例年のようにベスト3を挙げつつ簡単に振り返ろうと思います。もちろん独断と偏見で。
去年のはこちら→
【小説】
恋する原発(高橋源一郎)
リリエンタールの末裔(上田早夕里)
きことわ(朝吹真理子)
次点:希望(瀬名秀明)
あれ、と思ったのはいずれもちゃんとした書評を書いて公開していないこと。上田さんと高橋さんは最近読んだので時間的に、ではあるが朝吹さんと瀬名さんの本はいろいろと語りたいことはあったが書かずに年末を向かえることになったのは小さな後悔かもしれない。
いずれに共通するのは、小説の可能性というものを各人各様に示している。高橋源一郎は圧倒的な批評性を、上田早夕里は他者や世界と向き合うことを、朝吹真理子は人と言葉をまつわる関係性を、瀬名秀明は科学と技術と人の生き方を。
小説、あるいは文学というものがこれからも読まれるとするならば、徹底的に何かと向き合うことでしかなしえられないのかもしれない。ここで文学論をぶちまける気も能力もないが、そんなことを感じた一年だった。個人的な事情もあって読書量は倍近く前年より増えたが小説のウェイトは下がった。ある程度下がること自体は来年以降も続く傾向だろうが、定期的に摂取していきたいと思う。
言葉や物語を愛しているということを、あらためて気づかされた一年でもあったしね。
【映画】
その街のこども
モテキ
八日目の蝉
うえふたつがそういえば両方とも森山未来だなあ、と書いていて気づいた。その街は半年ほど前に記事にしたので省略します。
モテキはいろいろな意見があるだろうけど、ドラマ的な尺を意識した盛り上げ方も使いつつ、大掛かりに展開することのできる映画的な魅力もあわせもっていたと思う。監督の大根仁と原作者久保ミツロウのコミュニケーションのよさやプロモーションのうまさも手伝って内容的にも興行的にも成功した貴重な一作と言える。ドラマや原作もそうだが元ネタを入れ込みまくっているので、実際どんな人が見たんだろうかというのは気になるが。
八日目の蝉は宣伝乙ですねわかります。ドラマよりはいいできに仕上がっていると思うので、未視聴の方はぜひぜひ。ただなぜ劇団ひとりがあの役をやったのかがなぞだった。黒歴史という意味ではまあ分からないでもないが(ほめてる
【音楽】
Perfume『JPN』
NIKIIE『*(NOTES』
坂本真綾『Driving in the silence』
次点:トリプルH『HHH』
最初のみっつは順当に決まったかな、という感じ。年末に出たHHHもすばらしいのだが(最近聴きまくっている)オリジナルではないのでうえみっつと比較して次点、という感じ。ぱふゅーむは安定のystkサウンドをもうひとつ前進した。王道のテクノポップ調の曲がありながらも前作『△』のスタンスも崩さず、十分に楽しませてくれた。アルバム単位で聴くのは久しぶり、くらいのほうがいいのかもしれない。
ちょうど1年前にラジオで知ったNIKIIEは今年はほんとうに飛躍の年だったと思うし、1stアルバムにしてはすばらしいクオリティのポップスを仕上げてきた。ライブも精力的に行っていて、来年も期待されるシンガーソングライターだろう。ここからがあたらしい勝負かもしれない。
まあやはこの前記事を書いたので省略。もはや何も語らず、ただただ聴き入る冬でいたいと思う。
【アニメ】※まどマギはのぞく
輪るピングドラム
放浪息子
花咲くいろは
次点:UN-GO、アイドルマスター
振り返ってみればオリジナルアニメが席巻したアニメだった。まどマギ然りあの花然りピンドラ然り、「強い物語」の復権がいいことなのかどうかは分からないが、そのいずれもが震災後に描かれたという事実は残る。あとは各自がどう受け取るかの問題ではあるが、示唆は多かったはず。まどマギはちょっと自分のなかでの評価が定まりきっていないのと、これを挙げると他を挙げられないという理由で除外します。
今年は放浪息子と花いろと、まどマギでもうおなかいっぱいだったんだが最後の最後に輪るピングドラムという化け物に出会えたのは幸福以外のなにものでもないと思っている。本当に素晴らしかった。アニメの最終回で涙がほんのり浮かぶという体験は初めてかもしれない。というかたぶん初めてだと思う。
花いろは4月〜9月というちょうどメンタル的に不安定な時期の素敵な栄養剤だった。それだけでなくロケハンの成果が遺憾なく発揮されていたり、子どもと大人を一緒に描きながらひとつの群像劇に仕立て上げるシナリオ作りはさすが岡田磨里、と改めて関心した。
そしてピングドラム。謎解きに関してはこの記事で書いたし、当たっているところや当たってないところもあったりとかするわけだが、最後まで見終えてもあまり何かを語る言葉が出てこない。思うことは山ほどある。
UN-GOはあの花以上にノイタミナらしさ、つまりドラマのようなアニメーションを作ることに成功していると個人的には思っている。あの花は意図的にターゲットをしぼっているが、UN-GOはある程度幅広い層にも受け入れられると思うし。school food punishmentとノイタミナの相性の良さも改めて感じた作品だった。
アイマスは2クール後半以降の展開が白眉だが全体としては評価が難しいな、と。ダンスシーンはすばらしかったと思う。
【スポーツ】
有馬記念
現場にいたというバイアスもあるんだけど、レース後に降り出した雪や続いて行われたブエナビスタ引退式なんかもあわせてこれしかないという気がした。
