった「あなたの愛した世界」、「黄昏のスタアライト」、「きみを探しに」を筆頭に南條の-icec力強い声が響き渡るとても耳に優しいアルバム。
「スタアライト」はfSでコンビを組むsatが手掛けているためエレクトロ色全開のアッパーなナンバーだが、「きみを探しに」で歌い上げる切ない恋模様の様子など、幅広く自由に歌えるいまの南條を象徴している。
 タイアップ以外だとTr.2の「believe in myself」やTr.9「Recording.」のようなまるで南條自身のことを歌っているようなナンバーがいい。こういう曲はグループやユニットではなく、ソロで歌うからこそ意味を持つ。

3.牧野由依『タビノオト』
タビノオト(初回限定盤)(DVD付)
牧野由依
インペリアルレコード
2015-10-07


 待望と言って大げさにならない4thアルバム。歌手活動10周年、前作『ホログラィー』から4年かけてのアルバムなのでほんとうに待ってましたという感じ。
 Tr.1の「ワールドツアー」のノリにはちょっと驚かされつつも、Tr.3の「囁きは"Crescendo"」を聴くとやっぱこの人すごい・・・と思わせられる。音大に通っていたとはいえそれはあくまでピアノのためにだとは思うけれど、牧野由依のようにあまりにもナチュラルに歌える声優をいまのところ知らない。彼女の場合、ナチュラルさがそのままかわいいという声の質を持っていて、花澤香菜のようなかわいすぎるとしか言えない声とはまた別の「かわいい歌声」を持った希有な人だなということを再確認した。あと、ピアノとこんなにきれいに混ざる声っていうのもなかなかないんじゃないか。
 『ARIA』シリーズの主題歌を手がけていたころから天使のような歌声を持つ人だとは思っていたけれど10年経ったいまもなお、ならこれからも楽しみでしょうがない。音楽活動のほうでは紆余曲折のあった10年だったが、次の10年もしっかり見守っていこう。

4.戸松遥『Harukarisk*Land』
Harukarisk*Land(初回生産限定盤)
戸松 遥
ミュージックレイン
2015-03-18


 アルバムタイトルからも分かるように、自分の色をつめこんだかのような一色。戸松といえば高身長を生かした快活さであったり、とびっきりの明るさであるわけだけど、とにかく元気、元気すぎる一枚。その中だとタイアップになったTr.2「courage」のやや硬派な感じは逆に目立つ。逆にTr.8「PACHI PACHI PARTY」のほうはアルバムの中でも完全になじんでいる。
 前作『Sunny Side Story』ももちろんいいアルバムではあったんだけど、今作のほうがより楽しさが伝わってきてクオリティどうこうよりもそっちに好感を持てる。Tr.3「ラブ ローラー コースター」には「自分らしくあれ 下手にバランスとらないでいいのさ」という歌詞があるが、戸松自身がこのアルバムでその詞の中身を十分体現できていると思う。
 ライブ、行きたさがある。

5.花澤香菜『Blue Avenue』
Blue Avenue
花澤香菜
アニプレックス
2015-04-22


 もはや歌う声優というよりは一人のシンガーとしての活動が定着してしまったかのように思う3rdアルバム。
 シングルから収録されている「ほほえみモード」、「こきゅうとす」、「君がいなくちゃだめなんだ」の三曲がやはり完成度の高さからすると目立つ。いろんな作り手が花澤の声を試し、あるいは遊んだりして(「こきゅうとす」を手がけたやくしまるえつこからはそんな匂いがぷんぷんする)きた結果がこれ、という感じ。
 全体としてはいままでの流れ通り渋谷系リバイバルという色はあるものの、Tr.1の「I LOVE NEW DAY」なんかを聴いているとありふれたいまどきのシティポップを花澤なりに歌っている、というようなイメージに近い。ありふれているというのは悪い意味ではなくて、もう歌手活動一年目のような新鮮さはいい意味でないのだから、過度なキャッチーさはいらない。
 それよりも自由で、ちょっとふわふわとした、花澤香菜の持っている声が素直に使われているところに大きな満足を覚える。

6.Faint*Star『PL4E』
PL4E [CD+DVD盤]
Faint★Star
Faint Star Tokyo
2015-07-07


 一年ほどしか追いかけられなかったとはいえトマパイのファンだった人間としてはあのサウンドが帰ってくるかもしれないと期待した一枚。先行したシングル2枚から8曲を収録しているので、アルバムのみの新曲はさほど多いわけではないが、一枚通して聴くってのはやはり何とも言えない快感なのだと感じる。
 たとえばTr.5「スライ」、Tr.6「フィルム! フィルム! フィルム!」からのTr.7「今夜はRIDE ON TIME」までの一連の流れを味わえる感覚。力強さとかわいらしさを兼ね備えているのは当然として、洗練されたメロディが彼女たちを鮮やかに彩る。Tr.2「Boyfriend A.S.A.P.」のようなキャッチーなメロはむしろイレギュラーなんじゃないかと錯覚してしまうほど、HINAとYURIAが二人して歌っていることをもっとちゃんとみつめてあげないといけない。(それがなによりこのユニットの真骨頂であるはずだ)
 「今夜はRIDE ON TIME」に関しては明らかに歌詞が狙いすぎなんだけど(どこかのインタビューでHINAが「大丈夫なの?」って驚いてた気がする)まあけどこの二人ならしゃーないよねってなる。たぶん。
 ひところのももクロやベビメタなんかもそうだけど、いまのアイドル業界がポストかわいいをほしがっているのだとするならばこのユニットはもっと上まで突き進んでほしい。

