2012年08月

2012年08月01日

2012年7月の読了本

7月の読書メーター
読んだ本の数:9冊(今年通算58〜66冊)
読んだページ数:2068ページ
ナイス数:28ナイス

早稲女、女、男早稲女、女、男
早大生としてはあるある、といやそれねーよが交互にでてくるような感じで、取材の成果が見られる部分もあれば偏見じゃね、と思う箇所もある。とはいえ、ほとんどは登場人物の誰かのセリフとして書かれているので、ワセジョがどういうふうに見られているのか、という観点から読むとそれなりに面白く読めるのではなかろうか、というのが感想。小説としては早乙女香夏子と出会う各大学の女子たちが香夏子の独特さに苛立ちつつ、自分と向き合っていくという構造はよく似ている。悪くはないがもう少しひねりがあればな、という感じかな。
読了日:07月27日 著者:柚木麻子
鍵のない夢を見る鍵のない夢を見る
読了日:07月21日 著者:辻村 深月
ふたりの距離の概算 (角川文庫)ふたりの距離の概算 (角川文庫)
読了日:07月17日 著者:米澤 穂信
架空列車架空列車
架空の路線を作って列車を走らせる(実運行する)というアイデアが抜群にいい。もひとつ、架空が架空を越えてリアルと大きく第二部が圧巻。もう少し長く読みたかったくらいには面白かった。ほとんど見知らぬ土地を自転車であちこち移動しながら駅を定め、路線を設定し、時刻表までつくるという徹底ぶりに(もっとすごいこともやってるけどネタバレになる)ぐいぐい引き込まれてく。妄想を実行してしまうあたりは鉄オタの人からしたらどう見えるのかな、と少し気になった。ネットでググると確かに似たようなことをやっている人はいるようだし。
読了日:07月13日 著者:岡本 学
功利主義入門 : はじめての倫理学 (ちくま新書)功利主義入門 : はじめての倫理学 (ちくま新書)
読了日:07月13日 著者:児玉 聡
灯籠 (ハヤカワ文庫JA)灯籠 (ハヤカワ文庫JA)
文章はまだまだ改善の余地があるけどお話をつくる力はあるなあと思った一冊。ぐいぐい読者を引き込む能力は作家のひとつの才だと思うし、舞台と余韻の作り方は非常に大事にしているんだろうな、と思った。ただ、思ったほど舞台を広島に選んだ特有の状況が描かれなかったので、そのへんをしっかり書き込んでいればもっと状況も心理描写もリアルになったんではないか、とも思う。実力が伸びれば楽しみな書き手ではあるのでいろんな意味で今後に期待ということで。
読了日:07月10日 著者:うえむらちか
杏のふむふむ杏のふむふむ
読了日:07月08日 著者:
わたしが棄てた女 (講談社文庫 え 1-4)わたしが棄てた女 (講談社文庫 え 1-4)
高校時代の恩師に薦められ手にはあったものも長らく読んでいなかった。ハンセン病うんぬんより、人間関係の絡み合いが絶妙。これが遠藤文学なのか、と。
読了日:07月01日 著者:遠藤 周作
カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)
1,2章は流し読んだが3章以降は現代にも通じるところがあり面白かった。
読了日:07月01日 著者:鈴木 謙介

2012年7月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター


 合間合間に小説を積み重ねる日々、的な。うえむらちかや岡本学、柚木麻子など、初めて読んだ作家が多かったが作品に個性が出ていて面白かった。一冊読了するのが最近小説か新書になりつつあるが夏休みはカッチリした本もそれなりに読みたいと思っております。
 このほかに読んだものとすれば鹿島田真希の芥川受賞作、「冥土めぐり」。短いんだがずっしりくる感じがなかなかに悪くない。歴史を振り返ることで発見していくこと、あるいは転換していくことでカタルシスにつなげていくお話だと思うんだけど、欲望とはなんぞやということも同時に書いていたのが面白かった。主人公のダンナ(障害者)がやや聖者っぽく書かれてるのは欲望をむきだしにする健常者たちへの痛い痛い何かしら、であるんだろうなと。クソったれだと言っている間にまっすぐ一歩ずつ歩いていくことの価値を思い出すことが求められるんだろうな、たぶん。
 あと、綿矢りさの「人生ゲーム」(群像8月号)がなかなか黒い感じで悪くなかった。ゲーム的に進んでいく人生を、いつか脱落せずクリアすることが目的で生きていく主人公。結局明示されないアイツは誰だったのかは気になるが(ゲームの審判みたいなものか?)いいことも悪いことも隣り合わせなのはリアリティがあるし、ゲーム的な人生といいつつ人生は繰り返しのきかない一回かぎりのゲームなのだから、それはそれで説得力があるもんだなあと思いながら読んでいた。こういう黒いところをさらっと書くあたり、綿矢こわいな。

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