Days

日常と読書日記。 受験生日記は閉幕です。

2009年05月

 金曜日の早朝にピーという長い音を立て、2005年3月に購入したマイパソがお逝きになりました。2月ごろから調子悪いと前に書いた気がしますが、力尽きました。理由はいろいろあると思うけど、今後はニューパソを酷使させないようにします。
 メールはすべてフリーメールなので(ホットメール、ヤフー、Gmail)そこは助かりましたね。携帯電話なくしたらアドレス帳ごと全部吹き飛ぶ、なんていう話も聞くけどこのへんはパソコンというかクラウドの強みです。
 土曜日にPCデポに行きozzioのMX1432SDXPを購入。価格は54,800で、簡単なスペックは以下のとおり
CPU:Celeron Dual-core 1400
メモリ:4GB
OS:WindowS XP Home Edition SP3
HDD:320GB

 ディスクドライヴはスーパーマルチなので以前買った外付けドライヴが不要になってしまいました。
 で、昨日からわんさかソフトを入れてます。SonicStageがびっくりするほど速いこと。入れなければならないのはあとFrontPageExpressとATOKぐらいなんですが後者はシリアルナンバーがわからないので保留。あとで香川に電話します。わからなかったらちょっとなみだ目ですね。IMEは使いにくすぎる。慣れてないっつーのもあるんだろうが日本語はATOKが強いと、なんだかんだ。TABキーをフル活用してたしね。あれはよかった。あれないと文章打ちに時間がかかりすぎる気がするよ。
 バックアップはちょうど一月前にとっておいたのがあったのでなんとか。ただテキスト中心に600Mくらいなので音楽とか映像は完全にとびましたね。
 ハードをとりだして、それを外付け用の箱に入れてUSBでつなぐ、なんていう技術があるらしいので検討します。
 ホームページがサーバー停止でそっちの作業もやりたいのにパソコン自体が停止してしまってさらに引きこもりがちになりそうな気持ちをなんとか押しやって日本ダービーを見に行こうかな、と思ってます。プライベート以外で暇なときに行かないとね。再来年は就活やってるかもしんないし。

 で、予想。
◎リーチザクラウン
○トライアンフマーチ
▲アンライバルド
△ブレイクランアウト
×アプレサンブレーヴ


 アプレサンブレーヴの扱いはおまけ。青葉賞組の相性のよさ、っていうくらいですかね、印象は。リーチザクラウンが完全に伏兵扱いなんで、こういうときの豊は恐いぞ、と。そして弟のトライアンフマーチもなかなかにいけると思うぞ、と。皐月の脚は東京で生きる。アンライバルドは東京で勝ちきれるかどうかは別の話だが実力は認めざるを得ない。ブレイクランアウトが共同通信杯の印象と、前走も上がり自体は悪くない。昨日、今日と天気がもってるので馬場は気にしない予想にしてみた。無難すぎる気はするが。ロジユニは回避で。ナカヤマフェスタはちょっと迷いますね。
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 ソニーが新しいウオークマンWシリーズを発売するらしい、と朝日の経済欄にあった。8年ぶりのヘッドフォン一体型。俺はその8年前のモデルを中学まで使っていて、割と珍しがられたのを覚えてる。まだipodが上陸するかしないかの頃でMDプレーヤー使ってる奴が多かったし、ヘッドフォン一体型なんていうのは物珍しい感があったんだろう。流行ってなかったらしいけどw
 価格はshuffleより少し高いくらい。一体型でディスプレイが小さいから、shuffle同様機能は限定的なのだろう。1万を切るのは評価できる。店によっては4GのSシリーズをそれくらいで売ってるところもあるからshuffleより安く売られる可能性もあるだろう。
 質的にはipodより基本的にソニーのほうが同じ容量でも入る曲数が変わってくる(拡張子の問題)から個人的にはウオークマンのほうが使い所があると思ってる。ただipodのシェアが5割を越える現状というのはipodの宣伝力なんだろうね。マスコミもこぞってとりあげてたし。国内のソニーを応援しろと思うんだがwあとはiTunesとのコラボですかね。
 俺の回りとか、学校で見かける限りはipodのシェアはソニーの倍くらいはあるかな。ソニーのほうはEシリーズを使ってる人が多い。これも価格が手ごろでスティック型というのも使いやすくてよさそうだ。てか俺も旧Eシリーズを去年まで使ってたんだっけ。256MBの。
 今回のWシリーズはランニングブームを意識したのかなと思う。auともコラボするみたいだし。