7.アップアップガールズ(仮)『サードアルバム(仮)』
サードアルバム (仮)(初回限定盤)
アップアップガールズ(仮)
T-Palette Records
2015-03-17


 去年出た『セカンドアルバム(仮)』の感想に「総じて最高だった」って書いてたけどこのアルバムもすさまじかった。
 47都道府県ツアーの公演に参加したからかもしれないが、こんなにすごかったっけって思うほどのダンスダンスダンス。そしてもちろん声を上げて歌いまくるし、観客を煽りまくる。「虹色モザイク」をライブで聞いたときの多幸感は捨てがたいけど、リード曲の「Beautiful Dreamer」の力強さも彼女たちの強い魅力だし、かわいさとかっこよさと力強さをぐるぐるにミックスして自分たちだけのアイドル像を作り上げようとしているのはほんとうに素晴らしいと思う。
 願わくばそのハードなスタイルに身体が追い付かないことのないようにと思ってしまうが、それは少しお節介かもしれない。

8.Negicco『Rice&Snow』
Rice&Snow
Negicco
T-Palette Records
2015-01-20


 昨年リリースした「光のシュプール」というシングルに虜になってしまい、そんなに深い思い入れやリスナー体験があったわけではないけどアルバムを購入してしまった。そしてまったく後悔しなかったのでたいへん満足している。
 若いと言っては語弊があるかもしれないがキャリア10年以上を数えるだけあって、若さやかわいらしさを売りにするアイドルたちとは違って多様なトラックメーカーの提供した楽曲にどうやって乗るか、その質が重要なのだと思う。
 たとえば「トリプル! WONDERLAND」のような明るくキャッチーなアンセムソングと歌いやすいメロディと音程とは言えない「BLUE, GREEN, RED AND GONE」のいずれもを質を落とさずに歌うのは容易ではない。
 大人っぽいアイドルとは単に大人のセクシーさのようなものを売りにするんではなくって、ちゃんとキャリアを重ねてきたことを示せばいい。Negiccoを聴いて満足かつ安心できるポイントがあるとすればそれだろう。でなければここまでファンだけでなく楽曲提供者から愛されるユニットにはならない。

9.Tokyo 7th Sisters『H-A-J-I-M-A-L-B-U-M-!!』
H-A-J-I-M-A-L-B-U-M-!!
Tokyo 7th シスターズ
DONUTS
2015-05-20


 アニソン、声優業界では今年一番の衝撃。ナナシスはこれだけアイドルものが続いたあとだとだいぶ後発の企画になるわけだけど、2010年代以降のトレンドを象徴するトラックメーカーを集めたこのアルバムはまさしく未来を生きているよう。
 ゲームは全然やっていないけどこの作曲陣なら信頼できると思いアルバムを購入し、Tr.1の「H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A-!!」とTr.2の「Cocoro Magical」を聞くだけであっというまに虜になってしまった。文字通り始まり、スタートラインにたった心境を歌う歌に「どんなに遠くたって春舞う綿毛のように」という目に浮かぶようなきれいな歌詞がつらなっていく。十分に期待感を高めたあとの「Cocoro Magical」のキュートな歌詞にめちゃくちゃときめく。
 最初のうちはこの二曲をひたすらリピートしてたけど全体的にかなりサウンドの幅があって、時には等身大の女の子であったり背伸びをしたい女の子だったりといったポップな歌詞を若手の声優陣が歌にこめている。
 全体的には元気で明るく、かわいい曲が目立つなかでWITCH NUMBER 4というユニットの歌う「SAKURA」はひときわ目立つ。この曲だけがとびっきりに切なくて、メロディアス。
 あとまあ、手掛けている人たちの名前や経歴を見れば瞭然だが、どの曲もとにかく踊れる。なので1stライブ行った勢がうらやましくてたまらなかった。
 本当に、ナナシスはいいぞ。

10.STAR☆ANIS『SHINING STAR*』


 『アイカツ!』二期の集大成となるアルバム。今回も二枚組。一期より二期が、特にドリアカ勢が好きな勢としては「ハッピィクレッシェンド」を幾度となく再生したか分からない。
 それと、映画を見たあとに「SHINING LINE」を聴くとアイカツ!という作品がつくってきた物語の魅力をこれほどきれいに鮮やかに凝縮できるんだと感動してしまう、いまだに。
 アニメのシーンがまざまざとよみがえる、至福の二枚組。

