Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 秋めいてきたこのごろにいまさら感あるけど、8月の振り返り。

 今年は夏コミに合わせて、11と12日に上京してきた。11の朝に着いて12の14時半には品川から新幹線に乗っていたので、滞在時間は30時間強といったところ。睡眠時間はいつも通り7時間くらい確保したが、寝ている間と移動中以外はほぼほぼ何かしら予定があるという、贅沢で慌ただしい滞在だった。まあ慌ただしいのはいつものことで、たまにはもう少しゆったりしたらいいものの、なぜか分刻みのスケジュールになってしまうのは自分の貧乏性なのだろう。

 特に夏コミの時期は。東京に来る機会は、なんだかんだ貴重ではあるので有効活用したい結果がこうである。逆に言うと、完全に個人的なタイミングで上京しているので、会う人会う人にはありがたさしかない。雑ですが、この場を借りてお礼を。

文学賞受賞作読書会

 11日の昼は6月にも参加した読書会の続きに参加した。かれこれ10年近いかそれ以上の付き合いになっているレイズさんに誘われて6月に参加した読書会がなかなかに面白く、かつ自分にとってためになったなということで、今回も夏コミの期間中にたまたま開催時期が決まっていたので続けて参加することにした。前半で課題図書を一冊読み、後半は参加者それぞれが提出したオリジナルの短編小説を合評するという、異なる種類の読書会を連続した形で行っているという読書会だ。会のスタンスとしては、前半で得たものを後半にもつなげる(可能な範囲で)という形で連続性を持たせた読書会になっている。

 これは同人サークル「アレ Club」が毎年大阪の谷町六丁目で開催しているイベントにも近い形かもしれない。アレの場合は読む→書く→合評という形を約3時間に押し込んでいるので、まだこちらも2回しか参加していないが密度が濃くて毎度面白い。やっぱりこう、集まって何かをするのならそれなりに効果のあるものにしたいという思いがどちらの側にもあるのかもしれないな、となんとなく思ったのと、久しぶりに集まって読んだり書いたりというイベントに続けて参加して、純粋に楽しかったという思いがある。

 もちろん楽しいだけじゃなくて、自分の強みと弱みの再確認にもなったし、何より他人が書いたものを読み、その他人が目の前にいてしゃべっている、という環境はなかなかにいい。地方暮らしでは得難い体験を続けてさせてもらったな、という気持ちがある。もちろん地方でもできないわけじゃない、ということも再度認識しつつ。

 ちなみに今回読んだのはこれでした。


レトリカイベント「避暑


















 11日夜はいったん大久保のナインアワーズにチェックインしたあと、秋葉原で行われていたレトリカのイベントという名の公開編集作業実況?みたいなのに参加した。2012年から2年おきにレトリカは本を作っているが、今回も秋の文フリに合わせて作っているということで(しかし遅れているということで)レトリカ4に参加予定のメンバーを中心としたゆるい集まり兼企画のプレゼンという感じだった。いろいろな人が来ていて、旧知のレロに至っては滞在時間を伸ばしてもらって会うことができたので、やはりいろいろ感謝しかない。瀬下くんやまつともくんも元気そうで、ほかのレトリカメンバーともいろいろと話をした。

 自分がした話としては、主に地方暮らしと現職に関することが主で、合間で小説の話やらアイカツの話やらをしているという具合だった。当日も誰かに話したことだったけど、レトリカがいいなと思うのは、慶應の同期メンバーを中心としつつ、誰か一人だけが中心にいるわけではないということと、その核となる部分の周辺にいろいろなクラスタから人が集まっていることだろう。瀬下くんがプレゼンの中で改めてレトリカのコンセプトを話していたが、「作り続ける」という運動を、かれこれ2012年から数えてずっと一貫しているのはすごいことだと思うし、建築、都市、デザイン、メディア、生活といった複数のタグを用意しながら多様なメンバーを集め続けることができているのも、なかなかできないことだと思う。

 同人サークル、特に文章系の場合は1人ないし2人の中心メンバーとそれ以外、といった感じで成り立っている印象がある(大学のサークルをベースとした集まりはこの限りではない)ので、中心メンバーが抜ければ存続が難しくなるし、中心メンバーの気分や考え次第でサークル全体のコンセプトも変わることがあるが(これ自体がマイナスになるかどうかはまた別だ)レトリカの場合中心がゆるやかであるせいか、ふわっとしつつも2年に一度ごとにプロジェクトを駆動させながらコンセプトを固めていっているおかげで、2012年に掲げたテーマの継続性と一貫性、そしてそれらを磨いているなという印象がある。

 もっとも、これは2012年のレトリカ創刊時に自分が投げかけた問いでもあるのだけれど、それでもやはり個人のライフステージの変化がサークルに与える影響が大きいのではないかということ、それと、いまは続けることに熱心で、それが続いているのは素晴らしいと思うのだけれど、それでもいつか終わりが来るとするなら、それはどのような形で着地させるのかということも、いずれ無縁ではいられないのではないだろうか。

 これらは少々穿った見方であることは承知しているし、彼らの活動に水を差すつもりは全然ないのだけれど、やはり多くの文章系、批評系のサークルが生まれては消え、あるいは止まり、という現象を見ている中で、レトリカもそうした盛衰とは無縁ではいられないはずだ、という予感がある。もちろん無縁のままさらに10年や20年続けられたら素晴らしいことではあると思うけれども、やがて離散するのであれば、そこに何らかのレガシーを残してほしいなという思いも勝手ながらある。それは作り手である彼らだけだけではなく、受け手である自分たちの問題でもあるのだけれど。

 とかなんとか言いつつも、イベントは本当に楽しくて面白かった。2012年からずっとちゃんと追いかけているわけではないけど、6年経って皆それぞれ肩書きや住む場所が変わってもまた一つの旗の下で集まれるんだな、というのは現代の若い書き手や作り手に対して一つの希望的なモデルを示しているんじゃないかと思う。さっきも書いたように、2010年代の間にたくさんの盛衰を見てきた側からすると、レトリカは別のところにいるな、と思えるのだ。あと自分の課題でもある、個人ワークと集団での創作をどう両立させるのか、みたいなところにちょっとした示唆を持てた気がする。


C94(3日目)

 暑かった。最終日だけ21万人てどういうことや……(たぶんアイマスとFGOのせい)



 以上が夏の遠征のお話でした。総じてとても暑くて熱かった。コミケとか行くたびに早く帰りたくなるけど、でもまたいずれ参加するのだろう。それもまた不思議だね。
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