 党首討論の録画を見てるが、鳩は鳩か、っていう程度かな。鳩のつっこみを切り返す麻生は麻生らしい。
 鳩はスローガンが前面に出すぎだ。もっと具体的に、マクロ的に語ってほしかったと思う。相変わらず野次うるさいし、なんなんだろうね。 あれをやる、やらないということの言い合いに終始した感じ、かな?根拠、論理、目的、財源を示さないと言葉だけでは寂しい。献金の議論は鳩のほうに優位があった気はするけどね。

 さっきまで寝てたのでこれから英語の勉強して、CL決勝までつっきろうと思います。2-1でバルサ、っつー予想で。

読了
『黒と茶の幻想(下)』恩田陸
今年33冊目。高二で読んでたのですね、このなかなかにどろどろしたお話を。どろどろをいかに解消させるか、その上で人の本質が見えてくる、そういう話だった気がする。俺は多分彰彦と節子のような性格なのだろう。友達がそれほど多くないこととか(言葉を交わす知り合いは結構いるけど)個人行動が多いとか、それを理解した上で、割り切って生きられるほうが多分幸せだ。そうじゃないよりは。
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 知らないことが多いというのは往々にして不安であるが、それと同じくらい知っていく楽しみもあるということだ。そう望み、努力する限りにおいては。他人という断絶を本当の意味で越えることはできなくても、今より近くすることはできるだろうし、興味を持った相手ならばそうしたいという気持ちが自然に沸いてくる。近づくほど切なくなるときもあるが、遠くにいても切なさややるせなさはあるわけでちょっとした勇気があればもしかしたら今思う以上に近づけるかもしれない。
 だけどまあタイミングというのも大事な要素で、ないわけではなくてもとりこぼしてしまうことが多い要素でもあると思う。掴んだときは距離が一気に縮まるかもしれないが、とりこぼしたときの後悔は大きい。未知数への期待、ないものねだりと言ってしまえば身も蓋もないかもしれないが、往々にしてそうなんじゃないかと思う。
 上手く言語化できない気持ちを守りながら、出会えたことに感謝しながら、前を向いている限りは可能性のとりうる値は広がるだろう。閉ざしてしまうということは一見楽でもどう考えても逃げだとしか思わない。そういう時期があることはしょうがないとしても、閉ざしたままの人生なんてウンザリだ。
 今はただようやく過去から抜け出そうとしていることに手応えを感じるし、開放感も感じる。良くも悪くも自分を縛っていたのだと、そこに逃げていたのだと思う。何をイマサラと言われてもしょうがないじゃないか。それくらいはまあ勘弁してほしい。

 朝のつぶやき。昨日の夜に思ったことだけど。
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 2限のドイツ語の教室で聞いた、前の授業で英語をやってた1年生と思われる(テキストが去年使ったやつだった)女子3人の会話が初々しい。1コ違うだけであんなにキャピキャピしてるものなんだね。
A「やば、フラ語行かなきゃ」
B「わたしもチャイ語〜」
C「わたし5限にドイツ語だ」
A「わたしまだあの建物の構造分かんないんだよね。いつも学生読書室についてしまう」
B「ねー。間違えたら行き止まりになっちゃうんだよね」
 多分早稲田キャンで一番古い3号館の話をしているんだろう。1年のときに3号館を使うことは経済学入門以外まずなかったんだが、語学とは珍しい。
 俺もはっきりとした構造は分からない。建物の見た目以上に広くて色んな教室や会議室や研究室やらがあって、それでもやっぱり入り口を間違えたらたどりつけない場所もあるというなんとも不親切な作り。3号館はそもそも事務所の場所が分かりにくい(個人的に
 法学部や商学部などどんどんビル化が進んでいる中で政経は古いまま残ってる。水面下で再建計画があるようで、これからどうなるかが分からん。作り替える金があるんなら奨学金にでも回して欲しいと思う。今の制度もバリエーションはあるけど、それでも受け取れるのは4000人くらいいるだろう政経生のごくわずかだ。早稲田生は総じて金がないと思われる(特に男は)もーちっとなんとかしてくれればもっと学生集められるだろうし、本を買う金銭的余裕も出てくるんだけどね。まあそのへんは新しい図書館をフル活用してくれってことなんだろうか。