11.AIKATSU☆STARS『JOYFUL DANCE』
Joyful Dance
AIKATSU☆STARS!
ランティス
2015-06-24


 こっちは大空あかり世代の三期を彩る最初のアルバム。歌い手も交代して、まさに新時代の始まりという感じ。
 アルバムのタイトルと絡めるなら新世代の中でもニューウェーブである黒沢凛のソロ曲、Tr.3「MY SHOW TIME!」だろう。たとえばあまふわなでしこのTr.6「恋するみたいなキャラメリゼ」と比べると曲も歌詞も驚くほど違うけれど、いずれもキャラクターの個性に寄り添う形で生まれている曲で、魅力的。キャラソンというよりは持ち歌として聴くほうがいい。
 
12.米津玄師『Bremen』
Bremen (初回限定盤)(CD+DVD) (映像盤)
米津玄師
Universal Music =music=
2015-10-07


 ハチとしてボカロ界隈をとどろかせていたころの活動はある程度追っかけていて、同人時代のアルバムもしっかり持っているわけだけど、メジャーに行ってからはさほど追いかけてなかった。 
 ただあるときラジオを流していたら彼がゲストとして表れてトークをしておりアルバムのリードトラックである「アンビリーバーズ」を聞いた瞬間なんだこれは、と思ってしまった。生身の彼はボーマス会場で何度か見たことがあったし(もうずいぶん前のことではあるが)彼が自分の言葉で歌っているとして違和感が全然なくて、渇いている声で情熱的に歌い上げる様にバンプの藤原を重ねなくもない。
 ボカロPをしているころから変わらないことがあるとすれば(というといくらか失礼かもしれないが)一つ一つの曲にはっきりとした物語を持ったタイプのミュージシャンであるということ。もうひとつ、私性を歌うシンガーソングライターというよりは、ソロではあるがバンド志向の音楽を作っていること。適切な説明ではないかもしれないが、歌詞だけじゃなくてサウンド面でも彼の音楽はギタ一本ではきっと物足りなさを感じる。
 「アンビリーバーズ」を聞いて思ったその感覚は、Tr.4の「Flowerwall」でもう一度強化される。彼は僕「たち」や僕と「君」といった形での複数形の物語を歌い上げるし、それがいまも昔もしっくりくる。
 
13.Chouchou『ALEXANDRITE』
ALEXANDRITE (BICOLOR EDITION)
Chouchou
Ulula Records
2015-04-25


 インスト曲も含んではいるがボーカルメインの楽曲を中心に構成されたアルバムとしてはかなり久しぶり、かつ2014年の『piano01 oto』に続くフィジカル盤のリリースとなった。クオリティの高い美麗なアートワークはブックレットの作り込みにも及んでいて、素晴らしさしかない。
 Tr.1の「fjord」でjulietの声がほとんどまったく変わってないことに安心するし(一定のキャリアはあるはずだがいろいろと謎の多い人だ)julietの可憐な声を支えるピアノサウンドの秀逸さも相まって期待感が高まる。
 なんと言っても言及すべきはTr.12の「Innocence」だろう。今回収録された新曲で、かつMVも作られている楽曲だが、Chouchouにしてはキャッチーで耳に残るサウンドで、わりかし王道寄りの楽曲でもある。
 ただ、7分25秒の長さの中にこめられているのは王道なんてものではなくって、最後に持ってくるしかない物語性のこめられた一曲になっている。ハッピーエンドとバッドエンドの中間というか、何かの終わりにゆるやかに向かっていくような心情が(MVと合わせて見るとなおさらに)とても美しい。


14.仮谷せいら『Nayameru Gendai Girl』
Nayameru Gendai Girl
仮谷せいら
PUMP
2015-12-16

 
 12月にリリースされた2ndEP。1stよりもより私性がポップに表れた表題曲はとても楽しい。1stのころはまだややぎこちなかった歌い方ものびのびと明るく、どこか吹っ切れたように歌っているところはとても魅力。
 Tr.5の「夜が終わるまで」はいままであまりなかったようなテイストの曲で、この曲があることで仮谷せいらの表現の幅を見ることができた。ただかわいく明るく歌えるだけの若い女性シンガーならたぶんたくさんいるだろうけど、自分で詞も曲も作り、あえて背伸びをせずにしっとりと自分たちのことを歌い上げる様には何とも言えない魅力がある。一種のノスタルジーかもしれない。

15.keeno『before light』
before light
keeno
ワーナーミュージック・ジャパン
2015-09-16


 タイトルチューンの「before light」と先行してニコニコで公開されたTr.1「morning haze」だけでもおなかいっぱいなのに、持ち味のkeenoサウンドがたくさん聴けて満足しかない。
 同人時代に出した「at dusk」というミニアルバムを聴いている身からすると1stアルバムはベストアルバム的な印象があったが、2ndの今作は一つのアルバムを作りにきたんだというメッセージがあちらこちらにあって、聴いているだけでとても楽しい。
 早朝のもやもやした感情から始まる「morning haze」から始まり、Tr.2「decide」、Tr.3「yours」を経由する流れが白眉。「before light」までの流れにはいくらか浮き沈みがあるものの、最初の3曲でkeenoの試みが十分理解できるし、最後まで安心してディープなサウンドにどっぷり浸ることができる。耳が幸せとはこういうことを指すのだろう。

