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日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 本当は一か月区切りで書くつもりだったが、怠惰なせいで二か月分まとめてのエントリーになる。今年のGWはあまりにも街が閑散としていて驚き、しかしまあその影響も相まってかウーバーイーツの需要の一時的な高ぶりも実感した。この需要については、GWが終わると需要はいったん落ち着いたが、6月後半になると再び盛り返してきたイメージがある。

 ちゃんと市場調査をしたわけではないのでいろいろな情報をかき集めての実感だが、理由としては三つほど挙げられるだろう。一つは、GWまでのいわゆるステイホーム期間にウーバーイーツを利用した層が一回きりの利用ではなく繰り返しの利用を行っている形跡があることだ。一番直近までの配達を含めて通算でいうと290回ほどの配達を行っているが、回数をこなすにつれて「リピーター」のお客さんに出会うことが増えてきた。まあこれはウーバーイーツが定期的にクーポンを乱発している要因もあるとは思うが、一回利用した人が繰り返し利用することで定着していくことは需要の安定、ひいては供給サイドである自転車乗りからしてもうれしいことである。

 二つ目は選択肢の増加だ。自分用のグーグルマップに参加店舗をアナログでピンを立てて登録しているが、7月に入ってとうとう100店舗を超えた。Uber側のエリア拡大戦略やCOVID-19の影響も相まって全国的に参加店舗は急増しているが、およそ40ほどで始まった高松でも3.5か月で2.5倍にまで増加したのはいい傾向だといってよいだろう。まだまだ参加店舗の多くはチェーン店であるので手数料をなんとかすることで個人店や小規模店舗の増加を促してほしいとも思う。

 まあUber側にはさほど期待してはいないが、二回に分けて配達員に対して不織布マスクを配布してくれたのは(一種のパフォーマンスかもしれないが)多少なりとも気を遣っているのかもしれない。また、選択肢の増加という点では6月からPaypayが決済に対応し、Paypayのミニアプリからもウーバーイーツの注文が行えるようになったのは大きい。お金関係のトラブルが嫌なので現金配達は対応していないしする気がないので、キャッシュレスの選択肢が増えるのは純粋によいことである。COVID-19からのリスク回避という意味でも。ただ楽天とドコモがそれぞれデリバリー事業を行っているので楽天ペイとd払いが対応するには時間がかかりそうな気もする。

 三つ目は配達員の増加だ。体感ではあるが、バイク配達員の増加が目立つ。頻繁に配達していると同じ配達員に出会うことも増えるが、バイクの人であることが多い。自転車の配達員は遠くまでピックアップすることはないが、バイクは遠くに回されがちだと聞く。つまり需要の増加に適切に対応するためにはバイクが増えてくれる方がありがたい。よって自転車の増加はそのまま競争相手の増加を意味するがバイクとは競合機会が少ないはずなのと、体力的にもバイクの方が長く続ける人が多いと考えられる。

 こういう仕組みがあるので自転車とバイクは需要の取り合いになることも少ない(はず)特にこれからの夏の季節に自転車で配達するには暑さに対応する必要があるので自転車配達員が急増することは考えにくい。自分は夏でも全然いける口なので(元陸上部なので)継続する予定だが、今後配達員の動向がどう変化してくるのかは引き続くウォッチしていきたいと思っている。ちなみにツイッターでウーバーイーツ高松の配達員を探してみたが7:3くらいでバイク。

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 意外な副作用としては、特に4月5月に強く実感したがウーバーイーツがあまりにも忙しくてのんきにツイッターをしていられなかったことだ。これは精神的にプラスに働いたと思う。日本人のみならず人間が疾病や感染症に対して往々にして差別的な扱いをしてきたし、今回もそうしている。そして現代的なのがインフォデミックで、テクノロジーの進化が人間を不幸にしてしまう典型的なケースを多く見てきてしまった。こういう時は距離を置くのが手っ取り早く、ウーバーイーツをやっていると自然と距離を置くことができてしまった。
 
 そして、ようやく本を読むことができるようになった。3月や4月は日を追うごとに明らかに状況が悪化していくので、のんびり本を、特にフィクションを読む余裕がなかった。現実の方がカミュの『ペスト』や小川一水の『天冥の標』2巻を体現しているように思えてしまい、フィクションと現実の境界がひどく曖昧になっていたからだ。だからようやく5月の、確か中旬ごろからだったと思うが、ようやく本を読むという習慣を取り戻せたことが嬉しい。一人本を読むという、自分にとってはもう20年くらい続けている何気ない日常的な行為が、これほどに心理的なパラメータを意味する行為だったとは。