 日曜日はブエナビスタ強かったですね。デザイアも弱くはないんだろうけどね。あれで勝てなかったらどうしようもないよ。新しい牝馬2強対決が見たい。ブエナビスタは凱旋門行く気まんまんみたいで、もしもがあってもおかしくはないでしょう。牝馬3歳が一番軽く走れるし、これだけの能力を持つ馬なので、もしかしたら。ただディープのように脚がロンシャンの深いターフに大分とられるだろうなあとは思う。
 今週はダービー。見に行くよ。 
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 金曜日はいつも通り(っても久々に)新宿で飲んで、土曜日はいつも通りバイト行ってきたんですが、仕事終わりの休憩で有線で流れてるのがけいおんのED「Don't say lazy!」というwまあ確かに仕事もEDであるがバイト先で流れるとは思わない。ブラックロックシューターが前に流れてたからまあこんなこともあるのだろう、と思ってたらEDの直後にOP「Cagayake Girls」がかかりましたよ。これって輝け、じゃなくてきゃがやけ、って読むべきですよねwそのあとがangelaだったからアニソン特集だったんだろうか。
 けいおんのEDはセールスもすごい。CDTV2週連続ヒトケタだったし。わりとアニソンを雑に扱うCDTVですが身内のTBSなんでしっかりOPとEDの映像を流してたしね。

 帰ったあとは前は土曜すぽると見てたけど番組改編でつまらなくなったので、番組改編でスタートしたneo sportsを最近は見てる。メガスポも一時見てたけどだんだん飽きてきたが、neo sportsはスポーツを伝えようという意志を感じられる。若いアナウンサーだけど精力的なので見ていて楽しいです。フジはエンタメ志向に良くも悪くも走りがちだから、neoのほうはテレ東らしいな、って思う。
 土曜よりは日曜の秋本怜奈がタイプです。誰も聞いてないですね( 
 あとまあ、一番好きな女子アナはフジの本多朋子です。他のフジの女子アナにはあまり興味がありません。

 neoあとはモナコの予選と、NHKBS1でNBAプレーオフを見てた。マジック対キャバリアーズ。いやー、あれは面白かったね。英語の実況が騒ぎすぎてんやわんやでone second's playくらいしかまともみ聞き取れなかったきがするよw文字通りブザービーター、さすがレブロンですな。ウィリアムズも大活躍だったと思うが最後はやっぱりあなたですね。昨日のレイカーズみたく離してたのに逆転負けっていうパターンかなあと思ってただけに。最後の5分くらいの攻め方はマジックのほうが良かった気がする。もっと離そうとスリーを打とうとしたりレブロンが強引に行ってたりっていうシーンがキャバのほうは見られたんで。アウェーでここまでの試合をしたマジックがホームに帰ったら、っていう展開は面白いね。
 ウェスタンもナゲッツとレイカーズは互角な気がして、どうなるかな、と。
 モナコ予選は中嶋一貴トップ10スターとおめ!ですね。

 日曜日は相撲と女子ゴルフブリヂストン・オープンが楽しみです。安馬と白鵬の決定戦を見たい。ゴルフはキンクミどこまでいけるかですね。古閑美保棄権は残念だが。
 オークスは雨でもブエナビスタだと思います。昨日の酒場談義でもそうなった。2,3着はオークスなので荒れてもいい。雨なので前残りが恐いよね。スティルインラブが勝ったときのチューニーのような。ヴィーヴァヴォドカとか今回のほうが面白いかも知れない。明日暇だったら予想する。英語の勉強せなあかん。

読了
『黒と茶の幻想』恩田陸
今年31冊目。完全に忘れてたが彰彦のエピソードは重いな。まだ上巻だぞ。
あと今だから気づくが完全にこいつら早稲田生だな。下井草に住んでた、とか高田馬場で焼き鳥を食う、なんてのは。作家が早稲田生だからだろうね。

 地方の進学校を出た奴は、みんななんとなくどこかが似ている。曇りのない健全さ、自分たちの田舎くささを自嘲しつつも自慢にしているような、確信犯的な健全さを感じるのだ。