去年のはこちら→
【小説】
恋する原発(高橋源一郎)
リリエンタールの末裔(上田早夕里)
きことわ(朝吹真理子)
次点:希望(瀬名秀明)
あれ、と思ったのはいずれもちゃんとした書評を書いて公開していないこと。上田さんと高橋さんは最近読んだので時間的に、ではあるが朝吹さんと瀬名さんの本はいろいろと語りたいことはあったが書かずに年末を向かえることになったのは小さな後悔かもしれない。
いずれに共通するのは、小説の可能性というものを各人各様に示している。高橋源一郎は圧倒的な批評性を、上田早夕里は他者や世界と向き合うことを、朝吹真理子は人と言葉をまつわる関係性を、瀬名秀明は科学と技術と人の生き方を。
小説、あるいは文学というものがこれからも読まれるとするならば、徹底的に何かと向き合うことでしかなしえられないのかもしれない。ここで文学論をぶちまける気も能力もないが、そんなことを感じた一年だった。個人的な事情もあって読書量は倍近く前年より増えたが小説のウェイトは下がった。ある程度下がること自体は来年以降も続く傾向だろうが、定期的に摂取していきたいと思う。
言葉や物語を愛しているということを、あらためて気づかされた一年でもあったしね。
【映画】
その街のこども
モテキ
八日目の蝉
うえふたつがそういえば両方とも森山未来だなあ、と書いていて気づいた。その街は半年ほど前に記事にしたので省略します。
モテキはいろいろな意見があるだろうけど、ドラマ的な尺を意識した盛り上げ方も使いつつ、大掛かりに展開することのできる映画的な魅力もあわせもっていたと思う。監督の大根仁と原作者久保ミツロウのコミュニケーションのよさやプロモーションのうまさも手伝って内容的にも興行的にも成功した貴重な一作と言える。ドラマや原作もそうだが元ネタを入れ込みまくっているので、実際どんな人が見たんだろうかというのは気になるが。
八日目の蝉は宣伝乙ですねわかります。ドラマよりはいいできに仕上がっていると思うので、未視聴の方はぜひぜひ。ただなぜ劇団ひとりがあの役をやったのかがなぞだった。黒歴史という意味ではまあ分からないでもないが(ほめてる
【音楽】
Perfume『JPN』
NIKIIE『*(NOTES』
坂本真綾『Driving in the silence』
次点:トリプルH『HHH』
最初のみっつは順当に決まったかな、という感じ。年末に出たHHHもすばらしいのだが(最近聴きまくっている)オリジナルではないのでうえみっつと比較して次点、という感じ。ぱふゅーむは安定のystkサウンドをもうひとつ前進した。王道のテクノポップ調の曲がありながらも前作『△』のスタンスも崩さず、十分に楽しませてくれた。アルバム単位で聴くのは久しぶり、くらいのほうがいいのかもしれない。
ちょうど1年前にラジオで知ったNIKIIEは今年はほんとうに飛躍の年だったと思うし、1stアルバムにしてはすばらしいクオリティのポップスを仕上げてきた。ライブも精力的に行っていて、来年も期待されるシンガーソングライターだろう。ここからがあたらしい勝負かもしれない。
まあやはこの前記事を書いたので省略。もはや何も語らず、ただただ聴き入る冬でいたいと思う。
【アニメ】※まどマギはのぞく
輪るピングドラム
放浪息子
花咲くいろは
次点:UN-GO、アイドルマスター
振り返ってみればオリジナルアニメが席巻したアニメだった。まどマギ然りあの花然りピンドラ然り、「強い物語」の復権がいいことなのかどうかは分からないが、そのいずれもが震災後に描かれたという事実は残る。あとは各自がどう受け取るかの問題ではあるが、示唆は多かったはず。まどマギはちょっと自分のなかでの評価が定まりきっていないのと、これを挙げると他を挙げられないという理由で除外します。
今年は放浪息子と花いろと、まどマギでもうおなかいっぱいだったんだが最後の最後に輪るピングドラムという化け物に出会えたのは幸福以外のなにものでもないと思っている。本当に素晴らしかった。アニメの最終回で涙がほんのり浮かぶという体験は初めてかもしれない。というかたぶん初めてだと思う。
花いろは4月〜9月というちょうどメンタル的に不安定な時期の素敵な栄養剤だった。それだけでなくロケハンの成果が遺憾なく発揮されていたり、子どもと大人を一緒に描きながらひとつの群像劇に仕立て上げるシナリオ作りはさすが岡田磨里、と改めて関心した。
そしてピングドラム。謎解きに関してはこの記事で書いたし、当たっているところや当たってないところもあったりとかするわけだが、最後まで見終えてもあまり何かを語る言葉が出てこない。思うことは山ほどある。
UN-GOはあの花以上にノイタミナらしさ、つまりドラマのようなアニメーションを作ることに成功していると個人的には思っている。あの花は意図的にターゲットをしぼっているが、UN-GOはある程度幅広い層にも受け入れられると思うし。school food punishmentとノイタミナの相性の良さも改めて感じた作品だった。
アイマスは2クール後半以降の展開が白眉だが全体としては評価が難しいな、と。ダンスシーンはすばらしかったと思う。
【スポーツ】
有馬記念
現場にいたというバイアスもあるんだけど、レース後に降り出した雪や続いて行われたブエナビスタ引退式なんかもあわせてこれしかないという気がした。