ペスト(新潮文庫)
カミュ
新潮社
2017-03-10



天冥の標供ゝ濱し
小川 一水
早川書房
2013-02-27


 そして調子に乗って古典かつ大長編を読んでみようということで、読み始めたのが円地文子訳の『源氏物語』である。全6巻ある新潮文庫版でいまは4巻まで読み終えた。ちょうどこのパート、光源氏が亡くなるまでの10年間が、最も印象に残った。あえてここでストップしているが、近いうちに残り2冊を読んでしまおうと思う。

 7月に入り、再び感染が拡大している。アメリカが典型的だが、社会経済活動の再開はそのままリスクを生活の中に織り込むことを意味する。その意味では予想できた展開ではあるが、しかしこの展開に政治行政、あと各企業や私たちのようなヘルスケアセクターがどう立ち向かっていくのか、明確な答えが出てない場合が多い。引き続き、歴史のさなかに生きていることを実感しつつ、濃厚接触を避ける日々を送ってゆくしかないのだろう。野球で言えばまだ2回表という言葉も耳にするが、さて先発が大崩れせずいけるかどうか。



 その野球も開幕して一か月。毎日ダゾーンやBSやラジオで野球中継に触れる機会があるのも、これまた幸福なことだ。それをかみしめながら、現実の2回表を生きていく。

5月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:5039
ナイス数:41

ヤクルトスワローズ論 (MdN新書)ヤクルトスワローズ論 (MdN新書)感想
急いで出版したからかあきらかな校正ミスがいくつかあったのが惜しいが、いま改めて読むと本当にノムさんは野球を好きだったんだなということがよくわかる。そして人をよく見ている。鶴岡一人や川上哲治からヤクルト黄金期の選手を経てマー君、大谷まで。過去の価値観にとらわれずマー君を育て上げたりできたのはノムさんなりの評価基準や人を育てるに当たっての思想が深く根付いていたからだろう。まだまだ生きていて欲しかったが、あの世でサッチーや稲尾ら往年の選手とゆっくりやっていてほしいとも思う。
読了日:05月01日 著者:野村 克也
行動経済学の使い方 (岩波新書)行動経済学の使い方 (岩波新書)
読了日:05月04日 著者:大竹 文雄
食べて、祈って、恋をして〔新版 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)食べて、祈って、恋をして〔新版 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
かなりのボリュームがあるが、一度読み始めたら止まらないそんな一冊。解説にもあるようにギルバートのたたみかけるようなおしゃべりの魅力と、そこに垣間見えるいくつもの闇や苦悩。それがあるからこそしかし彼女を旅へといざなったのであろうし、確固たる目的がある旅の中で彼女が感じ、考えたことに価値があるのだと感じた。
読了日:05月06日 著者:エリザベス ギルバート
測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
読了日:05月08日 著者:ジェリー・Z・ミュラー
認知療法・認知行動療法カウンセリング初級ワークショップ―CBTカウンセリング認知療法・認知行動療法カウンセリング初級ワークショップ―CBTカウンセリング
読了日:05月11日 著者:伊藤 絵美
ロールズ政治哲学史講義 I (岩波現代文庫)ロールズ政治哲学史講義 I (岩波現代文庫)
読了日:05月13日 著者:ジョン・ロールズ
香港デモ戦記 (集英社新書)香港デモ戦記 (集英社新書)
読了日:05月18日 著者:小川 善照
平成政治史 (ちくま新書)平成政治史 (ちくま新書)
読了日:05月21日 著者:大嶽 秀夫
アフターダーク (講談社文庫)アフターダーク (講談社文庫)感想
長編というより長い短編という感じ。あまり評価が高くないのは知っていたが確かにこれは読みごたえが弱い。
読了日:05月21日 著者:村上 春樹
賭博者 (光文社古典新訳文庫)賭博者 (光文社古典新訳文庫)
読了日:05月24日 著者:ドストエフスキー
ロールズ政治哲学史講義 II (岩波現代文庫)ロールズ政治哲学史講義 II (岩波現代文庫)
読了日:05月25日 著者:ジョン・ロールズ
どこからが病気なの? (ちくまプリマー新書)どこからが病気なの? (ちくまプリマー新書)感想
このタイミングにこういう本が出版されているのは素晴らしい。かぜと肺炎の違いは何?という超今日的な話題もあるし、個人的にはがんについての記述が面白かった。一部のアレな医療書籍に対する痛烈な批判もあるのが良い。
読了日:05月26日 著者:市原 真
発達障害のある女の子・女性の支援: 「自分らしく生きる」ための「からだ・こころ・関係性」のサポート発達障害のある女の子・女性の支援: 「自分らしく生きる」ための「からだ・こころ・関係性」のサポート
読了日:05月27日 著者:川上 ちひろ,木谷 秀勝
あのころ、早稲田で (文春文庫)あのころ、早稲田で (文春文庫)
読了日:05月28日 著者:中野 翠
ペスト (中公文庫)ペスト (中公文庫)
読了日:05月31日 著者:ダニエル デフォー