 健全かどうかは人による気がするが、どこかが似ている気は確かにする。雰囲気で分かる場合もある。一緒にいて居心地がいい、とは思う。別に都会の人が全般に嫌いとか苦手というわけじゃないが、思う。東京という場所は非地元民なんて探せばいくらでもいるのかもしれない。そっちのほうが多いんじゃないかというくらい。学部でも東京は5,6割程度だった気がするし。
 東京が地元のバイトの子に、帰省するので一週間休みます、とかカッコイイ。そんなこと言えねえし、って言われた。帰る場所がこことは違う全然別の場所にあるっていう感覚は、高校のときもそうだったけど今のほうが強く思う。それを羨ましいという人がいるのも、東京という自由な街を満喫しながらも外に出られない閉塞感も同時に感じているからなのだろうか。
 そういや昨日バーで横で飲んでいた女子は、「東京に何かがあると思って東京に来て6年いるけど、何もなかった」って言ってたな。日曜日に故郷に帰るらしい。色んな人が入るのは面白いよね。大学にも酒場にも、バイト先にも。これが今の俺の生活スタイル。サークルは少し飽きてきた。
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 滋賀の大学生がインフルに感染した、までは知ってたがバイト終わって帰ってみると都内でも感染者が出た、と。八王子在住の神奈川の高校に通う女子高生なので、都内にどれほど影響があるかはまだ分からないし今週はフツーに学校あるだろうな、と思う。なくなったら英語の中間が間延びするから休講は勘弁してほしいです。正直。休講になったら阿修羅展にでも行くか、と思うくらい。サイトの更新(というか復旧)なんかもできるだろう。それ以外はニコニコ動画に費やされそうなのでやっぱり大学行きたいです。
 すでに休校状態の兵庫や大阪には昔の友達が大勢巻き込まれていそうだ。滋賀は立命館びわこ草津キャンの学生らしいからそこに通ってる友達2人もおそらく休校なのだろう。
 豚インフルでここまであたふたしている行政(特に国)を見ていたら鶏インフルが蔓延したときは一体どんな状況になるんだろうね、と思う。今回は鶏インフルのマニュアルとかガイドラインを豚に応用してしまったからややこしくなった、っていうのもあるが蔓延したら豚だろうが鶏だろうがベッドが足りなくなるのは当然で、大阪がどの病院も受け入れできるようになる、ってのは今回においては自然な流れなのだろう。鶏のときやもっとひどいときはどうするか、だ。後期高齢者医療とか母子加算廃止をするような国が(厚労省が)適当に対処できる気はしません。いつまでたっても日本だけ大丈夫!なんてことはSARSのときくらいだろうね。もしマニュアルやガイドラインがそれなりに機能したとしても必ずしもその行為がウィルスを上回るかどうかというと、それはまた別な話だし。
 そこまで考えたらキリがないけどとりあえず自分の保身と周り近所のことも考えてうがい手洗いをちゃんとやるべきなんでしょうね。それだけで大分感染率が違ってくるのは当たり前です。中西哲生じゃないけど俺も去年の冬以降続けてやってる。暑い中手に汗かいて帰ってくるからそのまま洗面台に向かう流れで、なんだけど。

 なんとなく、思い出したように恩田陸の『黒と茶の幻想』を読んでる。再読で。上巻の最初のほうでこの本だったのか、という文章にたどりつく。何かの本で読んだ気はしたが、ここだったか、と。

 恋愛は戦いだ、文字通り(中略)男女が完全に理解し合い、納得してしまってはだめなんだ。なぜならば、我々にハッピーエンドは許されないからね。いつまでも幸せに暮らしました、では生命は生き延びられない。常に現状に疑問を抱き、将来に不安を感じている状態が、生物のあるべき姿なのさ

 これを高二の今頃の時期に読んでいたわけですね、俺は。あるべき姿、だとは必ずしも思わないが生命を紡ぐ行為をするためにはそうあるのが自然なのかもしれない。昨日の爆問学問(NHK教育)でも男と女を扱ってたし、こないだのJ-WAVE BOOK BARでも桐野夏生『女神記』を紹介する件で男は生んでもらった子が自分の子かどうかが100%確かめることはできないから不安だ、なんてことを言っていたわけだけど、そうだよね。この話をしたらどうしてもDNAだとか単性ないし両性っていう生物学的な話にいきついてしまうのもしょうがない。社会学や人間科学が解き明かせるもの以上に原理的なものを生物学が提供する、と思うので。社会学が悪い訳じゃないし、それはそれで必要なことだけどね。
 男女ともども不安を抱えているからこそ誰かにすがりたくもなるし、独りでは辛いと思う。遺伝的多様性を目指すために存在する男と女っていう別個の存在が理解しあえるはずがない。それがきっと遺伝的多様性のための犠牲なのだろうと思う。そのために男尊女卑ないし女尊男卑の歴史が世界中であるのも必然なのだろう。完璧に理解し合い、幸せに生きる一番の方法は単性生殖だろうけど、それでは長くは生きられない。
 爆問学問で、太田が女には共通として好きなものに花があるが、男にはそれが女しかない、っていうのは面白かった。多分男という生き物はそういうものだ。間違っちゃいないし全然正しいと思うのでテレビを見ながら笑ってしまった。イタリア人なんかはそれを鼓舞するだろうし、日本人は控えめにとらえるのだろうね。概して、だけど。で、控えめな日本人の行きつく先が草食系男子?なんですかね。

