Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

 仕事を始めてようやく半年が経った。
 はやいのか遅かったのかは分からないけど、いつのまにかと言ってしまえばいつのまにか、だと思う。約一年続けたバイトを辞めたその二日後にはもういまの仕事が始まり、それからは気づけば仕事をしているといった感じでだんだん「大人」になってしまっているんだろうかと感じる。年齢的には十分妥当だけれど、学生時代が長く続いたせいか、最近ようやく新しいバイトを始めたという感覚から抜け出せているのかなと思う。
 なかなかいろいろ難しいところの多い仕事だが、職場の人間関係にはおそらくめぐまれているほうで、そのへんのストレスがほとんどないのと毎日定時で上がれること。時々土曜出勤が続いたりするが基本的には土日祝休めるあたりはまあ新卒でちゃんと就職しなかった人間としてはラッキーなほうなのではないか。なのでとりあえず、続けることを念頭に置いて日々を過ごしている。

 その仕事関連の資格をとるための研修で一週間ほど横浜に滞在していた。
 研修場所は三浦郡の葉山で、泊まっていた元町中華街のホテルから1時間ほどはかかる場所だった。約5日間、講義を受けたり、グループワークをしたり、最後にはテストをしたり。
 久しぶりに大学生に戻ったような気がした時間だった。ま、もう一度戻りたいかというと半々というところで、戻れたら楽しいだろうけど、のちに経験するつらさもまた味わう必要がある。どちらかだけを選ぶことは、たぶん自分の場合は難しいんだろうなと思いながら、でもそういう公開の多い日々もいずれ愛おしくなるのだからややこしい。

 横浜滞在中に久しぶりに食べたラーメン二郎(関内店)は思いの外おいしかった。コインランドリーで洗濯物をまわしていなければ、スープまできちんと飲み干したいと初めて思った。


 研修が終わったあとは、研修で仲良くなった栃木から来た女性に桜木町まで送ってもらった。
 研修では多くの人と会話をしたけど、この車中での一時間ほどのドライブがなぜかやたらと楽しかった。半分くらいは語学や留学の話をしていて、途中から小説や音楽の話をしていた。
 気が合う、というほどではないけれど、こういう文化的な話を誰か一人の人とずっと交わすというのも、なんとなく学生時代に戻ったような気がして楽しかった。栃木弁?の強い会話だったけれど、だからこそやたら印象的だった。
 仲良くなった何人かのメンバーでLINEのグループが作られていて、やりとりをゆるゆる続けている。

 桜木町から乃木坂まで行って国立新美術館で行われている「ニッポンのマンガ、アニメ、ゲーム展」を見た。
 これに合わせて東京に行こうと考えていたくらいなので、ちょうどいいタイミングで研修の日程が組まれたことはわりと感謝している。
 せっかくなのでと思ってネットで人を募ったらなつかしいメンバーが集まり、合わせて6人でまわると3時間も費やしていた。ゲームは体験できるものも多いし、一人で行くよりは何人かでわいわいがやがややりながら見るのがとても楽しい展示だなと思う。

 そのあと日比谷野音で9nineのライブサーキットツアーファイナルを見届けたあと(雨降りの野音だったが虹が覗くという素晴らしい演出があった)にオフ会のメンバーと合流し、遅くまで飲んだくれていた。研修中も逗子まで出て飲んだくれていたし、ラーメンばかり食べていた関東滞在だったなと思う。
 滞在最後の日は午前中はのんびり過ごし、昼は中野の大勝軒でつけ麺を食べ(オヤジさん追悼の意を少しだけこめた)、新宿に出て髪を切った。Neoliveという東京にいくつも店を持つサロンの、去年オープンした新店に行ってきた。
 というのは東京を離れる前に髪を切ってもらった知り合いの美容師がこの店に移籍していたからで、以前の店と比べると単価がいくらか上がっている分、かなりオサレな空間で若干ビビったりもした。長らく会っていないはずなのに、出会ったことのことからちゃんと覚えていてくれて嬉しさを覚えつつ、美容師の記憶力のすごさに感動した。
 「そりゃ、最初は店の外で出会ったんだから覚えてますよ!」って言ってたけどいやそれでもすごいでしょ、と返さずにはいられない。あと同い年なこと完全に忘れてましたスミマセヌ、ということと同い年がすでにキャリア5年(専門卒だから)だということを知ると、ああなるほどそういうことかとも感じる。
 久しぶりに会えて単純に楽しかったし、以前会ったときよりも大人っぽくなっていて素敵だった。また東京に、新宿に寄ったときはと声をかけたらまた別の店舗に移籍する見込みらしい。美容師業界はあわただしい(のかな)。

 そのあと紀伊國屋本店で上田岳弘の『私の恋人』を買った。ちゃんと読んでなかったので、ちゃんと読む。
 そのあとまた昔なじみのメンバーに純文学の話を長らくしたあとまた酒を飲み、バスに乗って帰路についた。短いようで長い滞在のうちに、また多くの人とコミュニケーションをとれて非常に充実した日々だった。

 という、ことについてもっと細かく書こうかと思ったけど、完全に日記みたいになってしまった。
 もっとも、一番嬉しかったのはジュンク堂池袋店のイベントで敬愛する柴崎友香に会えたことだ。
 いままでなかなか機会がなくて、初めてで、サイン会もあったから話をしてサインをもらい(サイン本は持ってるけど、改めてああ、ほんとに柴崎だ、と思った)ああもうこれで後悔はなにもないのではないかと大げさな感想を持った。
 でも、自分にとってとても重要な人と直に話をできるというのはほんとうに代えがたい体験だったのは事実で、いつかまたどこかで会いに行こうと思うには十分だった。その日が訪れるまで、また。




私の恋人
上田 岳弘
新潮社
2015-06-30







 つけ麺は基本的に苦手だけど、大勝軒のつけ麺はやさしい味がするので好きだ。
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