読書メーター


6月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3374
ナイス数:32

エトセトラ VOL.3エトセトラ VOL.3感想
アクロストンのインタビュー、早乙女智子のインタビューと牧野雅子のエッセイを特に面白く読んだ。改めて七生養護学校の事件を含むゼロ年代のバックラッシュは相当に罪深いと感じる。後ろの方にあるすんみのエッセイや伊藤春奈の書いた相撲における穢れの問題も読み応えがある。あとCOVID-19以降のドイツでのあれこれも既視感が強くて色々思うところあり。
読了日:06月01日 著者:長田杏奈
競馬の人類学 (岩波新書)競馬の人類学 (岩波新書)感想
1988年の馬事文化賞受賞作。いま読んでも世界あちこちの競馬の風景は面白い。本場イギリスでどのように競馬と賭けが始まり、長らく非合法だった賭けがいかにして合法化されるかという経緯も面白かった。1988年はオグリキャップ4歳の年だがすでに女性ファンが増えていて競馬場も綺麗になっていた、というのはなるほど既に思ったよりいまの競馬の風景に近いかもしれない。馬券の種類が少なく、まだ世界の競馬からしたらレベルが低いとされていた時代ではあるけども。
読了日:06月03日 著者:長島 信弘
読書嫌いのための図書室案内 (ハヤカワ文庫JA)読書嫌いのための図書室案内 (ハヤカワ文庫JA)感想
読書のひとつの楽しみに「解釈の共同体」に参加することができるという要素を発見し、そしてそこから推理に結びつけていく主人公の力業が面白い。あと設定的にこのまま続編書けそう。
読了日:06月03日 著者:青谷 真未
症状を知り、病気を探る 病理医ヤンデル先生が「わかりやすく」語る症状を知り、病気を探る 病理医ヤンデル先生が「わかりやすく」語る感想
身体症状から原因を類推する力は福祉職にもある程度求められる事だなあと思いながら読んだ。腹痛、発熱&高体温の項目は日常的に耳にする言葉も多い。
読了日:06月05日 著者:市原 真
ラグビーって、いいもんだね。 2015-2019ラグビーW杯日本大会 (鉄筆文庫)ラグビーって、いいもんだね。 2015-2019ラグビーW杯日本大会 (鉄筆文庫)
読了日:06月11日 著者:藤島 大
司法矯正・犯罪心理学特論-司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開- (放送大学大学院教材)司法矯正・犯罪心理学特論-司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開- (放送大学大学院教材)
読了日:06月14日 著者:橋本 和明
源氏物語 1 (新潮文庫 え 2-16)源氏物語 1 (新潮文庫 え 2-16)
読了日:06月14日 著者:紫式部
源氏物語 2 (新潮文庫 え 2-17)源氏物語 2 (新潮文庫 え 2-17)
読了日:06月14日 著者:紫式部
漂うままに島に着き漂うままに島に着き感想
小豆島出身の人間が読むと身に覚えのありすぎる場所や人がたくさん出てきて少しむず痒い気もしつつ、引っ越しするまでの流れに移住の過酷さが詰まっているなと感じた。それでも引っ越した後の内澤さんは(後にストーカー被害を経験するが)なかなか楽しそうで、そうかあのへんに住むことにしたのかーと思いながら移住後の話題に入る後半も面白く読みました。
読了日:06月18日 著者:内澤旬子
源氏物語 3 (新潮文庫 え 2-18)源氏物語 3 (新潮文庫 え 2-18)
読了日:06月20日 著者:紫式部
房思(ファン・スーチー)の初恋の楽園房思(ファン・スーチー)の初恋の楽園
読了日:06月26日 著者:林奕含

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