 とまあこういうことじゃないかな、と思う。分かり合えないから分かり合おうとする、完全な幸せはないけどそれでも幸せであろうと常に願い努力する。それが自然な行為で尊い行為でもあるんだろう。大阪でこの文章を読んでるかもしれないある友人に、こんな感じでどうですかね?と。あの日はっきりともやもやを表現できなかったけど、それはやっぱりどうしようもないことで、それを認めたところからがスタートなのだと思うよ。ゴールがどこかは分からないけど、ゴールが分かってたら面白くないと思うし、応援してる。それだけしか俺にはできません。
 インフルに感染しないといいですね、と関西の全ての友人知人に捧ぐ。
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4
監督:池田千尋
主演:西島秀俊、加瀬亮、竹花梓

 去年ユーロスペースまで見に行こう行こうと思って見られなかった映画。今月に入ってDVD化したので早速レンタル。広く一般受けはしないだろうし、多少人を選ぶかも知れないが好きな感じの映画です。

 一言、穏やかな映画だった。多くの人が、見終わったあとに思うことだろう。BGMは要所以外はほとんどなく、ざわざわするシーンは台風のシーンくらいだろう。少し声を張り上げただけで全体にとどろいてしまう繊細さ、それを包み込むやわらかな風景(悪く言えば、さびれてしまった風景なのだけど)が面白いバランスを支えている気がする。

 目の前の嫌なことから逃げてきて、あるアパートで出会った野上(西島秀俊)、三崎(加瀬亮)、涼子(竹花梓)の三人。野上と三崎は同じ会社を辞め、野上は涼子とお見合いで知り合う、といった関係なのだがしばらくの間同じアパートで生活を始める。開かずのまである東南角部屋の部屋を見上げ、草むしりをしたりバドミントンをしたり。これからどこに向かうかが知れない三人が出会う、三人の人生の先輩たち。それぞれの人生が交錯したとき、未来は開けるのだろうか。

 設定は特に何も、というほどありふれたものだ。生き急ぎたいけど、その先が分からずにさまよう若者。自分探しというには静かすぎる展開。ストーリーだってあるようなないような。特に前半はただ淡々と三人の言動を見守ることだけに費やされる。その三人の自然体の演技、特に竹花梓がいい。派手さはないけど感情のこもった演技で、つかみどころのないキャラを好演している。つかみどころのない、と言えば加瀬亮の三崎もなかなか。西島の野上が一番演技をしているようで、三崎と涼子は演技とは思えない普通の若者の普通の生活をしているように思えた。

 設定で大きく勝負していない中で演出にはこだわりが見える。映画のタイトルにもある通り、どーんとそびえるアパートが本当の意味での主人公だと言ってもいい。野上は祖父とこのアパートと土地に関して騒動を起こすし、開かずの間の存在もあるし。それに何より何もないところでただ三人の生活が描写されるのではなく、あるシーンではアパートの前で小さくなったりするし、あるシーンでは草木が生えて狭いところでバドミントンをしたりする。ネガティヴに言えば窮屈なのだろうが、ただでさえ静かな映画を殺風景なところで撮影しても面白味はないだろう。アパートが主役だけあってアパートとその周辺の限られたシーンしか2時間弱の中で映らない。映画だけれど劇を見ているような、なんというか派手さとスケールの大きさを鼓舞するハリウッドとは対極のスタンスを持った映画であるのは確かだろう。

 三人(若者も老人)が求めているものというのもごくごくありふれている。どうすればよく生きられるか。明日を今日よりいい明日に出来るか。逃げていたり、目を瞑っていてはたどりつけない未来、それが不確かだとしてもつかもうとする努力。ありきたりな言葉で言えばそういうところで、綺麗事でもあり、見落としてしまうことなのだろうと思う。だから人は詭弁を使うのだろうし、言い訳をするのだろう、そういう生き物なのだろう。