 以上、今年は全部で15枚でした! まだ挙げたいけどもうつかれたのでこのへんで!
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 ねりまさんがブログでまとめていたのを見てさすがだと感動してしまい、数は少ないがちゃんと整理しておくのは大事かなと思ったのでやってみる。
 記録としては今年からFilmarksを使いはじめた。以前はvideometerだったがこれは読書メーター同様にamazonからデータを引っ張ってくるので、公開されたばかりの映画の記録にはあまり向いていない。そもそもビデオの記録なので映画以外も多くてごちゃごちゃしてるし。
 Filmarksは映画のデータベースとしても使えるし、オサレなUIも悪くない。あんまり知り合いで使ってる人がいないのでフォローフォロワーの数は大したことないので、みんなもっと登録しようぜ、的なレコメンドをこめつつ。

 以下、今年のログ。ブログでレビューしたものにはリンクを貼った。
 アニメ映画のなかからだと『百日紅』と『アイカツ! ミュージックアワード』は同人誌『Fani通2015上半期』のなかで短いコメントを書いた。明日まで開催のコミックマーケット89で頒布されたあと、おそらくCOMIC ZINで販売が開始されるはず。


映画館

・劇場版 PSYCO-PASS(2015年、日本)
・幕が上がる(2015年、日本)
ニンフォマニアック(2013年、五ヶ国合作)
・幸せのありか(2013年、ポーランド)
・百日紅(2015年、日本)
海街diary(2015年、日本)
・ザ・トライブ(2014年、ウクライナ)
・きっと、星のせいじゃない(2014年、アメリカ)
・Mommy(2014年、カナダ)
セッション(2014年、アメリカ)
・バケモノの子(2015年、日本)
・アイカツ! ミュージックアワード(2015年、日本)
・心が叫びたがってるんだ(2015年、日本)
追憶と、踊りながら(2014年、イギリス)

 というわけで、常守朱がかっこよすぎる劇場版サイコパスから始まり、香川レインボー映画祭で見たゲイ映画で終わる一年でした。14本。
 二つだけ。まず「幸せのありか」はいましている仕事とも絡められるかなと思って見てみたが、素朴にドラマとして見応えがあるということと、主役の演技に最後まで圧倒された映画だった。一つのヒューマンドラマとして見るべきだろう。家の中での所在のなさとつかのまの幸福、障害者として施設に入ってからの生きづらさと生き甲斐、そしてその後。どういう形であれ、人生は続いていく。
 「きっと、星のせいじゃない」はいわば難病ものだが、「(500)日のサマー」の脚本を書いたコンビが脚本を書いているだけあって、会話のノリが非常に巧みにできている。「サマー」よりも年齢層の低い主役たちの、文字通りの青春ものの王道を突き進む展開ともマッチしている。結末はどんでん返しととらえるべきか、できすぎた終わり方ととらえるべきかは人によるだろうが、生き残ったものの強さが発揮されるワンシーンはとても痛快で気持ちいい。

自宅
・幕が上がる その前に(2015年、日本)
・地獄の黙示録(1979年、アメリカ)
・チョコレートドーナツ(2012年、アメリカ)
・君がいなくちゃだめなんだ(2015年、日本)
・劇場版タイムスクープハンター 安土城最後の一日(2013年、日本)
・ウォールフラワー(2012年、アメリカ)
・舟を編む(2013年、日本)

 6本と思ったより少ないが、Amazon Fire Stickで見てみたい映画をガンガンウォッチリストに入れたので来年はもう少し増えそう。
 いま挙げたなかだと『ウォールフラワー』と『舟を編む』はfire stickのプライムビデオで見た。

 もう一つ、せっかくなので「高松のソレイユという映画館でやっていたのに見逃したリスト」も。ソレイユは高校時代に時かけを見たり『潜水服は蝶の夢を見る』を見たりととてもお世話になった&そしていまもなっている高松のミニシアター。
 年が明けたら1月に「ヒトラー暗殺、13分の誤算」が、3月に「恋人たち」が上映開始されるらしいのでこっちは絶対みたい。

・パレードへようこそ
・サンドラの週末
・野火
・わたしに会うまでの1600キロ
・ピッチ・パーフェクト
・ピッチ・パーフェクト2
・ふたつの名前を持つ少年

 2016年もいろいろ見ていきたいです。最初に見るのは『クリード』の予定。
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●小説(国内)
1.米澤穂信『王とサーカス』
2.滝口悠生『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』
3.柴崎友香『パノララ』
次点:渡航『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』11巻(ガガガ文庫)

 2014年に『満願』で各種ミステリベストを制した米澤が『さよなら妖精』の10年後を書いた小説で再びランキングを制するという結果に。『満願』はまだ読んでないのでなんとも言えないけれど、『王とサーカス』はある意味では『さよなら妖精』の正統な続編だし、しかしまったく別物の小説に仕上げているというぜいたくさが味わえる。
 レビューで長く書いたので短くまとめるが、『さよなら妖精』が青春の屈折だとするならば『王とサーカス』はプロフェッショナルとしての屈折であろうし、守屋がマーヤに接近しつつおれたところと、太刀洗がネパールで出会う人々に対するアプローチの困難さは類似するものが多い。しかしほとんどなにもできなかった守屋と異なり、10年後の太刀洗には様々な武器がある。そこがプロフェッショナルの挫折と格闘を書いたこの小説の大きな醍醐味となっているし、ミステリーとしても非常に面白く、読者を引き込ませてくれる。舞台設定にはかなり難儀しただろうが、日本とは違う異国であることを基盤とした物語に大いに魅了された。
 滝口は今年三島賞と芥川賞にノミネートされ、年明けの芥川賞にも「死んでいない者」がノミネートされるなど勢いにのっている。ジミヘンとロードノベルと3.11後の東北といったやや詰め込みがちなこの中編小説にも、滝口の持ち味である時間と空間のトリックが自在に発揮されていて読むのが楽しい。同じく時間を操作した小説である『パノララ』を書き上げた柴崎にも、新しい魅力を存分に感じることができた。
 次点はこちらもこのラノ三連覇という記録を打ち立てた俺ガイルをセレクト。みんなの関係性がちょっとずつ変わっていく。学年的にまだ高校生活は続いていくわけだが、別れの日は近いかもしれない。雪解けの春はすぐそこにある、のか。

王とサーカス
米澤 穂信
東京創元社
2015-07-29




パノララ
柴崎 友香
講談社
2015-01-15




●小説(海外)
1.ミッチェル『風と共に去りぬ』(新潮文庫、全5巻)
2.ボラーニョ『アメリカ大陸のナチ文学』
3.ラモーナ・オースベル『生まれるためのガイドブック』
次点:ケン・リュウ『紙の動物園』

 ミッチェルの有名作を鴻巣さんが新訳で、ということで読んでみたが思った以上に楽しく読めた。細かいところでどこが現代的な訳か、というところまでは意識しなかったし、戦乱に巻き込まれるなかでの生活という時代特有の要素は大きいわけだけど、めげずに自立していくかつてはおてんばだった少女と、様々な誘惑をちらつかせるレット・バトラーという対比は作劇としても分かりやすくて魅力的。
 ボラーニョは白水社から訳出が続いていて読むのが追い付かないけど、架空の文学者辞典を一個の物語に仕立てる手腕は驚くし、そして面白い。あの超大作『2666』にもつながる人物があるとのことだが、まだあの長すぎる小説を再読する勇気はまだない。ほんとうにぽっかりと時間ができたときにまたむさぼるように楽しみたい。
 オースベルのこの本も白水社から出ているので海外小説は白水社ばかり読んでいたかもしない。あと新潮社。オースベル自身はまだ若い女性の作家だが、生まれるまでと生まれてから死ぬまでの人生のライフステージを細かく切り取って一つのオムニバス小説として仕上げたこの本は本国でもなかなかに評判らしい。いくつかの英語の記事を読んでみたが、一つは若い女性らしいビビッドさ(妊娠や出産をめぐる視点など)が小説にいかされてるのは間違いないということ。それだけでは単に女性らしい、という以外の要素にもふんだんに想像力を働かせて物語を書く力がある、つまり普遍的な小説かとしての能力を有しているからこそ評価されているのだろうと思う。訳されているのはまだ本書だけのようだが、新訳を楽しみにする海外作家がまた一人増えたのはとても嬉しい。
 ケン・リュウは初めて読んだが、個人的にSFの短編ですぐれたものを書ける書き手は高く評価したい。SFというジャンルはアイデアをつめこめば長くなってしまいがちなので、シンプルに短くまとめられる才能は貴重だ。本の内容については、表題作と「もののあはれ」が素晴らしかった。

風と共に去りぬ 第1巻 (新潮文庫)
マーガレット ミッチェル
新潮社
2015-03-28








●評論、学術、ノンフィクション
1.渡辺直己『小説技術論』
2.筒井淳也『仕事と家族』
3.マルティ・パラルナウ『ペップ・グアルディオラ』
次点:魚川祐司『だから仏教は面白い!』

 なおみーの本は保坂和志以降の現代小説の一トレンドをおさえた「移人称小説論」が読めるのでオススメ。
 筒井淳也はシノドスなどで文章を読んだことはあったがまとまった本を読んだのはこれが初めて。最近良作が続く中公新書ならではの堅実さとクオリティの高さ(もはや新書ではない感じ)を体現した一冊。仕事と家族がいかに両立されえないかを様々なパターンを提示して分析した上で各国の政策や取り組みを見ながら未来図を考えるという意義のある一冊。突破口はさほど大きくないが、それでもなにかをしなければ仕事と家族の関係はどちらもが疲弊して終わるだけだ。
 パラルナウのペップ本は密着したからこそ書ける充実の一冊で、訳も読みやすく本の価格を考えると十分元をとれた一冊。ペップがバイエルンを率いるのは今季で一区切りかもしれないが、だからこそいまのうちに読むべき価値のある本。
 ニー仏さんは単著を二冊出すという年だったが、配信を書籍化したこの本がとても読みやすく分かりやすく、そして面白いというなかなか完璧な本だった。『ゼロポイント』のほうはまだ積んでるので読まねば。