 静かでやわらかな空気感を出し、繊細な人の心を丁寧に切り取る。ARIAの天野こずえに近いスタンスを持っている監督だと思う。若手の女性監督というのが素直にうなずける。何かもやもやしていたり、ストレスがたまっているときに少し時間を作って見て欲しい。そういう映画だ。見終わったあとににやっとするのはARIAと同じ。静かで心地よい2時間でした。
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 昨日映画の記事を書いたがdaysのカテゴリ記事はまだ書いてなくて小沢辞任についてはまだ書いてなかったようだ。日付変わって今日には代表が決まる。自民のように2週間盛大にやったほうが盛り上がっていいだろうに、と思わないでもないが。国会が空転しようといずれ2/3で返されるのならね。
 正直特に書きたいことはない。とりあえず政権交代はないな、というのが第一印象。次の党首が鳩山になればその可能性はもっと薄くなる。実績や経験、信頼があるから、という街頭インタビューなどを聞いたけど鳩山が党首になったとしたら小沢の方向性を維持するだろう。信頼感を失った小沢の、である。ふたりとも今回の事態で半分くらい終わった人なのだから、残り続ける価値はない。年齢的にも。それならまだ岡田のほうが可能性はあるかもしれないが、選挙になってメディア受けするのは麻生だろう。4年前の9.11選挙で小泉に完敗した岡田に期待できるかどうかは難しい。
 もう少し、という人は2年前に一度辞めたときの天木直人のブログを読んでもらえればと思う。俺も近い意見だし、社民党批判をしているのも面白い(今回辞めたときの記事でも社民批判をしているが)し、この人の今回の記事は方向性が2年前と全然違うので。あなたは小沢に絶望したんじゃなかったんですか、と。

 WBSの金曜フォーカスで若年失業率が日本だけ上昇している、という特集についても触れたい。欧州より水準は低い(フランスは下がっても19%とは)が、低いことを誇れるわけもないし。
 内容はシンプルで、向こう2年あたりは日本は厳しい、デュアルシステムを採用しているドイツなどは景気に雇用が大幅に左右はされない、日本の雇用政策に使われる税金が少ないことやニートの問題、など。デュアルシステムは日本版は一応実施されてはいるが、成果はまだよく分かっていない様子→wikipedia
 雇用政策に金が使われない一因は選挙の投票率の低さではないかと思っている。2年前の選挙は年金問題に起こった高齢者がこぞって民主に投票したおかげで民主が大躍進したのだから、今の就職難に怒って若い世代がこぞって民主に投票に行けば、たとえ岡田党首でも政権交代は起きるかも知れない。その結果を受けた上であれば政策にも多少なりとの影響を与える可能性がある。投票が政策としてフィードバックされうる、というイーストンのモデルを用いるまでもなくわりと単純に考えられることだと思う。
 だが若い世代の投票率が上がるかどうかは分からない。蟹工船がはやるような時代で共産党に投票したところで政策に繁栄される可能性はこれっぽっちもない。彼等は永遠に確かな野党なのだし。
 雇用助成金の政策は実施されているがこれも拡大して持続しなければ意味がない。ETC1000円は多少なりの経済効果があるとしても(渋滞大発生と環境問題という二重苦がぬぐえないだろうが)エコポイントとかいう未決定のポイント制度を唐突に始めるこの国はアホとしか思えない。
 平成21年度補正予算の詳細はこちらから。PDFで重たいので了承されたし。雇用関連は3頁目。上展項目ではあるのだね、一応。

 大阪であった友達からニュースについて書いてるのをよく読んでると聞いたので書いてみたよ!半分くらいはね。特に後半部分は若い人向けにかいてみた。俺は19だから9月に20越えてる人は選挙行ってくれマジで、と思う。
 とりあえず昨日はジミーさんのScene配信記念で唄ってきたぜ。高くもなく低くもなくで少し難しい。息継ぎなしはそれほど疲れなかったっす。
 週末はボーマス8ですね。雨だそうだけど。次の日テストだから行くかどうか迷ってきた。少し考えます。阿修羅展も行きたい、しね。

読了
『スカイ・イクリプス』森博嗣
今年30冊目。去年よりはいいペースだと思う。年間70〜80くらいだろうか。小説以外も結構読んでるのでまあこれくらいのペースなのだろう。
 
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監督:クリント・イーストウッド
脚本:ニック・シェンク
主演:クリント・イーストウッド

劇場:新宿ピカデリー

 ハリウッドを見るのは久しぶりな気がする。少なくとも今年は初めてで、久しぶりにMind yourown Businessとかson of a bitchなんていう言葉を聞いた。もう多くの人が絶賛している映画なので俺が書くことはないのかもしれないが、素直に感じたことを書こうと思う。ただ素直に書けばすぐネタバレになってしまう気がするのでまだ見てない人は注意してください。まっさらで見たい人は予告編とかパンフレットも見ないほうがいいと思います。