小説技術論
渡部 直己
河出書房新社
2015-06-23








●マンガ
1.アキリ『ストレッチ』
2.東村アキコ『かくかくしかじか』
3.冬目景『マホロミ』
次点:武者サブ『冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム』、志村貴子『淡島百景』

 『ストレッチ』に泣き、『かくかくしかじか』に泣き、『マホロミ』が4巻というコンパクトなサイズで美しく完結したことに感動した一年だった。
 『ストレッチ』は非常に実用的で、電子書籍で落としたページをめくりながらベッドの上で身体を動かしまくりました。東京のどこかにありそうな日常を書きながらも実はポスト3.11を生きる二人でもあるということが物語の端々に挿入される。そうした重要な過去が現在に与える影響は実はさほど大きくないけれど、時おり矢のように突き刺さってくる。そのときに一人なら耐えられないかもしれない、でも二人なら、という希望的な日常が、様々なゆるふわなエピソードを心理的に補強してくれるメタメッセージになっている。最後の別れの瞬間までこうした構造は大きく変わらないし、ミステリーじゃないからいくつかの謎が解かれることもない。ただ、日常は変化とともにあって、変化する日々をこれからも生きていくしかない。でもそうした変化も、この二人ならきっと大丈夫なんじゃないか。別れのシーンにはいくらかの悲しさがあるが、不思議な安心感がある。その感情が、とてもいとおしい。
 『かくかくしかじか』については描くことを書くことに置き換えたら非常にズキズキくるストーリーで、自分はなぜ書こうとしているのかであるとか、書くことを続けられるのかとかをいやでも考えてしまった。マンガのようにドラマチックなエピソードがさほどあるわけではないけど、東村アキコの出身大学の卒展を以前金沢に行ったときに見たことを思い出したし、彼女が宮崎出身で地元宮崎の風景がマンガの中に描かれているのを見ると、宮崎出身の重要な友人を思い出さずにはいられなくて、いくらかセンチメンタルにもなったりした。
 冬目景は結果的に『マホロミ』と『イエスタデイズをうたって』をほぼ同時に完結させることに成功した。しなこ先生派としてはやや納得がいかないまでも、ある意味物語のスタート地点に戻ったというか、同じところを違う視点で眺めるような、きれいな幕切れだったのかもしれない。『マホロミ』はもう少し続けることもできただろうけど、これはこれで建築の歴史をめぐる青春模様としてのコンセプトが一貫していてよかった。人と人の間にあるものを書くのが基本的にこの作家はうまいわけだけど、そこに時間や歴史といった次元が加わると物語にぐっと奥行きが広がっていくところがとても好きだった。
 次点の恋メトはまあ詩羽先輩好きとしては極上のスピンオフなので。志村貴子は例年に見ないほど精力的に本を出した(画集も出している)一年だったが、どこかの学校の寮生活を連作形式で書いた『淡島百景』が『青い花』のような学校と少女たちの関係性や生きざまをめぐる物語をアップデートした感じでとても好み。









淡島百景 1
志村貴子
太田出版
2015-06-19


●アニメ
1.SHIROBAKO
2.響け!ユーフォニアム
3.グリザイアの楽園
次点:THE IDOLM@STER シンデレラガールズ

 アニメの個別評価については冬コミ新刊の『Fani通 2015上半期』で詳しく書いたのでできればぜひそちらを、と思いつつ、そのなかで触れられなかった『SHIROBAKO』について少しだけ。
 このアニメを一言でまとめるのは難しいけれど、P.A.WORKSがポスト青春期の物語として提示したい一つのイメージが宮森あおいとその仲間たちに投影されていたのだろうと思う。お仕事ものとしては『花咲くいろは』に次ぐ第二弾という触れ込みだが、花いろは高校生たちの青春群像劇という要素が途中まではかなり強かった。(最終的には女三代記として朝ドラ的な展開に回帰していく)
 その点、『SHIROBAKO』は学生ではないキャラクターたちのお仕事奮闘記であり、地方からの上京物語でもあるし、高校から社会人へといった形で引き継がれる関係性をベースにしたいままでのP.A.WORKSにはなかったような青春ものでもある。
 で、社会人のお話を書きながら同時に青春ものとしても仕立てるにはドラマが欠かせないわけだけど、そのドラマを書くための舞台がアニメ制作業界だったのは制作陣がもっとも知りうることのできる環境という点ではリアルな物語に仕立てあげやすい。
 結果的にはリアルとフィクションが混在したようなアニメになっているわけだけど、それはアニメという手段(実写ではないということ)を選んだ強みをいかした結果でもあるはず。そして至るところにアニメに対する情熱や愛が満ちあふれている。そこがなにより『SHIROBAKO』の強みになっただろうと思う。
  