 グラン・トリノという1972年のフォード社の車を持つイーストウッド演じるウォルト翁。老妻を冒頭で亡くしてからは馴染めない家族や異人種ばかりの隣近所の中、飼い犬デイジーとともに余生を送っていた。葬儀では死の重みを知らない牧師を軽蔑したり、世代間のギャップや人種間のギャップに反発を隠せないアメリカの頑固老人そのままを演じる。その彼がある一家と出会ったとき、人生のカウントダウンが始まる。書きすぎるとつまらないので概要はこういうところだ。

 この映画のテーマは多すぎるというくらい多くのものを詰め込んだ映画だ。アメリカの直面する人種問題、衰退した車産業(息子の車はトヨタだし、ギャングの車はホンダ。ともに左ハンドルではあるが)、老いの実感や生と死。ウォルトの喋る台詞ひとつひとつにしろ皮肉や軽蔑がにじむ映画であるからこそ、負の側面をつめこんでも違和感はない。それに本当のテーマはその先にあって、それらを改めて伝えるというよりは、それらを滲ませた上で何を昇華できるのか、そこにあるはずだ。映画を見て1時間くらい経てばなんとなく結末も見えてくる。それくらい思わせぶりな伏線や見慣れた気もする展開を経て、カウントダウンはクライマックスを迎えていく。

 映画の途中で思ったことはこうだ。ハッピーエンドは失われた、と。その上で何をイーストウッドはウォルトに語らせたいのか、何をこの映画で問おうとしているのか、それだけを残りの時間は見ていた。

 映画を見終えたあとに観客の人とたまたま少し話をする機会があったのだけど、その人も俺も「ミリオン・ダラー・ベイビー」にテーマの共通点を見ていたように思う。それに比べれば、今回ははっきりした強いメッセージで、だからこそ最後かもしれない演技にイーストウッドは望んだのではないか、そう思った。この映画のストーリーラインのシンプルさや、勧善懲悪、年の離れた男の友情、という側面を見ても思うけど、伝えたいことは伝えてしまいたいという気持ちが伝わってくる。そう感じさせたとき、かつての頑固親父のウォルトはいない。そして多くの場合そうあれないことを、示唆している気もする。日本の政治を見ていてつくづくそう思う。いくら懐古趣味や愚痴を展開しても何も変わらないのだ。

 ラストシーンに関しては、圧巻。予想された結末であるのに、ああも格好良く終わられてはたまらない。後に続くものの責任は大変なものだよ。それとは別に、完全にネタバレになるけど挑戦戦争でひとりだけ死ねなかったことに対しての贖罪とだろう。最後のほうで戦争についてタオに語ったシーンがあったし、それに「硫黄島からの手紙」で日本の戦争を描いているだけに武士道的なケジメを見た、というのもあらぬ推測でもないはず。

 最後に蛇足かも知れないけどもう少し。ウォルトと少年タオの関係は途中からグレンラガンのカミナとシモンにダブって仕方なかった。タオが最初のほうは仲間内でくすぶっているところや、ウォルトに向ける視線は「アニキ!」とは言わなかったけどシモンだよシモン。ハリウッドでも相当の興行収入だったというこの映画にジャパニメーションをダブらせるのはどうなんだろうと思うけど、アニメでこそやれそうなテーマをハリウッドでやれたことには価値があるのかも知れない。グレンラガンを知らない人にはぜひ見て欲しい映画ですね。

 個人的には「ミリオン・ダラー・ベイビー」のほうが好きかな。ただ両方ともテーマといい役者といい完成度の高い映画で好みの問題であるので、ぜひ両方見てほしいと思う。社会派、という意味においてはグラン・トリノだろう。その点は「ミリオン・ダラー・ベイビーにはないもので、今のアメリカを考えても秀逸だったと思う。なるべく早いうちに映画館でどうぞ。ピカデリーも平日夜とかならがらがらです。勿体ないぞ!
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 文字通りひっさしぶり。5月はもう中盤戦なのに今月始めて投下します。帰省しててもパソコンはさわれるけど、気分がそういうのじゃないしね。リラックスしすぎてごめんなさい、というところなのだろう。独り身の気の楽さはあるが、15年いたところに帰る気の楽さもある。家族が揃ってしまうと聞きたくないような他人に関する世間話(田舎では良くあることだと思う。誰々さんちの誰々がどうのこうの、という。大抵ベクトルはネガティヴ)は嫌だけど、まあそれも含めて帰った来たということなのだろうと思っていた。
 目の前に海がある光景が当たり前だった時代はもうずいぶんと昔のことのように思う。たった4年くらい前だけどさ。昔は昔と割り切れるようになったのはちょっとした成長なのかもしれない。引きずってばっかの時期もあったし。ドライになっただけ、ではないと思いたい。ひねくれたっていいことないですよね。
 島でいつものメンバーに会って(帰省してること知らなくてたまたまだったんだが)来年が小学校のタイムカプセルなので日付確かめに行こう!っつーことで小学校へ。セキュリティがゆるゆるなのは田舎だからです。街中の学校ってでかいフェンスとかあるからびっくりする。小学校にしろ中学校にしろ子ども連れの家族が遊んでる風景を見たこともあるのでそういうことなのでしょうね。敷地に鍵かけなくてもとられるものもなく。大体小学生のころはふつーに学校の運動場で休みの日は遊んでたわけで、入れるところから入るのは罪ではないと思います、確認。よそは知らないけど。田舎って便利ですね(違
 少なくとも高校の場合はまず無理。事務所で確実に止められる。

 そのまま平和な日常が一気に過ぎ去りました。早すぎるよね、びっくりするくらいに。気持ちがリラックスしているせいか日付が変わる前に睡魔が来てぐっすり眠れた。それもまたびっくり。

 連休最終日は大阪に渡って高校時代の友達に会いに。去年の8/12と9/28に会って以来だったのでランチからして喋り通す。それはもう迷惑なくらいに一日喋り通した気がします。あれだなー、旧友だからいいが大学の人たちには自重しよう、さすがに。
 梅田でカフェランチ(カフェ=軽食をいい意味で裏切るランチだった)したあとは中之島へ。去年開通したばかりの京阪中之島線を使ったんですが、綺麗ですね。中之島ゆきはほとんど人がいなくてありえないほどがらがら。こんなの高松でも珍しいね、なんて話もしてたくらいで。他の駅はどうか知らないが中之島駅の見てくれは駅じゃないです、小屋です。いやまあいい意味でなんだけど。
 中之島では大阪市立科学館と国立国際美術館へ。前者は完全にお子様向けだけど意外と楽しかったかな。フロアにはよるけど。宇宙関連のコーナーは面白かった。
 美術館のほうは杉本博史っていう写真家の「歴史の歴史」っていう展示をやっていて、彼が集めた古美術や撮影した写真などなどを広い空間をめいいっぱい使って展示してました。これはまあ、びっくりしたね。個人でここまで集められるものなのか、と。考古学的な歴史だけでなくて政治的なものもあり、能面や仏像が並んでいるかと思えば太平洋戦争のA級戦犯のサイン付き写真があったりと思わず見入ってしまった。そのほか解体新書の初版とか、海外の歴史的な解剖図とか全然趣向を変えてアポロ計画で使われた宇宙食だとか幅広くてんこもりでした。よほど収拾した人は浮気性なのだな、と。興味のある分野が尽きることがないんだろうと思いましたね。

 夜は梅田に戻って鳥貴族へ。関西発の焼き鳥チェーンなんですが、メニューがドリンク含めてどれも280円という安さ。しかも肉のでかいこと。さすがに連休最後で混んでて待たされたけどその勢いでがつがつ食べたらあっという間におなかいっぱい。待ってる時間と食べてる時間がそんなに変わらなかったかもしれない。安さはすなわち回転率の高さを伴わないといけないわけだけど、納得。あとまあ、塩を振りすぎてすまん。
 そのあと先方の都合で予定より早めに分かれた後は大阪駅内をぐるぐるしてました。多少は詳しくなった気がします。んまあ、コインロッカーは多すぎて最初どこに入れたか美羽しなかったからぐるぐるしてたってのもあるんですが(
 んまあ楽しかったです、単純に。雨なのが少し残念だったけどね。中之島は気に入った。中之島公園なんかも行ってみたいね。

4月末から今日までの読了
『ああ、監督』野村克也
『とある飛空士への追憶』犬村小六
『学歴分断社会』吉川徹
『海の底』有川浩
『自然体』遠藤保仁
今年25〜29冊。ノムさん本はなかなかに面白い。飛空士第二弾はシリーズもので、まだまだ序の口。ストレートなボーイミーツガールではあるが。学歴分断社会は一読の価値有り。あくまでも指標ではあるが、見えてくるものが多すぎる。有川のストーリーテリングはさすが。本筋はめちゃくちゃストレートだけど、サイドの活躍が本当に楽しい。遠藤には期待するしかないですね。
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