【Amazon.co.jp限定】SHIROBAKO第1巻~第4巻セットBlu-ray(オリジナル描き下ろし収納BOX付)
木村珠莉
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2015-12-21


響け!ユーフォニアム 1 [Blu-ray]
黒沢ともよ
ポニーキャニオン
2015-06-17


グリザイアの楽園 第1巻 (渡辺明夫描き下ろし収納BOX付き初回限定版) [Blu-ray]
櫻井孝宏
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2015-08-26




●映画
1.Mommy
2.心が叫びたがってるんだ
3.海街Diary
次点:セッション

 キャラクターの躍動と、筋書きの読めなさ。『わたしはロランス』とは違う意味で、でもにたようなことを『Mommy』を見て感じた。うまくまとめることができなかったのでレビューは書いてないけど、ちゃんと映画館で目撃してよかった、と思えた映画には仕上がっている。
 ここさけは期待値以上に楽しめたし、海街も原作の質感を損なわない形で一本の映画として魅力的な作品になっていた。ただでさえ綾瀬はるかや長澤まさみが同じ屋根の下で、という画としての面白さがあるわけだけど、それ以上に彼女たちがしっかりキャラクターになっていた、そのことがとても楽しく、そして味わい深く見ることができた大きな要因だと思う。

Mommy/マミー 完全数量限定豪華版 [Blu-ray]
アンヌ・ドルヴァル
ポニーキャニオン
2015-12-02




海街diary Blu-rayスペシャル・エディション
綾瀬はるか
ポニーキャニオン
2015-12-16




●展覧会
1.風景画の誕生展@Bunkamuraミュージアム
2.マグリット展@京都市美術館
3.春画展@永青文庫
次点:チューリッヒ美術館展@神戸市博物館

 展示されているものだけの素晴らしさを語るならマグリット展や春画展のような大規模かつ貴重な展覧会を挙げるべきだろうけど、風景画の誕生展が面白かったのは絵画を一つ一つ見ながら歴史に裏付けされた明確なストーリーを味わえるところだ。教養主義的でもあるなあとは思ったものの、最近美術史に関する本をいくつか読んだタイミングとしてはもっとも面白く見ることのできた展示がこれだった。


 以上、こんな感じ。小説は今年もかなり読んだが新しいものよりも古いものを多く読んだ気がする。その上で海外小説の割合を意識的に増やしていったので、来年もうまいことバランス取りながら読んでいきたい。英米だけじゃなくてドイツ、フランス、ロシア、ラテアメあたりも。
 音楽だけは去年と一昨年同様、2015年のアルバム10枚的な感じで別記事にしてまとめようかと思っているので、次回。
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 今年もいっぱい聴いてきたのでやってみます。順不同で。去年の10枚はこちらから。

 
小松未可子『e'tuis』
e'tuis(初回限定盤)(DVD付)
小松未可子
キングレコード
2014-05-14



 小松未可子は去年も選んだので2年連続。ただ、この二枚目のアルバム(『Cosmix EXPO』を含めると3枚目)がなかなかすごい。初っぱなの「Sky Message」からガンガン飛ばしてきながら「エメラルドの丘の上で」のような曲で歌手としてのみかこしのイメージをさらに広げる。とにかく自由で、自由だ。



古川本舗『Hail against the barn door』

Hail against the barn door
古川本舗
SPACE SHOWER MUSIC
2014-10-22



 古川さんは同人でのボカロ活動に区切りをつけた2011年移行毎年一枚ずつアルバムを出してきているので、これでもう4枚目(いまのレーベルからは3枚目)。アルバムタイトルは「Rage Against the Machine」のもじりかな。
 1stと2ndがボカロ時代の名残を残すものだとするならば3rdと今回の4thは完全にイメージを一新している。キクチリョウタをボーカルとして継続採用しているあたりは3rdから4thは延長にあると思うが、同時にちびたを採用しているあたりはボカロ時代のタッグを思い出してなつかしい。そして古川さん自身もボーカルに再び加わっているのだが、いい意味での開き直りというか、何か吹っ切れたような快感を感じる。ライブ活動を増やしたからか、あるいは単純に4枚目にしてたどりついたのがここだったのか。あるいは、バンドマンだったかつての自分を復活させられたのかもしれない。




アップアップガールズ(仮)『セカンドアルバム』

セカンドアルバム(仮) (2CD / 初回限定盤)
アップアップガールズ(仮)
T-Palette Records
2014-02-19



 総じて最高だった。ほとんどシングルで出てるんだけど、通して聴くと最高感しかないって感じ。タワレコ限定の20分のDJmixも素晴らしい。アプガは現場に行くと本当に熱くて楽しいんだろうけど、現場に行かなくても楽しすぎるのは素晴らしいな、って思う。



V.A.『宇多田ヒカルのうた 13組の音楽家による13の解釈について』



 12月にこんなの放り込まれたらいやとは言えない。
 全体的に意外だったのは井上陽水「SAKURAドロップス」をはじめとした男性ボーカル曲がすさまじくクオリティが高いこと。名前を挙げれば岡村靖幸、キリンジ、大橋トリオなどが続くので妥当と言えば妥当なんだけど、実際に曲を聴いてみるとうまいぐあいに彼らが自分の曲にしてみせているのが素晴らしい。
 逆にAIやラブサイケデリコは、自分の曲にはなっているんだが原曲のイメージと比較しちゃってどうしてもハマれなかった。ただ、あゆの「Movin' on without you」はしみじみしながら聴けるし、椎名林檎やBONNIE PINKはさすがだった。後者はtofubeatsらしいアレンジの妙ももちろんあってだけど。



nano.RIPE『涙の落ちる速度』
涙の落ちる速度【初回限定盤A】
nano.RIPE
ランティス
2014-01-08



 これに関しては3枚組になっているので3枚まとめての評価という形になるんだけど、しばらく聴いていなかったnano.RIPEというバンドを再評価せざるをえないという意味では個人的に重要だった。
 「影踏み」が2013年に公開した花いろ劇場版の主題歌になっていて、そこで久しぶりにnano.RIPEを聴いた上でのこのアルバム(年明けのリリースだったので、2013年までの活動のまとめということになる)を聴いた。1stにあったインディー感をきれいに脱却し、彼らのバンドサウンドを高らかに奏でていることがよく分かった。



Chouchou『piano01 oto』
piano01 oto (The Collector's Edition)
Chouchou
Ulula Records
2014-08-16



 Chouchouのピアノインストアルバム。内容もさておき、リミテッドエディションの中身が非常に豪華。静かに聴き入るべし。以前から大好きな「Sign」はほんと何度聴いても心に染みる。




やなぎなぎ『ポリオミノ』
ポリオミノ (初回限定盤 2CD+Blu-ray)
やなぎなぎ
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2014-12-10



 端的に方向性をぐいっと変えてきたなというのが第一印象。古川さんのような変化、つまり同人時代の電子音楽的な個性よりも人に見せるため、聴かせるためのサウンドを重視していきたい意思が見える。前にも「ユキトキ」や「ラテラリティ」にその萌芽があったとは言え、だ。
 これはこれで非常に面白いし、アルバムの統一感は前回よりも上かも。一度彼女を見たことはあるが、いまのやなぎなぎのライブを(映像ではなく生で)見たらどう感じるんだろうか。 




津田朱里、小木曽雪菜(米澤円)、上原れな『WHITE ALBUM2 VOCAL COLLECTION』
TVアニメ WHITE ALBUM2 VOCAL COLLECTION
津田朱里,小木曽雪菜(米澤円) 上原れな
F.I.X.RECORDS
2014-03-26



 まずジャケットがずるい。これは最強のヒロイン感ありすぎでしょう。
 声優としての米澤円もけいおん!くらいでしか認識してなかったが、こんなにかわいらしくかつ力強いボーカルで歌える人だとは思わなかった。「届かない恋」という曲にある切なさと悲しさと、それでも残る喜びのようなものを、彼女は丁寧に歌い上げている。
 他だとSPEEDの「WHITE LOVE」カバー(津田朱里と米澤のデュエットで歌っている)がけっこうハマっていて好き。

9nine『MAGI9 PLAYLAND』



 2ndの『CUE』が到達点だと去年のブログで書いたけど、完全にEDMにこだわって作られたコンセプトアルバムのようなこの3rdは2ndとはまったく違う持ち味を見せる。
 『CUE』のほうがおそらく幅広く受け入れられると思うが、いまの9nineをじっくり聴いて欲しいという意図と、リードトラックの「Re:」にあるようなチャレンジなのだろうという気がしている。「できるよ、さあ、始めよう」って言う確信を持って。




Tokyo Audio Waffle『Travel Sound Sandwiches』


 最後の一枚どうしようかなーと悩みつつ、同人が一枚もなかったのでこれにした。
 Tokyo Audio Waffleというサークルのサウンドは初めて今年聴いたけど、ジャケットのオサレ感も含めてソッコー惚れた。いやー同人音楽ってほんと底が知れない、おそろしく面白い! と再確認するには十分。
 ほぼ毎回参加しているボーカルの砂糖子さんの文化系女子感(なんだそれは)がすごくいい。名前のようにとろけるような甘いボーカルである。


 そんなわけで今年はこんな感じでしたー。来年もいっぱい音楽聴いていこう。
 あ、あとアルバム単位じゃなくて曲単位だと今年はハナヤマタOPの「花ハ踊レヤいろはにほ」とSHIROBAKOの1クール目EDの「Animetic Love Letter」が最高でした。前者はMVも含めて今年のアニソンのなかではもっとも好きです。アニメは1話しかまだ見てないけど!

チーム”ハナヤマタ”「花ハ踊レヤいろはにほ」
花ハ踊レヤいろはにほ(CD+DVD)
チーム・ハナヤマタ
エイベックス・ピクチャーズ株式会社(Music)
2014-08-27




宮森あおい(木村珠莉)&安原絵麻(佳村はるか)&坂木しずか(千菅春香)「Animetic Love Letter」


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